KFCコケたのに、ハンバーガー屋が80億円!マクドナルド「チ...の画像はこちら >>



チキンナゲット。いまではマクドナルドの定番メニューになっているが、リリース当時は賭けだったようだ。

1980年代当時、ケンタッキーフライドチキン(KFC)で先行して販売されるも、大コケしていた。しかし、出してみたらいきなり年間80億円売れる大ヒット。「常識にこだわる奴は常識に殺される」。日本マクドナルド創業者・藤田田からのメッセージを新装版『凡人が億を築く法』(ベストセラーズ)より抜粋して紹介する。





■常識をトコトン砕いた“金儲けの頭”



 常識にこだわる奴は常識に殺される。



 ある場面に直面して、なんらかの判断をくださなければならないことは、よくあることである。私は、そういった場合には、一つのことに三通りの判断を考えてみる。



 一つめの判断をくだした場合はどうなるか。二つめの判断ではどうなるか。三つめではどうなるか……。



 それらを考えてから、最後にこれがベストの結果を招くと思われるものを選択し、決断する。まず、判断をして、それから決断をくだす。



 



 そういった判断の仕方は、訓練を積み重ねて養うほかない。



 判断力は推理力である。だから、判断力を養うことは推理力を整うことである。推理力がある人がいい判断ができる人である。



 ものを判断する場合、表か裏か、白か黒かを判断するだけなら、確率は一対一である。しかし、ビジネスの場合、そんなに簡単に判断はくだせるものではない。推理を重ね、そうして決断に至る。その過程で、あらゆる結果を予測する。だから、結果として予測しなかったことが起こることはあり得ないことである。



 よい社長、よい副社長、よい部長、よい上司というのは、よい判断をする人のことである。





■異端の「チキンナゲット」が80億円売れた



 私のビジネスのことだが、1984年、チキンナゲットを扱うかどうかというときに、私は判断に迷った。というのも、チキンナゲットは1983年に、チキンの専門店の「ケンタッキー・フライドチキン」が売りだして、まるで売れなかったために、日本では売れないと判断して販売ストップを決断した商品であるからだ。

それを日本で売ったらどうかという話がもちあがったのだ。



 社員の意見をきいてみると、鶏専門屋のケンタッキーさんが失敗したのをハンバーガー屋が売っても成功するわけはないという意見が圧倒的だった。



 が、ためしに、チキンナゲットをつくらせて試食してみた。すると、うまい味になっている。



 これなら日本でも売れる、と私は判断した。



 そこで、どれぐらい売れるかという予測を立てたのだが、全売り上げの一割、という見方が強かった。



 私は、もっと売れるはずだから、商品を多めに用意するようにいった。売り上げ目標を全売り上げの19パーセントとはじいたのだ。



 そうして売りだしてみたら、なんと、全売り上げの28パーセントも売れたのである。



 こんなに売れると、いくら商品を用意してもたりない。そこで、アメリカから飛行機で製造機械を輸入して、伊藤ハムさんの工場に据えつけ、24時間、徹夜でチキンナゲットの製造をはじめた。伊藤ハムの常務取締役伊藤正視さんが、こんなに徹夜つづきだと社員が死んでしまうと悲鳴をあげたほどである。



 ついに、1984年の売り上げは、当初の予測の1004億円を上まわり、1080億円を記録した。つまり、チキンナゲットだけで80億円売れたのである。そのために、日本経済新聞から、1985年のもっともよい商品の一つであるとして表彰を受けた。そうしたら、今ではどこもチキンナゲットをメニューに入れて売りはじめている。



 



 鶏専門の店が売って失敗したものを素人のハンバーガー屋が売っても売れるわけはないというのは常識である。しかし、ときにはその常識に従ってはいけない場合もある。ときには、常識の裏をいくという手もある。常識は常に変わっている。固定した常識などは存在しない。現代に徳川時代の常識が通用しないことを見ても、わかるはずである。



 私はケンタッキーがチキンナゲットから撒退したあと、アメリカにいってターゲットのちがいをつぶさに研究し、この商品なら売れるという自信をもったからこそ、売りだしたのである。



文:藤田田





《『凡人が億を築く法』より構成》

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