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インタビュー

絢香

アヤカ

絢香

インタービュー

Excite: シングルとしては久しぶりのリリースになりますね。
絢香: そうですね。昨年は5月から7月までツアーをやって、夏はフェス、秋は学園祭、年末には大阪城ホールと日本武道館があったので、とにかくライヴ三昧でした。歌の力や音楽の力を、ライヴという場所で改めて感じさせられたような一年でしたね。
Excite: 印象深かったライヴは?
絢香: いわゆるロック・フェスにも参加させてもらったんですけど、ロックのファンの人たちの前で「三日月」を歌うという挑戦もしてきました(笑)。でも、しっかり聴いてくれているのが実感出来て、良い経験というか、とても勉強になりましたね。あと、環境問題やエイズ問題など、音楽と遠いようで実はかなり直結している大きな問題をテーマにしたイベントにも沢山参加しました。毎回、感動したり、考えたり、焦ったり、不安になったり…色んな想いが自分の中で蓄積されていったんです。今回は、そういう思いが形になった楽曲になっています。
Excite: その「手をつなごう」は、『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』の主題歌でもあるんですよね。
絢香: そうなんですよ!ドラえもんですよ、ドラえもん(笑)!お話を頂いた時は、とにかく嬉しかったですね。
Excite: 絢香さんにとってのドラえもんってどういう存在なんですか?
絢香: ドラえもんは自分にとって、“夢の中の人”みたいな感じ。例えて言うなら、お会いする前のタモリさんみたいな存在ですね(笑)。
Excite: ドラえもんとタモリさん!すごくわかり易い例えですね(笑)。
絢香: 昨年の秋に行った学園祭ライヴの最終日に、初めてこの曲を披露したんですけど、その時にドラえもんが駆け付けてくれたんですよ。緊張しましたね(笑)。バンドメンバーもみんな写真を撮っていました。思わず子供に戻ってしまいました。
Excite: じゃあ、“もしドラえもんがいたら…”なんてことも考えました?
絢香: はい!もちろん“どこでもドア”を出してもらいます(笑)!「歌いに来て」って言われたら、時間が許す限り色んな人のところへ歌いに行けるし、たった1日でも休みがあれば海外にも行けちゃうわけですからね。“どこでもドア”があれば夢も広がる気がします。
Excite: なるほど。では、そんなドラえもん好きの絢香さんが映画の主題歌を書き下ろすことになったわけですが。
絢香: すごく嬉しかったんですけど、ドラえもんは幼い時から観ていて、当たり前のようにみんなも知っているという、あまりに“大きな存在”だったので、ちょっと戸惑いを覚えるくらいでしたね。でも今回の映画は、動物と植物、人間と地球といった、まさに、昨年、自分がライヴやイベントを通して感じてきたことがテーマだったので、その気持ちをまとめる良いきっかけだと思ったんです。書きたいことは頭にいっぱいあるんだけど、ドラえもんの映画は子供たちも沢山観ますからね。“どういう風に伝えたら…、どういうものを伝えたら良いんだろう?”って、最初はかなり悩みました。
Excite: ドラえもんの存在は大きいですね。
絢香: そうですね。私も大人になって見て改めて感じることが沢山あるんですよね。勇気をもって前を向かせてくれる言葉とか、愛情の強さ、みんなと仲良くすることの大切さという、当たり前ですごく大事なメッセージを沢山伝えてくれているんです。単純だけど、大切なことを教えてくれるものだからこそ、私も感じたままに、難しい言葉は使わずに書こうと思って始めました。
Excite: 「手をつなごう」という言葉はまさに、ストレートなメッセージですね。
絢香: キーワードとして、この言葉がポンッと出てきたんですよ。手をつなぐということは、人と人との温かさを感じることでもあるし、心と心がつながれば、それがどんどん広がって大きな力にもなる。でも今は、あまりにみんなが仲良くしなさ過ぎるというか、“私は私”と思っている人が多過ぎると思うんです。もうそんなことを言っている場合じゃないのに。だからこそ、まずは隣にいる人と手をつなぐことで何か感じて欲しいというか、それによってすごい力が生まれる、一人じゃどうしようもないことがクリア出来たりするかもしれないということを、シンプルに伝えたかったんです。
Excite: 子供たちも耳にするものだから、“手をつなごう”っていう言葉もそうだけど、行為としてもすごく単純で原始的なところに行き着いたんでしょうね。
絢香: それはありますね。家族で映画を観に行く子供たちが、例え、曲を聴いて何を感じるという年齢ではなかったとしても、帰り道にお母さんと手をつないで帰ったりした時の、ほわっとした温かさとかをずっと感じながら大きくなれること程、幸せなことはないと思うんですよね。もちろん、それが当たり前だと感じられるなら、それに越したことはないんだけど。
Excite: 確かにそういう感覚、減ってきている気がします。
絢香: 隣にいる人は、子供にとってはまずお母さん、お母さんにとっては自分の子供だったり、家族の誰かや、自分の愛する人とかかもしれない。でも近くにいたって、つながっているようでつながっていない人って結構いると思うんですよ。だからその大切さとかを改めて感じてくれたら嬉しいなと思うんです。
Excite: そういう気持ちを、これまでとは違ってかなり抑えた歌い方で表現されていますよね。
絢香: ここまで抑えて歌った曲はあまりないですね。割とフワーッと伸びて、気持ち良く歌っている曲が多かったけど、今回は感情を抑えることで伝えるというか。「Jewelry day」とはまた違って、優しく囁くように歌おうと心掛けたのはいつもとの大きな違いでした。それに、今まではサビで割と強いメッセージを書くことが多かったんですけど、今回は逆に弱い部分を歌っているんですよ。不安や弱さは誰もが持っているものだからこそ、そういう部分をまず見せて、それでも歩いていかなきゃいけない道があるということを伝えられたら良いんじゃないかなと思ったんです。サビで弱さを見せようと思いながら書いたわけではないけど、書いていたら自然とそこにそういう想いが詰まったんですよね。
Excite: なるほど。これまで発表された楽曲の中では「Peace loving people」とも共通するテーマかなと思いますが、こういうメッセージは、声を張り上げれば伝わるというものでもないんですよね。
絢香: 本当にそうなんですよ。どれだけ一生懸命頑張って伝えようとしても、その想いを見ようとさえしない人もいるわけで。受け取ってもらってやっと何かが生まれるものだと思うし、伝わった時に生まれるものが大きいからこそ、伝えることの難しさも感じるんですよね。
Excite: 大人はもちろんだけど、これから大きくなっていく子供たちの耳にこそ、こういう歌がどんどん届けば良いなと思います。
絢香: 環境問題は、これから大きくなっていく今の子供たちにとってすごく大事なことだと思うんです。今の大人たちが見て見ぬ振りをしていることによって、もしかしたらすごく苦しまなきゃいけないかもしれないし、頑張らなきゃ生きていけないかもしれない。でも子供たちは、そういう怖ささえまだ知らなかったりするわけですからね。見て見ぬ振りをしている大人たちにも伝えたいし、今はまだ意味がわからなくても、子供たちが映画と一緒にずっと覚えていてくれるような歌になっていけば良いなと思います。
Excite: とても思いのこもった作品に仕上がったみたいですが、レコーディングは順調でした?
絢香: はい。いつもそうですけど、今回は特に集中して歌いましたね。今にも壊れそうな、消えてなくなりそうな小さな世界から始まり、そこからどんどん広がって、曲の盛り上がりとか気持ちの高まりと共に空が見えてくるようなイメージで。オープニングのアコギのアルペジオの感じは、ゆっくりだけど一歩一歩、確実に前に進んでいる感じが上手く出せたし、ドラムがかなり後半まで入らないところも新鮮でしたね。自分を引き出してくれるような、新鮮なアレンジになりました。
Excite: では、今回のジャケットやミュージック・ビデオについてはいかがでしょう。
絢香: ジャケットは、“子供と一緒が良い”という案を出したんです。それで、せっかくだからリアルな温かさや優しさを伝えたいと思って、地元の大阪に帰ったら必ず遊ぶ親戚の子を東京に呼んで撮影したんです。いつも一緒にいるからこその雰囲気が出ていると思いますよ。ミュージック・ビデオには、ずっとずっと人とのつながりを大事にして暮らしている(沖縄県)波照間島の人々の姿が映っています。人と人とが手をつなぐということを通して、嘘のない、確かなものを感じてもらえるような仕上がりになりましたね。是非、皆さんに観て頂きたいと思います。
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