レビュー
「人前で話すと、途中で何を話しているかわからなくなる……」。そんな「お話迷子」にならない方法を探している方におすすめしたいのが、「スピーチマップ」という独自メソッドを解説した本書である。
著者の下間都代子さんは、「声・話し方の総合プロデューサー」の肩書を持つフリーアナウンサー・ナレーターだ。阪急電鉄の車内放送を担当していることでも知られている。
前著『「この人なら!」と秒で信頼される声と話し方』では、信頼を得るための「声」と「話し方」を丁寧に解説していた。本書ではさらに一歩踏み込み、テーマ選び、構成づくり、緊張克服、ネタ探しまで、「人前で話す」ための実践知を一冊に凝縮している。スピーチマップを使った「人の心に届きやすいテーマ」の見つけ方や、話の構成の決め方、表情・間・声の抑揚などのトレーニングも紹介されており、読みどころ満載だ。
プロローグで著者は、「うまく話さなければならない」よりも、「この話を伝えたい」という気持ちが大切なのだと語る。人前で話すことは、地図を頼りにゴールを目指すようなもの。事前にスピーチマップを描いて準備すれば、安心して話せるようになる。
自分が積み上げてきた経験やスキルという財産を、「言葉と声」に乗せて周囲に届けていく。そのプロセスがいかに豊かなものかを実感できるのが何よりの魅力だ。本書での学びを一つでも実践すれば、「伝わる声と話し方」の威力をきっと体感できるだろう。
本書の要点
・話す内容を「スピーチマップ」で整理すると、緊張しても話の道順を見失わなくなる。
・聞き手の心に届く構成にするためには、「4つの箱」の中身(具体的な話・論理・感情表現・結論)が重要となる。「寄り道話」「つかみワード」「エモーションゴール」を効果的に使うとよい。
・声と話し方に感情が乗っていることが大事であり、顔の表情と声の表情は連動している。
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