『AKIRA』の大友克洋が原作・脚本・メカニックデザイン、江口寿史がキャラクター原案を手がけ、北久保弘之が監督を務めた『老人Z』。このたび、公開35周年記念、そして東京テアトル創立80周年記念プロジェクト第三弾特別企画として、『老人Z 』4Kリマスターの劇場公開が決定。
2026年12月18日よりテアトル新宿・テアトル梅田にて1週間限定公開、その後2027春全国公開される。

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1991年9月14日。『老人Z』が劇場公開された。日本ではバブル経済が弾け、街では小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』が流れていた。当然まだスマートフォンも、SNSも、生成AIもなかった。そんな時代に、日本のアニメ史に一台の暴走介護ベッドが誕生した。
テーマはAI×高齢化社会ーーーいまや現実となったこのテーマを、35年前に誰よりも早く、そして誰よりも大胆に描いていたのが本作『老人Z』である。スピード感あふれるメカニックアクションと、油断も隙もないブラックユーモア&ギャグ、そして底知れぬ人間愛が融合した、正真正銘の伝説級SFアニメーションだ。

原作・脚本・メカニックデザインを手がけたのは、東京オリンピックを目前に控えた2019年のネオ東京を描いた『AKIRA』で、世界中のクリエイターに多大な影響を与えた大友克洋。本作では、また異なる形で近未来都市を描き、官僚機構、そしてテクノロジーが軋み合いながら暴走していく様を描き出している。キャラクター原案を手がけるのは江口寿史。軽やかな線のキャラクターが、大友が描く暴走する世界に、絶妙な "抜け感" を与えている。
そして、その異様な世界をさらに加速させるのが、監督・北久保弘之。後に手がけた『BLOOD THE LAST VAMPIRE』は、その鋭いアクション演出がクエンティン・タランティーノを刺激し、『キル・ビル』のアニメパートにも影響を与えたと語られる一本。そのルーツとなるスピード感が、『老人Z』の時点ですでに炸裂している。

作画監督に『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の飯田史雄、美術監督に『ふしぎの海のナディア』の佐々木洋。そして作画スタッフとして名を連ねるのは、のちに『パーフェクトブルー』『パプリカ』を生み出す今敏、『攻殻機動隊 S.A.C.』の生みの親となる神山健治、『攻殻機動隊 ARISE』の総監督を務める黄瀬和哉、『人狼 JIN-ROH』の監督を務める沖浦啓之、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の監督を務める鶴巻和哉、さらに井上俊之、森本晃司ーーー。大友克洋×江口寿史×北久保弘之という個性の掛け算に、この化け物じみたスタッフ陣の腕が乗った結果生まれたのが、今なおカルト的人気を誇る本作。その作品性は当時から高く評価され、第46回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞した。

平成初期に登場した "未来予知" は、AIが日常になった2026年でもまったく色褪せていない。それどころか「セルアニメのアクション作画の最高到達点」とも言われる本作の創造性は、私たちの想像をはるかに超えてくる。1枚1枚人の手によって描かれたセルに宿る、アニメーターたちの魂と創造力。神々の集結が生んだ、いまもなお未来を感じさせる世界を堪能してほしい。

今回さらに、1991年に『老人Z』が制作当時に解禁された特報映像も、当時のまま公開。
テキストの羅列のみで構成された、時代を感じさせる特報映像は、平成初期の空気感をそのままに、本作が刻んできた歴史を感じ取ることができる貴重な映像となっている。

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