老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年収500万円で働いている人が将来月20万円の年金を受け取れるのかについて解説します。

■Q:年収500万円で働いています。将来、月20万円の年金を受け取れますか?
「私は現在、年収500万円で働いています。このまま同じくらいの収入で働き続けた場合、将来は月20万円の年金を受け取れるのでしょうか?」(匿名)

■A:将来、月20万円の年金を受け取るには、生涯平均で年収約680万円が必要になります
会社員が受け取る年金は、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされる形で支給されます。

老齢基礎年金は、未納や免除がない場合、2026年度(令和8年度)では満額で月額7万608円です。

一方、老齢厚生年金は現役時代の収入(標準報酬月額)と加入期間によって決まります。計算式は次のとおりです。

平均標準報酬額×5.769/1000×加入月数
(平成15年4月以降の新計算式)
※従前額保障による計算方法。スライド率等は省略しています。

仮に20歳から60歳までの40年間(480カ月)、同じ年収で厚生年金に加入し続けたとします。老齢基礎年金(月額7万608円)に加えて、老齢厚生年金で月額12万9392円(年額155万2704円)を受け取れれば、合計で月20万円の年金になります。


この場合に必要な標準報酬月額を逆算すると、

155万2704円÷(5.769/1000×480)=約56万721円

となります。

これを年収に換算すると、

56万721円×12カ月=約672万8652円

となり、将来月20万円の年金を受け取るには、生涯平均で年収約680万円が必要になる計算です。

一方、現在の年収500万円(標準報酬月額約41万6000円)のまま40年間働いた場合は、

41万6000円×5.769/1000×480=年額約115万1954円

となり、老齢厚生年金は月額約9万6000円です。

これに老齢基礎年金の満額(月額7万608円)を加えると、

月額約16万6600円

となります。そのため、月20万円の年金を受け取るには、約3万3000円不足する計算になります。

年収を上げるのは簡単ではありませんが、老後資金の準備としては、

・iDeCo(イデコ)やNISAを活用した資産形成
・退職金制度や企業年金の活用
・老後の生活費の見直し

なども有効な選択肢です。

公的年金だけに頼るのではなく、早めに資産形成や支出の最適化を考えておくことが大切でしょう。

※本計算は2026年度(令和8年度)の制度に基づく概算です。将来の制度改正や物価変動により実際の年金額は変わる可能性があります。
※経過的加算は考慮していません。
※年収・年金額はいずれも額面(税・社会保険料控除前)で試算しています。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。
相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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