キネマシトラス設立15周年記念作品となるオリジナルTVアニメーション『さよならララ』が毎週日曜24:30~TOKYO MXにて好評放送中。童話『人魚姫』をモチーフに、200年後の滋賀県・琵琶湖でよみがえった人魚姫・ララが、もう一度”本当の愛”を探そうと奮闘する姿を描く。
今回は、主人公・ララ役の菱川花菜と、ララと一緒に暮らす女子高生・大津茉里役の川石奈奈に、演じるキャラクターの魅力やアフレコの裏話などを語ってもらった。

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――オーディション当時の思い出をお聞かせください。

菱川 私はこの作品にどうしても参加したいという気持ちが強くて(笑)。緊張すると空回りしてしまうタイプなので、オーディションでは演技の段取りはあえて考えず、作品の空気感や温度感を大切にしながら臨みました。ただ、スタジオオーディションでは手応えがまったくなくて(笑)。帰り道にはマネージャーと反省会をしていたくらいだったので、合格のお電話をいただいたときは本当に驚きました。

川石 私も「茉里ちゃんは絶対に自分が演じたい」という気持ちがすごく強かったです。何度も何度も練習したので台本がボロボロになってしまい、スタジオオーディションではマネージャーさんが新たにコピーしてくださった台本を使いました。等身大の滋賀県に暮らす女子高生を意識して、茉里ちゃんの存在感を感じてもらえるようなお芝居を心がけていたことを覚えています。

――初めてオーディションでつかんだ役が茉里だったそうですね。

川石 そうなんです。事務所でスタッフの皆さんがサプライズで報告してくださったんですが、最初は怒られるのかと思ってすごくビクビクしていました(笑)。
そこで合格を知らされて、本当に心臓に悪かったです(笑)。皆さん喜んでくださいましたが、何より社長が私以上に喜んでくださって。その姿を見て、「この事務所に入ってよかったな」と心から思いました。

――ララと茉里、それぞれの第一印象を教えてください。ご自身と似ているところはありますか?

菱川 ララは、自分の周りにはあまりいないタイプの女の子という印象でした。世間知らずなプリンセスですし、200年もの間眠っていたこともあって、どこか浮世離れした雰囲気があるんです。そんなララと似ているところがあるとしたら、広い世界をまだ知らないところかな。知らないのに「いいからやっちゃえ!」と猪突猛進してしまうところは、けっこうそっくりかもしれません(笑)。

川石 ララは、日常にある小さな幸せを丁寧に拾い上げられる子だと思っています。そんな感性が本当に素敵ですし、一つひとつのリアクションもとても可愛いんです。花菜ちゃんのお芝居が、そうしたララの魅力をより引き出しているんだろうなと思いました。

――茉里の第一印象はいかがでしたか?

川石 茉里ちゃんは、最初はすごくクールな印象でした。
ボクシングなどの、好きなことに一生懸命になれるところや、一つのことにストイックに打ち込む姿勢を見て、すごく共感する部分がありました。

菱川 ララが現実にはあまりいなさそうな女の子だとすると、茉里は私たちの周りに本当にいそうな、少し個性的な女の子という印象でした。奈奈ちゃんのお芝居もとても自然で、収録では本当に目の前に茉里がいるような感覚で掛け合いをさせていただきました。

――アフレコに臨むにあたって、ララや茉里を演じるために準備したことがあればお聞かせください。

川石 茉里ちゃんのストイックさを自分の中に落とし込もうと思って、アフレコ期間中は彼女と同じスケジュールで生活するよう心がけました。毎朝5時に起きてジョギングをしたり、ボクシング教室に通ったり。作中に登場する食事もチェックして、自宅で同じ献立を作って食べたりもしていましたね。

菱川 すごい。

川石 ほかの方に比べたら経験はまだまだ少ないので、とにかくがむしゃらに、自分にできることは全部やろうという気持ちでした。

菱川 私もパワフルなララを演じるには体をしっかり使ったお芝居が必要になると思ったので、毎日のトレーニング量を増やしてアフレコに臨みました。

――実際に収録をしてみて、いかがでしたか?

菱川 実は私たち、物語の展開をすべて知らされていたわけではなかったんです。小出監督に聞いても「どうやろね」としか教えてくれなくて(笑)。
なので、収録のたびに私も奈奈ちゃんも、ララと茉里が体験する出来事をリアルタイムで知っていくような感覚でした。毎話、「次はそうなるんだ!」という驚きがありましたね。

川石 アフレコの時点では映像がかなり完成していたんですが、目と耳から入ってくる情報量が本当に多くて。集中して映像を見ていないと、取りこぼしてしまいそうなくらいでした。

菱川 私は本番では、ほとんど台本を見ずに演じていました。ララは画面の中でずっと動いているので、その動きにしっかり寄り添うためには、モニターを見続ける必要があったんです。音と映像にズレが出ないよう、セリフは事前にしっかり覚え、本番ではララの動きだけを追いかけることを意識していました。そういうアプローチができたのも、アフレコの段階で映像がほぼ完成していたからこそ。本当にありがたかったです。

川石 音響監督の山田(陽)さんには、茉里ちゃんの演じ方についてたくさんご指導いただきました。アフレコブースの外にあるベンチで、私が理解できるまで何度も言葉を変えて伝えてくださって。その時間があったからこそ、今の茉里ちゃんのお芝居につながっていると思います。
小出(卓史)監督からも「回を重ねるごとに良くなっている」と言っていただけて、本当にうれしかったですし、「もっと頑張ろう」と思えました。

――それぞれのキャラクターを演じる上で、大切にしていたことを教えてください。

菱川 私はララの度胸があるところが大好きなんですが、そこを前面に出しすぎると、本来持っている品の良さや王家の姫らしい育ちの良さが薄れてしまう気がして。だから、「ララは育ちのいい子なんだ」ということを常に意識しながら演じています。

川石 茉里ちゃんは感情を表に出さない子というより、感情の出し方がわからない子なんだと思っていました。だからこそ、一つひとつのセリフに込められた繊細な感情の動きを大切にしながら演じていました。

――お二人での掛け合いはいかがでしたか?

菱川 最初の収録で奈奈ちゃんの立ち振る舞いを見たとき、「この子とは無理をしなくても仲良くなれそうだな」と思ったんです。自然とそう感じられる雰囲気があったので、変に気を遣うこともなく、ララとして自然体で掛け合うことができました。

川石 私は第1話の収録のとき、現場に顔見知りが一人もいなくて、緊張でガチガチだったんです。そんな私に花菜ちゃんが「隣、いいですか?」と声を掛けてくださって。それからずっと隣にいてくれました。花菜ちゃんが一緒にいてくれたからこそ乗り越えられた場面が本当にたくさんあって、感謝の気持ちでいっぱいです。


菱川 うれしいけれど、恥ずかしい(笑)。

――収録現場の雰囲気についてお聞かせください。

菱川 皆さん本当に仲が良くて、とても温かい現場でした。休憩中は和気あいあいとしているんですが、本番になると空気が一変して、ピリッと集中する。そのメリハリがすごく印象的でした。

それと、奈奈ちゃんが現場では”滋賀弁の先生”だったんですよ。

川石 私は滋賀県出身なので、茉里ちゃんの話す滋賀弁については、けっこう自由にお任せいただいていました。

菱川 滋賀弁を話せるキャストが集まって、「先生、教えてください!」って奈奈ちゃんにお願いしていたんです。それを見ていたら私もすごくうらやましくなって、滋賀弁を真似して遊んでいたら……。

川石 収録本番で出ちゃったんですよね(笑)。

菱川 そうなんです(笑)。思わず滋賀弁っぽいイントネーションでしゃべってしまって、ブースの中が一瞬ざわつきました(笑)。
「これは真似しちゃダメだな」と思って、それ以来は大人しくしていました(笑)。

――完成した映像を初めてご覧になったときは、どんな印象を受けましたか?

菱川 先行上映会で、私と奈奈ちゃん、それから大津祥弥役の大野智敬さんの3人で第1話を初めて観たんです。本当に劇場版みたいなクオリティで、「作画がすごい!」って大興奮でした。

川石 毎週テレビで放送する作品とは思えないほどの映像でしたよね。「キネマシトラスさん、本当に大丈夫ですか?」「アニメーターさんが倒れちゃうんじゃない?」なんて、みんなで心配してしまうくらい(笑)。それくらい細部まで丁寧に作り込まれていて、本当に感動しました。

録り直したララと茉里の掛け合い 物語は新たな展開へ

――放送済みのお話の中で、お二人のお気に入りのシーンを教えてください。

菱川 私のおすすめは、第2話のララと茉里が二人だけで掛け合うシーンです。あそこは一度本番のテイクを録ったあと、「やっぱり二人でもう一度録り直そう」ということになって、居残りで収録した場面なんです。BGMもなく、本当に二人の声とSEだけで見せるシーンなので、どんな仕上がりになるのか放送をとても楽しみにしていました。

川石 どのシーンも一分一秒見逃してほしくないくらいお気に入りなんですが(笑)、特にララと茉里だからこそ築ける関係性が私はすごく好きなんです。少しずつ距離を縮め、お互いを理解していく二人の成長を、視聴者の皆さんにも一緒に見守っていただけたらうれしいです。

――最後に、今後の見どころとファンの皆さんへメッセージをお願いします。

菱川 ララは滋賀での暮らしに少しずつ慣れ、安心できる居場所を見つけていきますが、その一方で今までとは違う新たな悩みや壁にも向き合うことになります。まだ多くの謎が残されている物語ですが、登場するキャラクター一人ひとりを愛していただきながら、毎週の放送を楽しみにしていただけたらうれしいです。

川石 茉里ちゃんもララと過ごす時間を重ねる中で、「こんなに笑う子だったんだ」と感じられるような変化や成長を見せてくれます。それぞれのキャラクターが大切なものを守るため、一生懸命前へ進んでいく姿が丁寧に描かれていきますので、ぜひ最後まで見届けていただけたらうれしいです。
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