アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| Superfly 2009 Dancing at Budokan!! | 2009.12.14(MON) at 日本武道館 |
2階席の後ろまで立ち見の観客がぎっしり、超満員の武道館だ。開演前には例によって、チープトリックなど王道ロックの名曲が流されている。開演時間が来たところでBGMに合わせてハンドクラップが起こり、オーディエンスの期待の高さがうかがえる。そのオーディエンスの年齢の幅の広いこと広いこと。10代から60代までのファンを感動させる志帆のヴォーカル力の凄さを実感させられる客席だ。やがてカーティス・メイフィールドの名曲「Superfly」が流れて、いよいよ“Superfly 2009 Dancing at Budokan!!”の開幕だ。28本の全国ツアーを大成功させて、今夜はスペシャルなライヴ。ブラスセクションが加わった“特別なSuperfly”が登場する。ヘヴィでファンキーなインストの中、ステージ中央のフロアの下部から志帆がせり上がって現われた。バッと演奏が止んで「Hi-Five」のイントロがスタート。金色と銀色のテープがステージから発射される。いきなりドカーンと武道館に火が着いた。
「恋する瞳は美しい」や「Hanky Panky」など次々に繰り出されるポップなロックチューンに、しょっぱなから会場はハイテンション。中でも志帆のテンションがいちばん高いかもしれない。どの曲も満面の笑顔で歌い切る。
「思い切りみんなで踊って笑って楽しい時間を過ごしたいと思います」というMCの先頭を切っているのは、実は彼女自身なのだ(笑)。
「来てくれてありがとう。初の武道館です。『このステージに立てて本当に嬉しいです』って、素直に言えます。ここで歌ってるの、まだ信じられない。全国28本のツアーをやってきて、それは2ndアルバムの曲が中心だったけど、今日は昔の曲も演奏して楽しんでいきたいな。一夜だけのライヴなので、思い切り楽しみましょう」。喜びを全身で表わす志帆に、大きな拍手が上がった。
ピアノが「My Best Of My Life」のイントロを奏でると、客席から「オー!」という大きなざわめきが起こる。武道館で聴くこの名バラードは格別の味わいだ。また、自らピアノを弾きながら歌った1stアルバムからの「Last Love Song」もいい。志帆が言ったとおり、新旧織り混ぜてのセットリストが、特別な夜を感じさせてくれる。
「誕生」で途中のブレイクもズバッと決まって、ステージ左右の端まで走って歌う志帆に武道館の温度は急上昇。「Alright!!」が始まると、ステージの背後にカラフルな“Superfly”の文字が浮かび上がり、ゴールドのコスチュームにチェンジした志帆が再びステージ下から上がってくる。ついに終盤に突入だ。♪ナナ ナーナナ♪というあのフレーズを志帆が歌うと、そのまま9600人の大合唱になる。彼女が大好きだというストーンズを彷彿とさせる「Ain,t No Crybaby」、そして最後の「Dancing On The Fire」で武道館は巨大なダンスマシーンと化したのだった。
アンコールの1曲目「マニフェスト」で、志帆がブルースハープ(ハーモニカ)のソロを取る。エンディングのヴォーカルのフェイクもロックシンガーとしての実力を充分発揮していて、見事だった。
さらには最高にリスペクトするシンガー、ジャニス・ジョプリンの「Piece Of My Heart」を9600人の前でカバーして、にっこり。そしてラストのバラード「I Remember」がこの日、いちばんの出来だったことに、アーティスト志帆の底力を見た思いがした。自分の生き方と音楽への思いがそれこそ2階席のいちばん後ろのオーディエンスにまで充分に届き、その歌を聴いた全員が感動を隠さなかった。
(取材・文/平山雄一)