手術室は、病院の中でもやや特殊な部署に該当します。様々な理由で手術室に転職を希望する看護師の方がいますが、転職前の疑問・質問も多いようです。この記事では、手術室に転職を考えている方が抱く疑問について、ネットの悩み投稿をもとに紹介していきます。
よくある質問としては、「仕事内容ややりがいは?」「どんな人が手術室に向いているのか」「手術室未経験でも勤務可能か」「男性看護師の手術室勤務について」などです。手術室を検討している看護師の方は参考にしてみてください。投稿の引用は「看護師コミュニティ」からになります。
手術室・オペ室に転職を希望する看護師からの質問
手術室看護師に転職希望。やりがいを感じるのはどんなとき?
憧れの手術室看護師に転職したいけれど不安も大きく、どんなことにやりがいを感じるかを知りたいという看護師の方からの投稿です。ここでは実際の手術室看護師の方からの回答を抜粋してご紹介します。
手術室看護師は、手術を受ける患者さまへ看護を提供しています。私たち手術室看護師は、手術を受けることになった患者様が入院したら、手術前にお部屋へ訪室し、手術前から手術室へ入るまでの流れ、麻酔をかけるまでの流れ、手術が終わって病室へ帰るまでの流れなどを説明したりします。また、他にも手術に関することで患者様が何か不安に思っていることはないか、会話の中から想いを表出することができる環境を作り、手術前に少しでも不安を軽減することができるように関わります。手術が終わったら、翌日に再び患者様のお部屋を訪室し、手術を受けるにあたって、私たちに事前に教えてもらっていたかったことはなかったか。不安に思ったことはなかったか。などを伺います。これはその時の患者様の意見をもとに、その後の患者様へ術前の説明を行う際に活かせることができるからです。患者様ひとりひとり、感じることは異なりますので、全てが前の患者様の想いと同じではありませんが、どのようなことに不安を感じているのか、どのようなことを事前に知っておきたいのかということはあまり変わらないことが多いのです。そのため、必ず手術前と手術後に、患者様のお部屋へ訪室し、お話をするようにしています。
そして、私たち手術室看護師の主な業務は、手術中の看護となります。中には、手術室には看護がないという方もいるようですが、それは違います。私たちは、手術を受けるにあたり、緊張している患者様ができる限りリラックスすることができるように関わりを持ったり、部屋の室温や照明の明るさ、BGMのセットなどの設定を行ったりしています。また、患者様が一番緊張し不安に感じるのは、全身麻酔で眠る時だと思います。全身麻酔から覚めなかったらどうしよう。手術が失敗したらどうしよう。目が覚めて痛みが強かったらどうしよう。人によって、その不安は異なりますが、みなさん、不安を抱えています。特に不安の強い方は、ずっと目を堅くつぶっていたり、全身がこわばって力が抜けなかったりします。そのため、私は必ず手術室にきた患者様をお部屋まで案内する際には、背中に手を添えて安心できるようにしたり、手術台に寝て麻酔の準備をする際には、手を握って肩に手を添えて安心できるようにしたりしています。これは、患者様に寄り添う、不安や緊張を軽減させるための看護のひとつです。実際に、患者様から手術の後に、「手術で不安で押しつぶされそうな時に、手術室の担当の看護師さんが手を握っていてくれて、とても安心できました。嬉しかったです」と病院内の投書に書き込んでくれたこともあります。普段、全身麻酔で手術を受ける患者様をお相手として看護を提供していることが多いため、なかなか病棟や外来の看護師などのように、直接患者様から感謝の言葉を受け取ることは多くはないのです。そのため、このように患者様から感謝の言葉を聞くことができると、とてもうれしく感じます。
さらに、私たち手術室看護師は、手術中に医師へ手術器具の受け渡しを行ったり準備を行ったりしています。また、麻酔科医とともに患者様の全身状態の管理を行っています。スムーズに手術器具を受け渡すことができれば、それだけ手術時間が短縮されます。手術時間が短ければ、その分麻酔時間も短くなりますので、患者様の身体の負担も軽減されます。手術時間が予定よりも短かった場合や、医師から「○○さんのおかげでスムーズに手術が進んだよ」などと言われた際にはよかったなと思います。このように、患者様から感謝の言葉を聞くことができた時や手術がスムーズに進行し、手術時間・麻酔時間が短くなったことで患者様の負担が減った時、医師から直接お礼を言われた時にやりがいを感じます。これからも、今の仕事にやりがいを持って頑張りたいと思います。
手術室7年目の看護師です。私は新人のころからずっと手術室で働いています。手術室看護師のやりがいについてですが、1人の患者様と密にかかわる時間が減ってしまうため、名前や顔を覚えてもらったり、ありがとうと言葉をかけてもらえる機会は、病棟の看護師に比べれば格段に少ないと思います。それでもほんの時たま、手術室の事を覚えて下さっている方がいらっしゃって、ありがとうと言葉を頂くことがあります。私たち手術室の看護師は、その一言だけで1年間は働き続けられるくらいの効果があるんです。感謝されたくてやっている訳ではないんですが、それでもたまにそうやって返してもらえると本当に嬉しかったりします。
あとは局所麻酔の意識下の手術でしょうか。意識下の手術は看護師の腕の見せ所。緊張した患者さんが、少しでも怖くなく、痛みや苦痛が少ない状態で手術を終えて手術室から出ることが出来るか、私たちが行った看護に対しての反応がリアルタイムに返ってくる機会なので、やりがいがあります。もちろん、全身麻酔の手術でも手を抜くことはありませんが。手術室にもやりがいはたくさんあります。憧れの手術室でぜひ働いてみてください。
手術室看護師の方は、患者様から感謝の言葉をいただけたとき、機械出し、直介によって手術がスムーズに進んで医師からお礼を言われたとき、局所麻酔の手術で患者様の不安を軽減して手術が進行できたときなどにやりがいを感じる方が多いようです。こちらの質問をされた方は、手術室ならではのやりがいがたくさんあるということで、ぜひ憧れの手術室看護師に挑戦してほしいですね。
手術室に向いている人ってどんな人ですか?せっかく転職したのに…
手術室に転職して2年、ほかの人よりも進捗が遅くて悩んでいるという看護師の方からの投稿です。手術室看護師は病棟などとは仕事内容が大きく違うので、慣れるまでは戸惑う方も多いようです。オペ中は、患者さんの様態が急変したり、予期せぬ出来事が起こったりすることもざらではありません。そんなもしもの時に、とっさに対応できる人や、些細な変化に気づける人、そして今自分が何をすべきかを考えて行動できる人が向いているでしょう。テキパキと行動ができ、向上心のある人も向いています。おどおどしていたり、わからないことをわからないままにしてしまい、勉強不足では他の医療者にも迷惑がかかりますし、ましてや患者さんの負担にもなります。テキパキと動けないスタッフが1人いるだけで、オペの進行が遅れてしまいます。なので、オペ室全体をしっかりと観察し、把握し、行動できること、それに尽きるでしょう。オペはチーム戦でもあります。麻酔医、医者、臨床工学技士などの様々な医療職が協力しあって、一つのオペを成功させます。そのためには、的確なコミュニケーションがとれる人ということも向いている条件です。たとえコミュニケーションが苦手でも、的確に対応できれば問題ありません。
明かに手術室に向いていない方というのは、例えば血を見て倒れてしまうとか、外科的な処置が見ていられないとか、そういう方になるでしょうか。投稿されている方は、自己学習や振り返りなどはできているでしょうか?しっかり1件1件の症例を大切にこなして、何が出来なかったのか、見直すことが大切です。自分だけで振り返るのではなく、他者から評価してもらう事も大切です。自分では気づけない点もたくさんあるからです。指導者や他の先輩スタッフとしっかりコミュニケーションをとっていきましょう。先生からの注意も、言い換えればそこを改善すれば成長するというヒントにもなりますので、できれば前向きにとらえて、次は同じことで注意されないように準備していくといいでしょう。投稿されている方は、手術室の仕事が嫌いではないということなので、時間がかかったとしても、きっと伸びる日が来るはずです。機械や機器の名称や使い方、オペの手順、執刀医のくせなど覚えることは多いですが、学びはたくさんある職場です。
手術室の看護師の具体的な仕事内容について
手術室に転職希望の方からの投稿で、仕事内容を詳しく知りたいという質問です。病院にもよりますが、OPE前訪問、直接介助、間接介助、OPE後訪問、カルテ整理などが主な仕事内容になります。手術室だから看護をしていないわけではありません。特殊な場所になりますので、患者さんの不安を聞いて少しでも安心してオペを受けてもらえる環境を作ることも手術室の看護師の大事な役割です。
・OPE前訪問の内容
<脊椎麻酔の患者さん>
脊椎麻酔の作用と副作用の説明、脊椎麻酔を施行するときの体位の説明と体位保持が可能かどうか、それに加え体位保持している間に身体に辛いところがないかの確認をします。
<全身麻酔の患者さん>
挿管のときの説明、挿管のときの抜歯・出血の可能性の説明、抜管の説明、載石位をとる患者さんには足背動脈が蝕知できるか確認します。脊椎麻酔の患者さん、全身麻酔の患者さんに共通して確認していることは、臀部の発赤・発疹・腫脹・熱感がないかを確認します。褥瘡が発生してしまったときに、OPE前にはなかったという大切な情報になるため必ず観察します。
・直接介助・間接介助について
直接介助では、OPE前にOPEの機械・器具の準備をし、OPEで医師に直接機械・器具を手渡します。その際に医師が今術野でなにをしているのか、次になにを欲しているのか考えることが大切になり、結果OPEがスムーズに流れ、患者さんの麻酔時間の軽減・身体へ与える影響の軽減にもつながります。間接介助では、OPE前に患者さんの病室へ訪問しお話しを聞いていきます。前述のOPE前訪問のことです。OPE中では、術中記録・コスト(なにをどのぐらい使用したのか)を書き、病棟のスタッフがどのようにOPEが進んだのかを分かりやすく記述することが大切になります。ドレーンひとつに関しても、どの種類のドレーンで、どこに挿入されているのかが一目で分かるように記述しなければなりません。またOPE中にMAPがあった場合の対応も間接介助の役割になっています。ルートトラブル・皮膚トラブルの有無の確認もOPEが終了してすぐに間接介助や複数の看護師で観察しています。
・OPE後訪問
OPE後3日~5日の患者さんを対象として行います。目的としては、OPE前とOPE後の変わったところや困っているところを、実際患者さんの口から聞き、それを病棟の看護師と共有して問題解決していくために行います。
将来を考えて手術室に転職を考えている看護師ですが、未経験者です
結婚、出産など将来のことを考えて、なるべくブランクなしで働いていくために手術室への転職を考えているという看護師の方からの投稿です。手術室は未経験のため務まるか不安があるようです。新人看護師でも経験10年でも、手術室の経験年数がなければ皆同じようなスタートラインになります。外回りなどはある程度経験が活かせますが、機械出しなどは今までの病棟経験などはほとんど役に立ちません。逆に言えば、手術室が未経験ということはあまり不利にはなりません。看護師としての資格があれば、異動希望をだせば通るという病院もあるようですし、全くの新人のオペ室看護師も増えてきているようです。手術室は特殊な部署ですので、経験がなければ逆に変なくせがついていなくていいのかもしれません。経験者だと教えるほうも教えにくい場合があります。手術室を希望するなら早いうちのスタートがよいでしょう。
一方で、新人看護師の場合は念のため手術室の適性をチェックするという病院もあります。研修期間という名目で10日ほど仮勤務のようなものに入ってもらい、本当に手術室配属でいいのかを確認してもらいます。いざ手術室の勤務に入ってみると具合が悪くなる看護師が多かったり、体力面でもオペ室は密室ですから実は相当きつく、長い手術にも一緒に入れるか、血液や臓器の臭いや見た目に耐えられるか、得意不得意を確認するのです。いずれ慣れる方がほとんどですが、どうしても無理という看護師を無理やり配属してしまうと離職率が高くなるので、病院として対策を講じるところもあるようです。もし転職先がそのような病院であれば、研修で手術室を体験できることになりますね。
ただ、将来のことを考えて夜勤なしを探しているのなら、手術室によっては普通に夜勤がある場所もあるので、気を付けて調べたほうがよさそうです。緊急の呼び出しや拘束当番がある職場や、3次救急の指定になっている場合はオンコールではなく夜勤扱いになることも多いようです。結婚後のことも考えての手術室であれば、休日出かけていても呼び出される(いわゆる緊急オペ)ことは珍しくありません。定期的な勤務のみを希望であればよく検討したほうがいいでしょう。また、将来的に手術室から再び病棟に戻ることまで考えている場合は、バランスをとって経験を積んでいったほうがいいかもしれません。手術室で何年も働いたあとで、いきなり急性期の忙しい病棟勤務に戻るのはかなり大変で、病棟の受け持ち患者のマネジメントに苦労するという話もあります。
手術室看護師ならではの人間関係、連係プレイを築くには?
手術室に転職したばかりの看護師の方から、人間関係やチームワークについての投稿です。手術室は、はじめのうちはここでアイコンタクトなんてできるのだろうか?と不思議に思うほど特殊でよくわからない空間のようですので、なじむまでには相当の努力は必要です。まずは受け身にならないように声を出すことです。何でも復唱しましょう。それを嫌がるオペレーターもいますが、直介の時は特に、復唱して間違いがないようにします。静かに黙々と行うタイプのスタッフもいますが、今は何でも確認を迫られる時代ですので、どちらかというと声を出さないスタッフは注意されます。そしてスタッフとのコミュニケーションを積極的に取りましょう。
ほかは、先に麻酔看護を習得することです。難しいですが、色々なオペに寄っての動きがあるので、覚えて身体が自然に動くくらいになるまで麻酔科医にくっついて教えてもらうというのも有効です。1年くらいたつと、無言のアイコンタクトで動けるようになっているとの声もありました。オペ室はいかにオペに多く入るか、経験を積むか、学習を繰り返すかにかかっています。手術の術野をきちんと見ているかも重要なことです。はじめは一部分でしか見れなかったオペが全体を見渡せるようになると、少し気持ちも楽になります。今は、毎日関わったオペについてマニュアルを作っておくといいでしょう。わからないことはそのままにせず、必ず毎日1個は質問するようにしてみてください。いろんなスタッフや先生の特徴を情報収集して慣れていきましょう。
体調管理も仕事のうちです。慣れないオペを見るとはじめは必ず具合が悪くなるものです。迷惑にならないように、早めに体調の異変を確認すること、寝不足にならないこと(そのうち寝不足でもかり出されるようです)、食事は抜かないこと、などの基本的なことはしっかりしておきましょう。緊張感は必要ですが、過度な緊張は教える方もやりにくいようです。たくさん経験を重ねて慣れていけば、チームワークや連係プレイが築けるでしょう。
転職先で手術室に勤務が決まりました。事前にしておくべき勉強は?
転職で未経験の手術室配属が決まったため、あらかじめどんな勉強をしておけばよいか?という投稿です。初めてのオペ室勤務にあたり勉強しておいたほうがいいことの一つは麻酔の種類です。全身麻酔、局所麻酔の違い、導入方法、局所麻酔でも腰椎麻酔や皮膚科のように注射した部位のみの麻酔のことなど、最初に知るべきことではないでしょうか。何度も繰り返し調べてどのように麻酔から覚めるのか勉強しておくことがおすすめです。また、可能なら持針器で針に糸をかける練習をしておくとよいでしょう。外科、婦人科の開腹の手術や止血の際には必ず用います。初めは緊張してスムーズにできないと思うので、何度も事前に練習しておくと安心です。ほか、可能であればあらかじめオペ室に置いてある全ての薬剤を教えてもらい、どのような目的で使用する物でどのように投与するのかを勉強しておきましょう。
また、手術室で他の科と大きく違うのは器械を使うことです。ですので、その器械の名前を知らないということは通用しません。写真や絵で表示されている書物が多く実物と若干違うので覚えにくいとは思いますが、器械の名前は後々覚える必要があるので勉強しておいた方がいいです。器械は同じ様な物でも大きさが違えば名前も用途も変わります。ややこしいカタカナの名前も多く覚えにくいものです。また、Drによっては勝手に名前を付けてその病院での特有の呼び方になっている場合もあります。当然ですが他の病院では通用しませんので、正式名称を覚えておきましょう。
勤務に入ってからは、オペ入室前の手洗い、ガウンの結び方、器械の渡し方などを覚えていきます。初めのうちは勤務後にも残って練習する必要があるでしょう。入職前は書店に行って分かりやすい手術の順序の本等を下見しておくのもいいかもしれません。入職後に勤務先から借りることもできますし、先輩に聞いてからお勧めの本を購入するのもいいでしょう。手術室は麻酔による体の変化や手術による体の変化の勉強に併せて手術自体の順序の勉強、疾患の成り立ちやそれによる体の変化についても勉強しなくてはいけません。早く出勤して明日の手術、病気、器械、手術の方法についての勉強が大部分を占めることになります。慣れるまでは毎日ついていくのが大変かもしれませんが、せっかく転職して手術室に配属になったのですから、さまざまなことを身に着けて今後の看護師人生に役立てていきましょう。
手術室看護師は病棟よりも男性が多い?
病棟勤務の男性看護師の方からの投稿です。手術室の男性看護師の多さとその理由について、場合によっては手術室への転職も考えている様子です。
病院にもよりますが、手術室は男性看護師の比率が高めで、半分程度が男性のところもあるようです。考えられる理由としては、器械を触ることが多く、組み立てたり、医師の介助についたり、直介で器械を触るなど技術メインの仕事が多い点が男性看護師に合っているということがあるようです。また、病棟よりも手術室はチームプレイの印象があり、体育会系の気質がある点も男性に向いているのかもしれません。あとはやはり力仕事が多いこと、体力がいることでしょう。麻酔で眠っている患者さんの体位をとるのは力が要りますし、重いものも頻繁に運びますし、部屋にないものを突然ほしいと言われたときには走って取りにいかなければなりません。手術室が多い病院では、端の部屋から中央の減菌材料室に全速力で物品を取りに行ってまた戻っていくのを繰り返して毎日走り回る…ということもあります。勤務時間も長く、手術時間が40時間を超えることもあるので、看護師がそれぞれの勤務で交代しながら進んでいきます。日勤だと朝の8時半から夕方17時まで、休憩時間もほとんど取れずにずっと立ちっぱなしだったりします。夜だと夜中じゅうずっとになります。特に夜はお手洗いに行きたくても代わってくれる人がおらず、万が一のときは外回りの看護師がお手洗いのときだけ代わってくれたりしますが、お手洗いの時間や場面まで考えなければなりません。そういう過酷な部署でもあるため、男性向けの部署なのかもしれません。
居心地がいいか悪いかは手術室も病棟と同じで、その場所次第のようです。いまだ看護師は女性が多いですし、女性の患者さんだと男性看護師は困るという方もいらっしゃいます。男性看護師は女性の患者さんを避けるように配慮するなど、働きにくい面もあるでしょう。一方で、力仕事では男性が重宝されるので、男性の良さを活かせる部署に行けば、少しは働きやすくなるのではないでしょうか。そのような部署は、おそらく自然と男性看護師の人数が多くなるのだと思われます。
手術室看護師に転職を考えていますが、給料はどれくらい?
手術室に転職を考えている看護師の方から、給料について知りたいという投稿です。病棟と手術室の給料は、病院にもよりますが、同じ病院で比較すれば病棟の方が高くなるでしょう。手術室は専門的な知識が必要になりますが、それによって給料が高くなるということはありません。それを望むならば将来認定看護師や専門看護師を目指したり、師長などの役職に就くしかないでしょう。オペ室は勉強することも多く、毎日オペばかりで大変ですが、病棟と比べて夜勤の回数が少ないのでどうしても給料は減ってしまいます。病院によっては危険手当や手術室手当があったり、オンコールなどが給料に反映されますが、それでも病棟の給料より低いです。手術室手当は手術室勤務になると自動でついてくるものです。危険手当とは、手術室の場合、手術中に針や鋭利なものを使用しますので針刺し事故で危険が及ぶことがあります。さらに血液曝露といって患者さんの血液が飛んで来たり、針を看護師に誤って刺してしまうことで患者さんの血液がナース側の体内に混入されることもあります。そのような危険な場所で働くため危険手当がついているところもあります。これは手術室だけではなくて救命病棟やICUでもついている時があります。ただどちらの項目もそれぞれ1万円程度の手当てですが、ついていない場合もあります。その際は基本給が少し高めに設定されているところもあるようです。
ここまでだとざっと2万円ほど手術室の方が給料が高いように見えますが、やはり病棟の看護師は夜勤回数が圧倒的に多いです。手術室の場合、夜勤は2名体制か1名体制で、何かあった場合はもう1人呼ぶ場合が多いです。もしくは0名体制で何かあったら電話で呼ばれる体制をとっているところも小さな病院ではあるでしょう。なので手術室では夜勤回数が少なく、手当も少ないため、結果的に病棟看護師よりも給料が低くなってしまいます。しかし、冬など緊急手術がよく入るときにたまたま勤務が重なったりすると残業が多くなるので、かなり残業をするとようやく病棟と同じくらいの給料になるというイメージでしょう。
また、同じ手術室でも病院によってかなり違います。手術室は夜に緊急手術がなければそんなに仕事があるわけではないので、あまり緊急が来ない病院や小さい病院は夜勤自体がなかったり、オンコールだけのところもあります。オンコールは夕方17時から翌朝9時までいつ電話がかかってくるか分かりませんので、ずっと気にしなければならず、精神的につらいものがあります。にもかかわらずオンコール代が安い(千円~2,000円程度)と、普通に夜勤で病院で働いている方が気楽、ということになります。オンコールか夜勤かの違いで月2万円~ほど差が出てしまうようです。
ちなみに、病棟と手術室で大きな違いが見られるのは時間外のお金、つまり残業代のようです。同じように1時間残業をしても、病棟だとサービス残業になることが多いです。特に新人の頃は自分の力量が足りないから、仕事が終わるのが遅いと見なされて時間外をつけてもらえないところもあるようです。一方で、手術室では基本的には自分が働いた分だけきちんと残業代が出ます。手術室の場合、手術が終わらなければ帰れませんし、自分の力量で手術を早く終わらせられるわけではないので仕方ないからです。しかも手術が終わっても片付けなどがあり、すぐ帰れないのは誰もが分かりきったことですので残業を減らそうという動きがないところも多いようです。逆に言えば、病棟で働いていて残業がきちんと出るなら、病棟の方がかなり給料が高くなると思われます。
とある病院では、給料に不満の手術室看護師が多く、看護部長宛てに給料に関しての文書を提出し、それを機に手術室看護師全員にアンケートが配られて、その結果と色々話し合いを重ねて、手術室看護師にも調整手当のようなものがついたという事例があるそうです。夜勤が少ない分のお金が100%出ているわけではないですが、病棟看護師とあまり差が出ないようにする援助金のようなものが付くようになっているそうです。面接や入職のときに給料についてどこまで教えてくれるかはわかりませんが、面接のときなどに悪印象にならない範囲で聞いてみるといいかもしれません。
手術室への転職での面接で確認しておくべき点について
手術室に転職を考えている看護師の方から、面接時に確認しておくべき点は何か、という質問です。こちらは実際の回答をまとめましたので参考にしてみてください。
・待遇について
給料や待遇は病棟前提のものが記載されていることも多いので、「手術室の給料や待遇はどうなのか」は聞いておいたほうがいいです。手術室はやはり独特ですので、勤務体制も病棟と違うことが多々あります。手術室だけ勤務時間が20分早いとか、手術の加減でいきなり翌日日勤から遅出になるということもあります。給料も病棟のもので夜勤4回程度で算出して載せていることもあるので、手術室には全く当てはまりません。手術室の夜勤は、あるところとないところがあります。土日だけ夜勤がなくてオンコール(家で待機)があったり、終日オンコールもあります。オンコール手当も病院によって全く違いますので確認しておいた方がいいです。オンコールについては、オンコールが鳴ったら1時間以内に来ないといけないなどさまざまなルールがありますので、近くに住んでた方が有利かと思います。もし1時間以上かかる場合は先に相談しておいた方がトラブルにならないでしょう。オンコールで深夜に呼ばれ、電車がなくタクシーを使って病院に行く場合、そのタクシー代が出ない病院もありますので、その場合どうするのかということも事前に相談しておいた方がいいと思います。
・手術室の見学
投稿にもあるように、もし面接の流れで手術室の見学ができるようでしたらしておくことをおすすめします。手術室の部屋が何部屋あって、スタッフが何名かが分かればその手術室の規模がわかります。手術室の部屋は1~3部屋、5~10部屋、10部屋以上でそれぞれ小規模、中規模、大規模かがわかります。その部屋数に合わせてスタッフも多くなります。部屋数が多くなるほど、一日で色んな手術があるので勉強量も増えます。その分スタッフも多くなるので、気が合わない人もいるけれど、気の合う人もいるはずです。小さな規模の手術室はスタッフも10名ほどしかいないので、人間関係が合わない場合は厳しくなるかもしれません。スタッフが40名ほどと多い場合は、苦手な方がいても毎日話したり手術もペアになる確率も低く、それほどストレスにはならない可能性が高いです。
手術室を見学できる場合は、ぜひ手術室の中の医療機器を見るようにしてください。手術室の経験がないと、機器が最新かどうか見分けるのは難しいかもしれませんが、昔は全てアナログで、出血量を測るのもはかりに毎回乗せて、ガーゼの重さを引いて計算をしていたりしていました。今は器械に入れるだけでガーゼのカウントも出血量も出るタイプの物が出ています。内視鏡も、昔はモニターを部屋に入れて映していました。テレビのようなものを必要なときだけ部屋に入れて、また出してを繰り返していたのですが、最近はモニターがそれぞれの手術室の天井から吊るされていて、運ぶ必要がなくなりましたし、上から吊るされているので部屋が狭くなりません。部屋の中も昔は緑色の壁が標準でした。理由は、医師が落ち着けるようにするためらしいですが、手術室全体が暗い印象になります。最近は壁の色は白が多いようです。血液も掃除をする時に分かりやすくすることで清潔を保つ、部屋を明るくなるという利点があるようです。医療機器もどんどん最新の機械が導入されているので、見学させてもらい、色々質問するとよいでしょう。
・診療科について
どこの手術室も外科はあると思いますが、他は病院によってまちまちです。大きい病院だと全ての診療科の手術をしていますし、規模が小さいと婦人科と整形外科しか手術をしていない、など色々です。病棟の経験があるなら、経験した診療科があるほうが経験が活かせられるでしょう。手術室の経験が全くなければ、最初は全ての診療科の手術をしている病院を選んだほうがいいです。どこの世界でもそうですが、初心者の時に全てを習っていれば今後胸を張って手術室看護師の対応ができますと言えますが、この診療科の手術は経験がない、となると次に転職をして手術室になったときに苦労します。病院側は手術室の経験があるというだけで分かっていると判断するので、ある程度すぐに1人立ちできるという期待もあります。それが経験がない科があるとなると印象は変わるので、のちのちの事まで考えると最初に全てを学べる方がいいと思われます。ただ、もしこの診療科に特化している手術室がいいという希望などがあるならそれも一つでしょう。病院によってそれぞれ特色があります。心臓に特化していたり、整形の中でもヒザの手術がすごく多い、この先生の手術は有名、といったものです。自分のやりたいことがマッチするのであれば、その選択肢もありだと思われます。
・看護師以外のスタッフについて
手術室の勤務の大変さは手術室の中に看護師以外の業種の人がどれだけいるかにかかっています。手術室での仕事といえば手術に立ち会うことですが、それ以外の仕事もたくさんあります。手術で使用する器械の洗浄や滅菌作業、手術室の掃除、日々の手術の必要物品を集めるなど多々ありますが、その業務を看護師以外のスタッフが行ってくれる病院がありあす。手術室には必ず中材というものが存在します。手術器械やガーゼや綿球などを滅菌したり洗ったりする場所のことですが、中材に業者が入っているととても助かります。手術後の器械も、持っていけば後は洗って滅菌までしてくれますし、同じ手術が重なったりして器械が不足するときは事前に「これだけ次に使うから洗って高速で滅菌しておいてほしい」と依頼だけしておけば行ってくれます。この作業を看護師が行う病院もあるのですが、看護師は次の手術があったりするので洗浄に専念することもできず、器械によってはかなり細かい洗浄をしなければならなく時間もかかるので、していただける方がいるだけで大助かりなのです。この中材のスタッフがいるかどうか、いる場合は勤務時間も聞いておいたほうが参考になります。手術はだいたい17時に終わるように予定を組んでいますが、緊急が来たり、予想外に時間がかかってしまうと手術が夜20時21時になることもあります。その時間は看護師も夜勤への交代になる頃で看護師が不足していることが多いので、中材がいてくれると助かります。逆に中材が17時までの所はかなり忙しいと想像がつきます。ただでさえ看護師も日勤が帰るので不足しているのに洗浄する人もいるので、緊急が来たりするとすぐに手術が始められないことになります。
あと、看護助手さんは主に手術後の部屋を掃除してくれるのですが、病院によっては看護助手さんがいないこともあります。その場合は床掃除やゴミの回収もすべて看護師が行うことなります。一方で看護助手さんが数名いるところであれば、看護師しか分からない器械や物品を片付けるだけでよく、後はすべて看護助手さんが部屋も掃除して元の綺麗な状態に戻してくれます。その時間看護師は術前訪問に行ったり、看護師しかできない仕事が出来るのでかなり効率がよくなります。手術室の看護師が手術に専念できるよう周りのサポートがある手術室を選んだ方が、効率よく手術を受け入れることができます。それを確認する意味で、中材スタッフ、看護助手さんの人数などを聞いておくと参考になります。
・現在の手術室看護師の人数と手術室看護師歴
どこの病院もそうですが、病院は新人看護師の応募を積極的に取り入れているので、たとえば施設などと比較すると、病院は看護師の経験年数が低い傾向にあります。新人頃に手術室に配属されて手術室看護師になると、病棟の経験がないため、なかなか病棟に出て行かない傾向にあります。つまりずっと手術室で勤務する人が多いということです。しかし、手術室での勤務が大変だったりすると他の病院の手術室に移る人も多いので、その手術室看護師はずっと不足している状態です。投稿されている方のように、病棟から手術室に希望で異動や転職をしてくる人はなかなか珍しいのです。よほど向上心が高くてスキルアップに力を入れていると評価されます。たいていは手術室が人員不足なため、ランダムで病棟から手術室に異動させられるケースが多く、その方達は希望ではないのであまりやる気もなく、いきなり手術室という環境が違うところに来させられ、看護師歴はあるのにそれが手術室で全く活かすことができず、仕事のやりがいも失って辞めていく人や、病棟に戻る希望を出し続けている人もよく見かけるのが現状です。もちろんすべての病院に当てはまるわけではありませんが、その背景があるということを事前に知っておいたほうがいいかもしれません。
面接を受ける手術室のスタッフが何人いるのかと手術室看護師歴が分かれば、その手術室の人間関係も分かるでしょう。あくまで一例ですが、よくあるパターンが新人3年目までと10年目以上しかいなく、間がいないというパターンですが、これはあまりよくないと思われます。新人看護師は配属されたばかりなのでそこが嫌だと思っていてもとりえず3年頑張ろうとしています。3年を超えてやっと別の手術室に異動していますので間がなく、その手術室にずっと居座って、自分のやりたいように出来る人が10年を超えてその手術室に居座っているイメージです。できれば看護師歴が中間層も含めまんべんなくいる所の方が環境がいいと思われます。やはり働く際に大事なるのは人間関係です。初めから全てを把握することはできませんが、看護師歴の分布を見れば多少はわかることもあるかと思われます。
手術室希望の看護師におすすめの転職サイト!
マイナビ看護師
看護師に人気の大手看護師転職サイトが「マイナビ看護師」です。手術室看護師の求人も多数扱っており、さまざまな条件から見つけることができます。経験豊富なコンサルタントも在籍しているので、手術室勤務が初めての方でも相談しながら応募できます。
ナース人材バンク
ナース人材バンクも看護師から人気の高い転職サイトです。手術室看護師の求人も豊富で、全国の病院の求人を探すことができます。
手術室・オペ室への転職を考えている看護師の方へ
手術室看護師の求人は比較的多く出ており、手術室未経験者でも採用されやすい傾向にあるようです。しかし、手術室は独特の部署ですので、実情を知らないまま飛び込んでしまうのはリスクがあります。仕事内容はもちろん、勤務体制や給料など、条件面もしっかり理解したうえで応募するのが賢明です。
詳しい条件面を知るには、看護師の転職サイトを使うのが有効です。求人票だけでは分からない詳細や現場情報を教えてもらえたり、面接では聞きにくい給料面のことも、コンサルタントを通して確認できます。求人が多いからこそ、自分が納得できる職場を見つけて転職を成功させましょう。