今回は、44年特例(長期加入者の特例)と、65歳以降の失業給付について知りたい方からの質問です。
■Q:厚生年金に530カ月加入しています。44年特例の対象になりますか?
「64歳11カ月で退職し、その後ももう少し働きたいと思い、ハローワークで求職の手続きをしました。知人から『厚生年金の加入期間が530カ月あるなら、44年特例の対象になるのでは』と言われました。また、『65歳になったので年金も申請したほうがいい』とも言われています。44年特例とはどのような制度なのでしょうか。また、失業給付と年金は同時に受け取れるのでしょうか」(孫三人さん)
■A:530カ月加入していても、44年特例の対象になるとは限りません
厚生年金の加入期間が530カ月(約44年2カ月)あっても、それだけで44年特例(長期加入者の特例)の対象になるわけではありません。
44年特例は、特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人を対象とした制度です。そのため、厚生年金の加入期間が44年以上あっても、特別支給の老齢厚生年金の受給権がない人は対象になりません。
44年特例が適用される主な要件は、厚生年金の加入期間が44年(528カ月)以上あり、特別支給の老齢厚生年金の受給権があること、そして会社員として厚生年金に加入していないこと(退職していること)です。
この特例が適用されると、本来は65歳から支給される老齢基礎年金に相当する「定額部分」を、65歳前から受け取ることができます。
一方、失業給付と年金の関係は、65歳になる前と65歳以降で取り扱いが異なります。
65歳前に受け取る雇用保険の「基本手当(いわゆる失業保険)」は、老齢年金と同時に受け取ることはできません。
しかし、65歳以降に退職した人や、65歳以降に求職活動を行う人が受け取る「高年齢求職者給付金」は一時金として支給され、老齢基礎年金や老齢厚生年金と併せて受け取ることができます。
孫三人さんは、64歳11カ月で退職し、その後65歳を迎えているとのことです。44年特例に該当するかどうかは、生年月日や特別支給の老齢厚生年金の受給権があるかどうかを確認する必要があります。一方で、65歳以降に受け取る老齢年金と高年齢求職者給付金は、原則として併給できます。
ご自身が44年特例の対象になるかどうかは、日本年金機構の「ねんきん定期便」や年金事務所で確認すると安心です。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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