韓国化粧品は、一時的な流行の枠を越え、世界の美容産業を動かす輸出分野へ成長した。韓国食品医薬品安全処によると、2025年の同国化粧品輸出額は114億ドルに達し、過去最高を更新。
輸出先も米国、中国、日本から中東、欧州へと広がっている。成分開発、商品化、映像コンテンツ、越境ECを一体で動かす仕組みが、消費者の「次に試したい美容」を絶えず生み出してきた。
世界で広がる韓国美容への関心は、日本のサロンにも新しい商機をもたらしている。だが現場では、医療美容との競争、原材料費の上昇、人材不足、高額機器の返済が重なり、話題の商品を置くだけでは顧客が通い続ける理由にならない。どの悩みに、どの施術と商材を組み合わせ、どの価格で提供するのか。スタッフが安全に再現できるところまで設計して初めて、新しいメニューは一時的な流行から経営の柱へ変わる。
話題性だけではサロン経営を支えられない。その現実を現場で見てきた楠本文哉氏が、2020年に立ち上げたのが株式会社b-modelsだ。業務用美容機器・化粧品の販売、修理・メンテナンスに加え、直営サロン、フランチャイズ、経営支援までを一体で展開する。出発点には、コンサルタントとして多くの店舗を訪れ、高額な機器のローンや、顧客が求めていない商材に苦しむ経営者と向き合った経験があった。

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現場で見た問題に答えるため、同社は機器を販売する側と、実際に施術を提供する側を分けない道を選んだ。美容機器市場では、導入時に描いた売上予測と、店舗での稼働率や再来率が一致しないことも多い。
そこで直営店を持ち、施術時間、価格、説明の難しさまで自ら確かめる。メーカーの主張を、現場の数字と顧客の反応へ照らし合わせる仕組みである。
「売上が上がると言うのであれば、メーカー自身がサロンをやるべきだ」。楠本氏がそう考えるのは、自社で試さないまま機械だけを販売しても、導入後に何が起きるか分からないからだ。b-modelsが掲げる「機械だけを売らないメーカー」という言葉には、販売後の集客や教育まで引き受ける覚悟が込められている。
直営店で検証してから市場へ広げる方針が、次の成長領域として韓国美容を選ぶ際にも生かされた。韓国の肌管理は、皮膚や身体の基礎知識、化粧品成分、施術機器を組み合わせて考える点に特徴があるという。楠本氏はこれを「メディカル」「コスメティック」「デバイス」の三要素で説明する。どれか一つだけを持ち込んでも、顧客の状態に合う施術にはつながらない。
三要素を日本のサロンで機能させるため、b-modelsは韓国由来の機器や商材を届けるだけでなく、メニュー設計、技術研修、価格設定、集客、スタッフ育成まで支援する。サロンに必要なのは、流行の商品を棚へ置くことではない。誰に何を提供し、どう説明し、次の来店へつなげるのか。
その一連の顧客体験を組み立てることが、導入後の経営を支える。
研修を机上の理論で終わらせない役割を、直営店が担う。機器の性能が高くても、施術時間が長過ぎれば予約枠を圧迫する。高額なコースを設計できても、スタッフが説明できなければ販売は続かない。b-modelsが確かめてきたのは商品単体の魅力ではなく、予約から施術、次回提案までを含む運営全体である。
地域が変わっても外せないのが、医療とエステの境界、効果表現、機器の安全性である。最新の成分名や「韓国美容」という言葉だけで関心を集めるのではなく、日本で安全に運用できる施術と説明へ翻訳しなければならない。その上で、導入店の経営が続くところまで支えることが、b-modelsの役割となる。

安全性と経営の両方を確かめる直営店では、成功例だけが価値になるわけではない。予約が埋まらなかった施術、説明しにくかった商材、スタッフが再現できなかった工程も、次の判断材料となる。うまくいかなかった理由まで隠さず導入店へ返せるかどうかが、支援の質を左右する。

共有された検証結果を踏まえ、最終的には各店が、自店の顧客層、施術単価、スタッフ数、既存メニューとの相性を見て導入を判断する。
韓国で流行しているという理由だけでは足りない。b-modelsが担おうとしているのは、流行をそのまま売ることではなく、店舗ごとの条件に合う、無理なく続けられる事業へ翻訳する役割だ。

取材を通じて、b-modelsの価値は韓国美容の流行を追うことではなく、導入後にサロン経営が続く形へ落とし込む実務力にあると感じた。直営店で得た検証結果が広く共有され、日本の美容業界に健全な導入基準が広がることを期待したい。

【取材/執筆:Y.U】
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