Juice=Juiceで現在はソロアーティスト、そして最近はAIでコードを開発しての10時間生配信が話題になった宮本佳林が、今度は1年ぶりにミュージカルに挑む。そのラブライブ!シリーズの『スクールアイドルミュージカル』がまもなく開幕(9月19日~26日 東京・新国立劇場 中劇場)。
歌に舞台とパフォーマンスを磨き続けるだけでなく、畑違いのジャンルでもプロ顔負けの情熱を注いでいる。舞台のことや、いつでも全力で活動できる原動力を聞いた。(前後編の前編)

【写真】元Juice=Juice・宮本佳林の撮り下ろしカット【5点】

本作の舞台は大阪の芸能コース選抜アイドル部の活躍でブランド化に成功した、滝桜女学院と神戸の昔ながらの進学校、椿咲花女子高校。宮本が演じる滝沢アンズは話題の滝桜・アイドル部のセンター。エリート校でのセンターというポジションに重責を感じつつ、椿咲花のメンバーとの出会いによって変化を巻き起こす。

――『スクールアイドルミュージカル』出演発表時のことは覚えていますか?

宮本 「あの宮本佳林ちゃんが?」みたいな皆さんのつぶやきをSNSでよく見ました。「その“あの”っていうのは何なんだろう?」って思ったんですが、最近もリリースイベントで全国をまわっていると「Juice=Juiceの頃からずっと見てました」って言ってくれる若い女の子も結構いてくれることに気づいて。私って意外と知名度あったのかな?と思った出来事の一つでした。

――Juice=Juiceのブレイクもあり、最近の宮本さんの周囲には追い風が吹いていそうな雰囲気がありましたが…。

宮本 ハロプロって、なんでも自社でサービスを完結できちゃうイメージがありますよね。だから私たちも昔から知られているっていう感覚があまりないし、自分でもいまだに「宮本のこと知っている人なんて全然いない」って思っている節があります。ラブライブ!シリーズのファンの方とか、界隈が違っても名前を知ってくれているんだってうれしくなったのが、「あの佳林ちゃん」っていう声でした。


――今回演じる滝沢アンズには、どんな印象を抱いていますか。

宮本 歌って踊ることが好き、という真っ直ぐな気持ちを持っている子だなと思います。彼女がそこにいるだけで、いつの間にかアイドルが始まってしまうようなオーラがあるんですね。学生でアイドルゆえの悩みもあるんだろうけど、彼女についてはアイドル以外の姿が思いつかないんですよ。(アイドルに)なるべくして生まれてきたよね、と思わせてくれます。

――演出の岸本功喜さんからは、役作りについて具体的なリクエストはありましたか。

宮本 「とにかく、ザ・ヒロインで」とアドバイスをいただきました。ただ、これってすごく難しいことだなと思っていて。あくまで私自身の主観なんですけど、本物のヒロインって、自分のことを「ヒロインだ」なんて絶対に認識していないはずなんですよ。

――自覚していない華やオーラがあるからこそ、自然にヒロインらしさがにじむ。

宮本 そうだと思います。だからアンズちゃんも「自分はセンターにふさわしくない」と思う瞬間が来たり、歌って踊ることが楽しくなくなってしまうタイミングが来たりするんだろうなと。
彼女の無自覚な華と葛藤の塩梅をどう表現するかが大事だなと思います。

――するとアンズについて、アイドル経験者として何か気になることは?

宮本 自分と周囲のギャップ、は気になります。Juice=Juice時代も、立ち位置や歌割りもおいしいところをいただいたことも多かったです。でも立ち位置は固定ではないし、“センター”のように評価してもらえることはありましたが「そうじゃないのにな」という違和感はありました。

――明確にセンターがあるグループではなかったですからね。

宮本 でもそこで「違うから」って斜に構えてはダメなんですね。どこにいても目立って、輝かなきゃっていう気持ちがないとダメ、っていう教育を受けてきたので。アンズちゃんもエリートなアイドルなので、マインドは宮本に似ているかもしれません。こんなところを起点に、彼女の心情に近づいていきたいです。

――ミュージカルは昨年の『四月は君の嘘』以来になります。お芝居への抱負は。

宮本 舞台に立つ以上、普段の宮本佳林では見せられないものを見せたい、という思いは常にあります。
その上で原作がある作品の場合は、もともとのファンの方が彼女を好きになっている部分をまず大切にしたいんです。そこを崩さないようにしつつ、今回の舞台でしか見せられないアンズをお見せすることが務めです。

――今作は再演でもあり、ラブライブ!シリーズの1作ですが、作品の研究などは?

宮本 考えすぎてもダメだな、と思いました。オタク気質なので、謎解きが止まらなくなっちゃうんですね。他のマンガでも「この人絶対黒幕じゃん!」とか勝手に妄想します(笑)。昔グループでミュージカルをやった時も、顔を背けるシーン一つに「過去のことがフラッシュバックして…」のような背景を勝手に考えていました。悩めるくらいに考え抜くのは好きなんですが、今回はコメディで楽しい舞台なので、シリアスな考察は一旦、忘れることにしました。

――まずはアイドルミュージカルらしい、楽しさや明るさを見せたいと。

宮本 セリフを「これってどういう感覚で言ってるんだろう?」とかみ砕く作業は必要です。そうやってアンズちゃんたちの気持ちを理解した上で、彼女たちがアイドルをやる時の楽しさや、逆に嫌なことは嫌とはっきり言う本心はストレートに出すように。素直にお芝居を作っています。

――バズったタイミングでのミュージカル主演で、改めて意気込みは?

宮本 見る人をびっくりさせるくらい頑張りたい、とはいつも思っています。
過信になってはいけないんですが、どの職業でも自信と謙虚のバランスって大事です。音楽でもお芝居でも「宮本ならこれくらいできるだろう」って期待される要素は自信に変えつつ、それ以上のパフォーマンスを出すことを課していきたいです。

(プロフィール)
宮本佳林 みやもと・かりん  
1998年12月1日生まれ、千葉県出身。ハロプロエッグを経て、2013年にJuice=Juiceに選ばれデビュー。2020年に卒業。翌年からソロアーティスト活動を始める。ほか、2024年の舞台『ザ☆アイドル!』、25年のミュージカル『四月は君の嘘』などに出演。2026年は7月に5thシングル『HANAKIN/シャニカマー』をリリースし、そのAIを活用した生配信の裏側をつづったブログがヒットした。

(公演情報)
「スクールアイドルミュージカル」
日程:2026年 9⽉ 19⽇ (⼟)~ 26⽇ (⼟)
会場:新国⽴劇場 中劇場

[原作]矢立肇 [原案]公野櫻子
[脚本/演出]岸本功喜 [作曲/編曲]小島良太
[出演]
堀内まり菜 宮本佳林 浅井七海 安本彩花 南野巴那 杏ジュリア
仲村悠菜 及川結依 清水理子 井上音生 由良朱合 村山結香
蒼乃夕妃 岡村さやか ほか

公式サイト:https://lovelive-anime.jp/special/musical/

【後編】元Juice=Juice宮本佳林「みんなが幸せになる」が原点 18年の芸歴を支える“思いつきを行動にする”生き方
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