2人の男の子のパパであるpapaPANDAさん(@ppp_papapanda_)は、長男が通う園の先生とやり取りする連絡帳をThreadsにアップ。「お父さんが5分で書く連絡帳」と題して定期的に発表し続けたシリーズは、その内容の濃さで話題となりました。


 たとえば、ある日は朝から鼻血を出した息子さんの様子を園に報告。「なんか鼻ホジホジをよくしています。今朝、鼻血ブーしてます。(右です)指先が器用になってきたので、鼻ホジレベルもアップしてそうです」というリポートとともに、指先を赤く染め鼻血を垂らす長男君のイラストが載ったpapaPANDAさん作の連絡帳は文字通り出色でした。

「これを5分で!?」保育園の連絡帳がうますぎる父親。本人が明...の画像はこちら >>
 また別の日には、長男君のあり余る元気さを象徴する日常をリポート。「陽が昇る時間が遅くなってきましたね。彼の起きる時間はまだ暗いです。暗い中、そっと枕元に立っていたりするのでこわいです」という報告の横には、暗闇に立ち枕元で不気味に「ニヤッ」と微笑む彼のシルエットの絵が付けられていました。

「これを5分で!?」保育園の連絡帳がうますぎる父親。本人が明かす、毎日描き続けた“意外な理由”
元気があり余って怖い展開に
 連絡帳ってもっと真面目に書いたほうがいいのでは……と心配しつつ、思わず笑ってしまう内容だし、その内容は意外に園が知っておいたほうがよさそうなものでもあるし、パパ目線のユーモアとクオリティには感心するばかりです。

 なぜ、こんなにも手の込んだ連絡帳を書くようになったのかpapaPANDAさんに話を聞いてみました!

「自分ができることはないか?」という思いで始めた連絡帳

――連絡帳におもしろいイラストを描き始めたきっかけを教えてください。

papaPANDA:
最初はただのノリでした。

――ノリ(笑)。

papaPANDA:
はい(笑)。
長男坊が保育園に通うことになったとき、自分ができることが日常的にないかなと考えたら、ちょうどそこに連絡帳があったので「よし、これをとりあえずやってみよう」と思ってスタートしたんです。

 だけど、「なにを書いたらいい?」「これでいいのか?」と、最初はそこまでモリモリには書けなかった。すると、その横にスペースがあったので「イラストがあったらおもしろいかな?」と思い、描くようになりました。

――「自分ができることがなにかないか?」と考えたとのことですが、それまでは「育児にあまり参加できていない」という思いがあったのでしょうか?

papaPANDA:
「子どもが生まれたらいろいろやりたい」という思いは、昔から持っていました。しかし、育休を取ったのですが、出産日がコロナとぶち当たったんです。出産後は息子の入院などもあったのですが面会時間が制限され、「育休を取ったのになにもできなかった」という後悔が自分のなかでありました。

 その後、病院から戻り保育園が始まる頃、「自分にできることはなんだろう?」と改めて考えて自分が連絡帳を担当するようになりました。

――ちなみに、Threadsのプロフィールに「夫婦で小児科看護師」と書いていらっしゃいますね。

papaPANDA:
はい。新卒で小児科の看護師になって、39歳の現在まで続けています。妻も以前は小児科の看護師で、今は退職して子育てに専念しています。

小児科看護師として日常的に絵を描いていた

――「お父さんが5分で書く連絡帳」というタイトルで投稿されていますが、本当に5分でササっと描いてしまうのですか?

papaPANDA:すごく聞かれるんですけど、もはや5分かかっていないかなと。

――そうなんですか!「なんで、こんなにイラストが上手なんだろう?」と思ったのですが、昔から絵は好きだったのでしょうか?

「これを5分で!?」保育園の連絡帳がうますぎる父親。本人が明かす、毎日描き続けた“意外な理由”
このクオリティの絵と文章を5分で仕上げる
papaPANDA:子どもの頃から絵を描くのは好きだったのと、職業柄、入院中の子どもたちに絵を描いてプレゼントしたり、誕生日カードや退院のお祝いカードを作ってプレゼントしたり、そういうことは自ら「やりまーす!」とやっていますね。
だから、絵は比較的得意だと思います。

――お仕事柄、日常的に絵を描いていて慣れていたから、そのスピードがあるということですね。

papaPANDA:
たぶん、そうなのかな? まあ、好きっていうのはありますね。兄がすごく上手だったので、それに負けるもんかと小さい頃から絵を描いていた記憶はあります。

成長を見過ごさないようにしているからネタには困らない

――毎日あのクオリティの連絡帳を書き、園と毎日やり取りしていたんですか?

papaPANDA:
そうですね、よっぽど体調が悪くなければ。振り返ると、2回ほど妻に書いてもらったぐらいです。

――毎日やり取りするなかで、「書くことがないなあ」とネタに困ったことはないですか?

papaPANDA:
仕事でなかなか子どもたちと会えない日々で見逃してしまう成長の場面があり、漫然と過ごしているだけだと彼らの小さな変化を逃してしまうなあと以前から思っていました。だから、ネタ作りのために子どもたちを見るというより、成長を確かめるためによく見るようになりました。だから、書く内容には困らなかったかなと思います。

――日常風景として見過ごすのではなく、「こんな成長ポイントがあった」と気をつけて見るようにしているから、自ずと連絡帳に書くことも見つかるということですね。

papaPANDA
:元から「成長を見たい」という意識で、それが習慣になっていました。成長見る=連絡帳に書くみたいな動線ですから、「ネタがない!」ということはなかったです。

――その瞬間にしかない場面を見逃さないようにしているということですね。


papaPANDA:
はい。

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カレーが連日続いた長男君が「ナマステー」
――そんな意識で書き上げてきた今までの連絡帳のなかで、特に印象に残っているものはありますか?

papaPANDA:
パッと思い浮かぶのは、連日カレーを食べさせちゃった日の連絡帳です。園の給食がカレーで、家ではその日の晩と次の日の朝がカレーだったのですが、「うっすらヒゲと、おでこの赤いポッチが見えてきました」「ナマステー」とインド人に扮した息子のイラストを描き、ポジティブに表現できたので「うまい言い回しができたな」と自己満足的に記憶に残っています。

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プニプニしたお腹に「!?」と体型の変化に驚く長男君
 あと、「朝からおかわりしまくりです。ちょっとプニプニがすごいことになっています。気を付けたいです」とお腹の肉をつまんでいるイラストを描いた連絡帳は意外に先生に刺さり、「すごく大事な情報になりました」と言われました。自分では何気なく描いた朝の1シーンだったのですが、こういう報告は園の食事をどうしていくかのヒントになったりするみたいですね。

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物をポトポト落とすのは「イヤ」のサイン
 長男は発達障害でしゃべれないので、「プラレールの線路や橋をポトポト落とすのは『イヤ』のサインです」など彼が出すサインの意味を書いたときも、先生方から「教えてくださってありがとうございます」とお礼を言っていただきました。

「なにを書いたらいい?」連絡帳が苦痛なママは多い

――連絡帳のやり取りは何年前から始まったのでしょうか?

papaPANDA:
息子が2歳の頃だったので、およそ4年ぐらい前ですね。ちょうどそのタイミングからSNSにもアップするようになりました。

――連絡帳をSNSで発表した理由や目的はありますか?

papaPANDA:
特に目的はないんです。ただ、連絡帳って「ネタがない」「なにを書いたらいいだろう?」と、お母さんたちの間では毎日書くのが苦痛だったりするみたいで。職業柄、お母さんたちとたくさん会うなかで、そういうお話をよく聞くんですね。


 でも、うちではその連絡帳を父親である私が担当して、その連絡帳を見たママが笑顔になっている。その構図は自分でもいいなと思っています。

――「こんな家庭がありますよ」と知ってもらうのもありつつ、もしかすると「こういう形でパパも育児に参加できますよ」という啓蒙になるかもしれないですね。

papaPANDA:
今となってはそうかもしれないですが、当時はそんなこと全然考えていなかったです。

園の先生からの反応は特になし

――こんなに細かく、あんなにおもしろい連絡帳を書くご家庭はあまりないと思います。園の先生からはどんな反響がありましたか?

papaPANDA:
連絡帳にはお返事欄があるのですが、園の先生に大して触れられない日も多々あります。

――そうなんですか!

papaPANDA:
でも、そこに触れてほしいわけではなく、園の生活と自宅での生活をシームレスにすることが僕の目的なんですね。

 息子には発達障害があるので、園でやっていることと自宅でやっていることに段差がありすぎると落ち着かなくなってしまいます。でも、自宅の様子を共有してなにかがヒントになり、連絡帳を園で活用してもらうことで段差がなくなればいいなぐらいに思っています。

 だから、先生からのお返事を見て「こちらからの連絡に特に触れられていないけど、それは逆にいい状況なのだろうな」と解釈しています(笑)。

長男が学校に上がったので“連絡帳ロス”に

――3月末にご長男の連絡帳が終わるという投稿がありましたね(この取材は5月に実施)。

papaPANDA:
はい。4月から長男が園から支援学校に上がり、そっちでも連絡帳自体はあるのですが「今日の連絡事項」という欄はないんですね。あと、今までのようにイラストを描いて先生と共有するのではなく、学校に慣れていくことに注力するべきかなと思ったので、彼の連絡帳に関しては一旦終わりという形を取りました。


――父親の思いとして“連絡帳ロス”にはならないでしょうか?

「これを5分で!?」保育園の連絡帳がうますぎる父親。本人が明かす、毎日描き続けた“意外な理由”
お風呂から出る際、「おつかれさまでした」とおもちゃにあいさつする次男君
papaPANDA:なりますなります、なりました。「ロスになるだろうな」「これ、なくなるのめっちゃ寂しいな」とは半年ぐらい前からずっと思っていて。

 長男は発達障害があったので、同じような境遇の親御さんから「そういう視点で見ているんですね」「ヒントをもらいました」とコメントをいただくこともありました。だから、このシリーズがついえちゃうと僕以外に寂しがってくださる方がいるのかもと思い、「なくすのも違うのかな」と今は主役を次男坊に変えて投稿を続けています。

わからないことは「わからない」と言える父になりたい

――父の目から見て、ご長男はどういう性格の子ですか?

papaPANDA:
優しい子だと思います。感情を出すのが苦手だったりしたんですけど、うまく感情を出してくれるようにもなりましたし。

「これを5分で!?」保育園の連絡帳がうますぎる父親。本人が明かす、毎日描き続けた“意外な理由”
優しい長男君とpapaPANDAさん
――父として、子育てで大事にしていることはありますか?

papaPANDA:
父親って節目節目で物事を決める人、いろんなことをわかっている人というポジションだと僕は思っていたんです。いわゆる“厳格な父”というか、「困ったときはお父さんに頼って決めるのよ」みたいな感じだと思いがちなんですけど、そうではなく、わからないことは「わからない」と言いたいなと思いますし、自分はそんなに知識やスキルもないということをちゃんと認められる人でありたいなと思っています。

――それは、子育てするうえでということですか?

papaPANDA:
はい、全部わかった気にならずに。園の先生がよく知っているかもしれないので「先生、これどういう意味ですか?」とわからないことを認められるようになりたいし、わからないときは人に聞く。そういうスタンスで父親でいたいと思います。

 あと、子どもに「こうしなさい」と押し付けるのは嫌だと思っています。「どうしたい?」と聞いて本人に決めてもらいたいですし、その選択を叶えられるように自分がどう動くか……という考え方をしたいです。


――いいですね。自分もそういうふうに育てられたかったなと思いました(笑)。要するに、子どもを1人の人間として認めて尊重しているから「こうしろ!」と頭ごなしな育て方にはならないということですね。

ママの真似をするのではなく、パパ独自のスタンスの関わり方で

――「育休を取ったけど、思ったよりできることがなかった」というところから連絡帳は始まったと伺いました。世の中のパパたちは、もっとどんなふうに育児に参加するべきだと思いますか?

papaPANDA:
いや、そんなだいそれたことはなにも思いません(笑)。ただ、小児科の現場で働く人間として、1人の父親として思うのは、子どもも1人の人間なのでその意見は尊重してほしいと思うし、なにより子どもの話をよく聞いてほしいなと思います。

――子どもの話だったり、サインであったり。

papaPANDA:
はい、抑えつけるのではなく。

あと、父親ってちょっとおとなしい人が多いじゃないですか? お母さんみたいに明るく、すごく抑揚たっぷりでみたいなスタンスではなく、どちらかというとママより口数は少なくて……という“ザ・男性”みたいな方も多いと思う。そういう父親にできる、父親だけの関わり方って絶対にあると思っています。

――ああ、そうか。そこでお母さんを見習って……ではなく、お父さん独自のスタンスの育児法があるということですね。

papaPANDA:
だと、すごく思っています。ママの真似をするというやり方は、自分も結構しんどい部分があったので。そうではなく、パパはパパでいいと思うんです。子どもと元気に遊ぶ形にこだわらず、そっと隣に行って優しく声をかけるスタンスもあっていいと思うので。

――目から鱗です。どうしてもお母さんを見習って真似に走ってしまいそうですけど、そうじゃなくてもいい。

papaPANDA:
でも、前提としてその子について考えるということは必要。特に考えもなくほったらかしにするのは良くないですが、しっかり考えたうえで「僕はそこにいるだけでいいんだ」と横に寄り添って静かにしているのだったら、それはアリだと思います。自分のスタンスは持ったほうがいい。

 でも、それをママに伝えないと“ただ傍観している人”になっちゃうから「僕はこういう考えがあってそこにいたいんだ」ということもしっかり伝えないといけないと思います。

――ママからすれば「私ばかりがんばっている」と感じちゃうかもしれないので、そこの意思疎通は必要ですね。

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 子どもたちの成長を見守るうえで、そして子育てをするうえでの大事なことを教えてくれたpapaPANDAさんの連絡帳。「育児は育自」という言葉がありますが、まさに親のほうも成長させてもらっているのでしょうね。

<取材・文/寺西ジャジューカ>

【寺西ジャジューカ】
1978年、東京都生まれ。2008年よりフリーライターとして活動中。得意分野は、芸能、音楽、(昔の)プロレス、ドラマ評。『証言UWF 最後の真実』『証言UWF 完全崩壊の真実』『証言「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!」の真実』『証言1・4 橋本vs.小川 20年目の真実 』『証言 長州力 「革命戦士」の虚と実』(すべて宝島社)で執筆。
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