子育て中の看護師の方が転職をする際に、働きやすい職場とはどんな職場でしょうか？夜勤はできない、土日休みが良い、激務でなく残業が少ないところが良い、託児所付きの施設が良い、年収面ではある程度保証されたいなど、それぞれに育児との両立のための希望条件があるケースも多いでしょう。
この記事では、子育て中の看護師の方が育児との両立の観点で働きやすい職場や、子育ての観点から見た二交代・三交代・日勤専従などの働き方の比較などついてまとめています。子育て中の看護師の転職活動において勤務時間帯や働き方などの希望条件を付けた場合、どのような求人や職場あるのかの参考にもなりますので是非ご一読下さい。子育てと仕事の両立に向けた働きやすい職場探しの第一歩にされて下さい。
子育て中の看護師が働きやすいのは二交代？三交代？日勤のみ？
現在、病床がある多くの病院は二交代勤務が主流で、その次に三交代・日勤専従・夜勤専従の働き方が続きます。病院ではなく外来のクリニックなどは日勤専従がメインですが、全体としては二交代が一番多い働き方です。ここでは、子育て中の看護師から見た二交代・三交代・日勤専従などのメリット・デメリットを比較していきます。
子育て中看護師が二交代制で働くメリット・デメリット
二交代制のメリット
子育て中の看護師から見た場合の、二交代制のメリットの1つは、休みがまとまってとれることです。三交代の場合の休みは、日勤後の休みと準夜勤後の休み、深夜明けの休みとなりますが、準夜勤の休みは深夜まで仕事をしていることになるので休みが短いと感じたり、まとまった休みが中々取れないと感じる人もいます。その点、二交代であれば夜勤明けは1日休みでその次の日も休みになることもあり、月に何度かは病院から長時間離れる時間が生まれますので比較的休んだという感覚が強いです。子育てという観点で言えば子供とまとまった時間を作ってあげやすくなり育児との両立がしやすくなります。
二交代制のデメリット
まとまった時間を子供と作ってあげられる一方で、とにかく夜勤の勤務時間が約16時間目安と長いため、一度病院に行けばしばらく子供との時間が作れないのはデメリットです。深夜帯では何もなければ休憩や仮眠もとれますので平穏な時間を長く過ごせますが、この時間帯は子供は寝ていることが多く、携帯などで連絡したり電話をするにもすれちがいが起こりやすいです。
子育て中看護師が三交代制で働くメリット・デメリット
三交代制のメリット
子育て中の看護師が三交代制で働くメリットとしては、一回の勤務時間が二交代に比べて短い分、子供と離れ離れになる一回の時間が短いことが挙げられるでしょう。二交代の場合だと16時間を目安に一度の夜勤に出ますが、三交代であればそれより半分程度の夜勤時間で済みます。お子さんの年齢にもよりますが小まめに子供に会える方が家と仕事を両立しっやすいと考える看護師もいます。
三交代制のデメリット
デメリットとしては休みが単発でしか貰えない場合が多く、子供とのまとまった休みを作りづらいことが挙げられます。単発の1日休みが多いので予定が中々立てられず、休みの日は一日家の用事や家事で終わってしまったということも少なくありません。
深夜入りの時は自分がどれだけ早く仕事を終わらせられるかにもよりますが、日勤でトラブルがあった場合などは帰ってすぐまた病院に来なければいけないということもあるので、寝る間もなく疲れが取れない状態で準夜勤からの申し送りを聞かなければならないといったこともあります。
子育て中看護師が日勤のみで働くメリット・デメリット
日勤専従のメリット
外来のクリニックなどは看護師でも交代制勤務ではなく日勤のみになることが多いですが、子育て中の看護師が日勤で働くメリットは、勤務スケジュールがいわゆる一般企業と同じになりやすいので、生活リズムが整いやすい、また子供との生活リズムも合いやすいという点があります。子供と一緒に朝起きて、学校に送った後にクリニックに通勤して、仕事終わりに子供と合流して夕食は一緒に食べるようなライフスタイルも組みやすいです。街中のクリニックでは土日休みの場合が多いので土日も子育てに専念できるメリットもあります。日勤のみの職場が一番働きやすく育児と両立しやすいと考える看護師も多いようです。
日勤専従のデメリット
日勤専従だと二交代の病棟管理の看護師と比べると夜勤がない分のお給料が減るのはデメリットです。子供との夜の時間ができても経済的に潤わなければ子育てに支障が出るかもしれません。この点は共働きかどうか、貯蓄がどうかなど個々の事情によってデメリットと感じるレベルは変わるでしょう。
多くの病院が現在二交代制をとっていますが、子育て中のママ看護師にとって二交代と三交代と日勤のみと、どの働き方が働きやすいかというのは個人差があります。どれが良いかは人それぞれ感じ方の違いであって、働く病院でも大きく左右されます。
全て経験してみるとこちらの方が良いというのが出てきますが、今まで三交代しかしたことがない人が二交代で勤務し始めると、初めは勤務時間の長さにうんざりすることもあります。人によっては夜勤が長く感じてたまらないという声もある一方で、長く働く内に徐々に慣れてきますし、急変がない限りは日勤より負担は軽いのでそこまで苦に感じることはなくなるという意見もあります。
また二交代・三交代・日勤のみの他の働き方として「夜勤専従」という働き方もあります。子育て中のママ看護師が働きやすいと感じるかは、夜勤に強いかどうかなども影響してくるので、夜勤専従への転職も検討中であれば以下の記事もご参考下さい。
子育て中の看護師に人気！働きやすい転職先の事例紹介
ここからは具体的にママ看護師が子育てと仕事を両立しながら働きやすい職場をいくつかご紹介します。一番働きやすい条件は夜勤がなく日勤のみの職場ではないでしょうか。夜勤なしの職場は土日休みの職場でもあることが多く、いわゆるカレンダー的な生活リズムを希望する人にはおすすめです。子供との夜の時間も作りやすいです。夜勤がなく日勤のみの職場を中心にいくつかご紹介します。
無床クリニック
夜勤なしの看護師と言えば、まず外来のみを行う無床クリニックの看護師を想像する方が多いでしょう。病院や有床クリニックは患者さんが入院しているので夜勤があって当たり前です。日勤専従・夜勤専従で分けている病院なら日勤のみの勤務も可能となりますがケースとしては少ないです。また、無床クリニックはパートも募集していることも比較的多く、勤務時間帯も午前のみ可、フルタイム勤務など幅広いので自分に合った働き方を選びやすいです。
また多くのクリニックでは土日休みになるので、日勤のみ・土日休みのライフスタイルが実現し、子育てと親和性が高いと感じる人も多いです。土日休みに関しては、クリニックなどは土曜日のみ診療している所もあるため一概には言えませんが、土日休みの求人は比較的多いです。ただし、忙しさや仕事内容はクリニックによって千差万別なので一つ一つ調べてみることが大切です。
一般病院の外来や検査室や手術室
夜勤なしで一般病院で働きたいという看護師の方は、一般外来・検査室・手術室などの配属を希望してみましょう。外来は基本的に日勤帯しか開いていませんが、救急外来は違うので一般外来を希望するのが良いです。検査室・手術室も、緊急の患者さんの受け入れをしている所以外は主に日勤のみの勤務が多くなります。雇用先で差もあるので、応募時には念のため自分でしっかりと確認しましょう。
土日の勤務においては、基本的に一般病院は救急を除いて土日診療を行っていないので、外来勤務者であれば土日休みで採用してくれる多いですう。手術室はオンコールがあるので、絶対に土日休みがよければ事前にオンコールなどの土日出勤は無理と伝えなければいけません。手術室は病棟とは全く違う仕事内容なので一から覚えることも多く、勉強することも沢山必要です。そのため非常にやりがいのある仕事ではありますが、土日休みでも研修や勉強に費やす時間は多いと考えた方が良いでしょう。
訪問看護
多くの訪問看護ステーションが土日休み・夜勤なしの勤務としているので、経験がある程度あり在宅看護に興味がある場合は、訪問看護師が夜勤なしの条件では選びやすい選択肢の筆頭となるかもしれません。またケアマネージャーを目指すのもキャリアアップになり転職先の選択肢が広がります。ケアマネージャーは新たに資格を取る必要がありますが、在宅看護では特に看護師として働く上でも、持っているととても優位な資格です。
訪問看護師は毎日の訪問件数が決まっていて、正社員だけでなくパート勤務も多いです。自分に合ったライフスタイルで働きやすいことも魅力の一つです。しかし、中にはオンコールをしている訪問看護ステーションもあるので、その点は事前に確認しておく必要があります。
デイケア・デイサービス
デイケアやデイサービスは夜勤がないので、高齢者看護や介護の分野に興味があり、夜勤ができないという看護師の方には良いかもしれません。特別養護老人ホームやショートステイなどの介護施設は、夜間でも利用者の方がいるので基本的に夜勤ありの勤務となりますのでデイケア・デイサービスとはまた別に考える必要があります。
デイケア・デイサービスは食事介助や入浴介助など介護の部分が大きいですが、利用者の方と一緒にレクリエーションをしたりとゆったりした環境で仕事が出来るのも魅力です。休日に関しては日曜＋祝日が固定給となることが多いので、完全に土日休みを希望する場合は事前の相談が必須です。
産業看護師や治験などの企業勤務
求人が出づらいかもしれませんが、企業は土日休みがほとんどのため、一般企業で働く産業看護師は基本的に土日が休みです。更に日勤のみの勤務となるので家庭のある方などはとても働きやすい職場であると言えます。
治験で働く看護師も日勤のみの土日休みが普通です。治験コーディネーター（CRC）や臨床開発モニター（CRA）やなど様々な職種として働くわけですが、治験の職種によって業務内容や勤務状況も変わってきます。また、治験自体は土日休みの分、出張や残業が多い所もありますので、夜勤こそありませんが、そこも事前に確認しておく必要があります。
子育て中の看護師の転職活動のFAQ
ここからは子育て中のママ看護師がより働きやすい職場へ転職し、子育てと仕事の両立を目指して動き始める時によくある質問をご紹介します。
体力的に激務でない転職先で子育て中看護師におすすめは？
規模の大きな病院で日々の業務をこなし、そんな中で子育てのタスクも抱えてしまった看護師さんの中には、激務でなくゆったりとした環境で仕事がしたいと考える看護師の方も多いです。上記で紹介した夜勤の有無だけでなく、残業があまりない職場がいい、日中の業務が軽めなものがいい、などの希望も持つ看護師さんもいます。
クリニックは激務でないと思われがちですが、職場によって大きく差が出ます。確かに病院と比較すると時間やナースコールに追われることもなく、ゆったりしていると言えるかもしれませんが、クリニックは職場によって忙しさが全く違います。一般的に人気のクリニック（医師が有名など）の外来は患者さんの数も多いため忙しい所が多いですし、看護師の人数が少ないのに患者さんが多いクリニックは必然的に激務になってしまいます。激務を避けたい場合は、応募先のクリニックの勤務者数を確認するのも一つの手だと言えます。
例えば訪問看護は比較的ゆったりした仕事ができる所が多いです。訪問看護師は毎日の訪問件数が決まっているので、病院のように緊急入院がきてバタバタというようなこともありませんし、残業はありますが事前に把握できる場合が多いので、時間配分を自分で行うことができます。
精神科病院の看護師も、急変やトラブルがない限りは基本的に定時で帰れる所が多く、点滴や検査などもほとんどないので仕事もそこまで激務ではない傾向があります。ただし適性が明確に別れる診療科でもありますので、入職前の見極めが大切です。
あとは緩和ケアやホスピスなどの慢性期・終末期の病院及び病棟も激務ではないことが多いです。ここで最期を迎えるという患者さんがいるのに看護師がバタバタ激務では患者さんも休まりません。ゆったりとした対応が出来るよう看護師もゆとりを持って仕事をしなければなりません。しかし激務ではないですが、終末期の看護は患者さんとの関わりや死についての受け止め方など難しい部分が多いので、転職にはそれなりの覚悟を持つ必要があります。
あとは介護施設も病院よりは激務ではないことが多いです。看護技術を行うことがほとんどなく、看護師でも介護の部分が多いので、体位変換など体力的にきつい仕事はありますが、総合的にみると残業もなく急変も少ないので、一日入所者の方のお世話をしながらゆっくりと仕事ができるという環境が多いです。
子育て中なので託児所が必須の条件で転職をしたい。求人は多いか？
託児所があるかどうかは、その病院が育児や子育てにどの程度理解があるのか・融通をきかせてくれるのかの一種の判断材料となると言っても過言ではありません。大きな病院でも託児所がない所は、育児や子育てをする看護師にとっては時短勤務でも帰らせてもらえない・残業が多いなど、とても働きづらい環境にある場合が多いのです。
反対に小さい病院やクリニックでも託児所があり、育休制度がある所は、育児中の看護師にも理解を示してくれる所が多く、子育て中の方にも働きやすい環境を整えている所が多い傾向にあります。託児所の有無や子どもがいる看護師の働きやすさは、病院の規模ではなく個々の病院の対応によります。
「託児所あり」の求人は看護師の転職サイトで比較的容易に探すことができます。大手看護師転職サイト「マイナビ看護師」で、「託児所あり」の条件設定をして求人を検索すると相当数のが該当します。この中では病院がやはり多く、クリニックは件数としては少な目です。しかしこのほかに非公開求人もありますので、クリニックでも託児所付きの求人がまだある可能性も十分にあります。ぜひ無調登録して求人検索をしてみましょう。
マイナビ看護師
託児所がついた求人はメリットだけ？給与が安いなどデメリットはない？
託児所がついているという点のデメリットは特に考えなくていいのではないでしょうか。
メリットとしては、子どもと一緒に出勤し、子どもと一緒に帰るという流れのため、わざわざ保育園に寄る必要がない点があります。また、託児所では急な発熱の場合などでもすぐに連絡がとれますし、職場の同僚も子どもを預けている方が多いため、周囲も理解がある方が多く仕事を抜けやすい環境にあるようです。病院と提携しているので料金的にも保育園と比較すると低価格な所が多いといった点もメリットに挙げられます。
デメリットを強いて挙げるとすると、基本的に自分の勤務以外の時間は子どもを預けられないので、自分の息抜きや用事などでは預けることができない点でしょうか。また、小規模な託児所などでは同じ年頃の子がいないと子ども自身が退屈してしまうことも多く、保育園のように季節の行事やイベント（運動会やクリスマスパーティーなど）を楽しむ機会もありません。そのため、託児所はあくまで親が働いている間に子供を預かってくれる場所という位置づけが強いのが現状なのはデメリットになりうるかもしれません。
託児所つきだからといって託児所に必ずしも預ける必要はありませんが、保育園激戦区にお住まいの方にとってはとても託児所は働きやすさを実現するための便利な福利厚生となります。託児所も保育園同様見学も可能なので、転職の際は事前に託児所にも見学に行き、託児所の良い所、保育園の良い所をそれぞれしっかりと理解した上で、自分と子どもにとって一番良いのはどちらなのかを吟味した上で決定しましょう。
一人親のため寮つきの求人を探しているが寮つき求人のデメリットはないか？
寮や借り上げマンションがある採用先も多いです。最近は一般的なマンションやアパートを病院側が借りているというのが主流になってきているので、セキュリティーも万全な所が多く、住んでいるのは病院関係者のみなので安心して生活できるのも大きな魅力です。借り上げ住宅の場合は築浅の物件の場合も多く、その割に月々の家賃が少ない点は嬉しいポイントです。家賃については東京都内の病院で求人を調べてみると、「病院から徒歩圏内の借り上げ寮、自己負担2万円前後」くらいの所が多く、東京の家賃相場を考えるとかなりの割安になります。
中には必要最低限の家電までついている寮もあるので、単身者で貯蓄をしたい、家賃が高い首都圏で仕事がしたいとお考えの方には最適です。最近では家族向けのいわゆる社宅のような寮を完備している所もあるようなので、家族がいる方でも利用可能な所を探してみるのも良いかもしれません。もちろん一人親の看護師が仕事と子育てを両立するのに最適な寮やマンションを提供している求人も多数です。
寮つき求人のデメリットはほとんどありませんが、あえて挙げるならば、常に病院に縛られている感じがする、病院関係者ばかりが住んでいるため来訪者や騒音などを人一倍気にしてしまう、などでしょうか。どうしても生活区域が病院の周辺になってしまうため、誰かに会ってしまう、常に病院のことを考えてしまうという人もいます。
また、周りが病院関係者なのは安心ではありますが、「あの人の家にはこういう感じの人が出入りしている」「最近隣の家がうるさい」などと言われないだろうかと心配してしまう、ご近所付き合いはあまりしたくないけれど病院の人だからしなければいけないと思って負担になってしまうこともあるようです。そのため、周囲との関係を気にし過ぎる人や自分が周囲の人からどう思われているか気になる人、来訪者が多いという人には不向きかもしれません。
寮の中には、共同スペースを設けた昔ながらの寮という形をとっている所もあるので、プライベートな空間はあるけれどキッチンなどが共有であるという場合もあります。人と生活スペースを共有するのは嫌、自宅はプライベートな空間にしたいと考えている方は事前に病院の見学と合わせて寮の見学に行くと良いでしょう。
子育て中の働きやすい職場探し！転職のプロへの相談も検討を
子育てに励む看護師さんが、仕事と子育ての両立を目指し転職先を検討する場合は、個々に細かい要望があるでしょう。勤務日時に制約があったり、福利厚生の希望がある場合は、選考は激戦になる可能性もあります。譲れない条件がある場合は、看護師の転職サイトも利用してみましょう。
いざ自分一人で動き始めると転職のミスマッチも起こりかねません。日勤希望なのにオンコールがあった、土日休み希望なのに実際は土曜は出勤だった、託児所を利用するつもりが入職してから利用条件に該当しないことが分かった、などとなると転職活動が無駄になるケースもよくあります。
その点、転職サイトに子育てと仕事の両立に向けた条件を伝えておけば、最初から希望にある程度合致した働きやすい職場を紹介してもらえますし、選考中に疑問や確認事項が出てきた際も、コンサルタントが代理で確認してくれますので、自分一人での転職活動よりは質問がしやすく、ミスマッチも最小限に抑えられるはずです。
以下で大手看護師転職サイトを紹介しますので働きやすい職場探しにお役立てください。
マイナビ看護師
看護roo！（看護ルー）
医療ワーカー
