パプアニューギニアの歩くサメが新種に登録。すでに絶滅の恐れ
Photo credit:Mark Erdmann

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 サメは世界中に560種以上いると言われ、実に多様性豊かだ。中にはヒレを脚のように動かし、海底を歩くユニークなサメもいる。

 今回新種として記載されたのも、その「歩くサメ」の仲間だ。

 パプアニューギニアの浅瀬に生息する体長約1mほどの「歩くサメ」が、オーストラリアのサンシャインコースト大学により新種として正式に記載された。

 だがこの歩くサメは、発見された瞬間から、すでに絶滅の危機に瀕している可能性が指摘されている。

 この研究成果は『Journal of the Ocean Science Foundation[https://zenodo.org/records/20575429]』誌(2026年6月15日付)に掲載された。

夜のダイビングで見慣れないサメを発見した研究者

 オーストラリアのサンシャインコースト大学の研究チームは2025年、パプアニューギニア南東部のミルン湾とその周辺の浅瀬で、絶滅危惧種であるマモンツキテンジクザメの個体数を調べるため夜間ダイビング調査を実施していた。

 マモンツキテンジクザメ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%AD%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%AF%E3%82%B6%E3%83%A1]はテンジクザメ目テンジクザメ科モンツキテンジクザメ属に属する小型のサメで、胸ビレと腹ビレを脚のように使って海底を歩くことができる夜行性の「歩くサメ」だ。

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 調査中、サンシャインコースト大学のクリスティン・ダジョン博士が見慣れない体長約1mほどの個体を手で捕まえて慎重にボートへ届けた。

 筆頭著者のジェス・ブレイクウェイ氏は、ボートの明かりの下でその個体を最初に見た時、茶色の体に走る白い線状の模様が真っ先に目に飛び込んできた。

 マモンツキテンジクザメの模様とは異なり、これまで研究してきたどの種とも違うことがすぐにわかったという。

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DNA鑑定で新種と確定し記載される

 研究チームはその後2夜にわたって調査を続け、同じ模様をもつ個体を合計12匹捕獲した。

 9匹から血液と組織のサンプルを採取して海に返し、残る3匹は研究のために持ち帰った。

 オーストラリアに持ち帰って遺伝子解析を行った結果、モンツキテンジクザメ属の既知のどの種とも遺伝的に異なることが証明され、同属の新種であることが確定した。

 新種の名前は、モンツキテンジクザメ属を20年以上研究してきたクリスティン・ダジョン博士の名にちなみ、「ダジョンズ・ウォーキングシャーク(Dudgeon’s Walking Shark)」と命名された。

 正式な学名はHemiscyllium dudgeonae(ヘミスキリウム・ダジョナエ)で、モンツキテンジクザメ属での新種記載は2013年以来のことだ。

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地元では知られていた小型の歩くサメ

 新種として記載されたダジョンズ・ウォーキングシャークが属するモンツキテンジクザメ属は、ジンベエザメも含むテンジクザメ目の中で体長1m以下の小型種ばかりが集まるグループだ。

 4枚のヒレを脚のように使って海底を歩くだけでなく、干潮時には体のほとんどを水面から出してサンゴ礁の浅瀬を移動することもできる。

 無脊椎動物を海底から食べて生きており、人間に対して危険はない。

 モンツキテンジクザメ属(Hemiscyllium[https://en.wikipedia.org/wiki/Hemiscyllium])は、英語でエポーレットシャーク(Epaulette shark)と呼ばれており、その理由はえらの後ろにある大きな黒い斑点が軍服の肩章(epaulette=エポーレット)に似ていることに由来する。

 この斑点は同時に、より大型の生き物に見せかけて天敵を追い払う「偽の目」としても機能している。

 今回新種に記載されたダジョンズ・ウォーキングシャークは、地元では古くから知られており、「怠け者のサメ」または「犬サメ」を意味するkadedekedewa(カデデケデワ)と呼ばれていた。

 生息域はアンフレット諸島からトロブリアンド諸島にかけての浅瀬に限られ、最大で北東約270kmのムユワ島付近まで分布すると予測されている。

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すでに絶滅の危機に直面

 新種に記載されたものの、すでに絶滅が危惧されている。

 生息域が極めて狭いことに加え、気候変動によるサンゴの白化、沿岸開発やパーム油農園の拡大による生息地の破壊、漁業活動と複数の脅威にさらされているためだ。

 パプアニューギニアに生息するモンツキテンジクザメ属はこれまで9種が知られており、そのうち5種がすでにIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 IUCNとは野生生物の絶滅リスクを評価する国際機関で、レッドリストへの掲載は保護活動の根拠となる。

 研究チームは2026年10月に再調査を予定しており、その結果をもとに「危急」または「絶滅危惧」指定の申請を目指している。

 「緊急の保護対策がなければ、地域的な絶滅を免れない恐れがあります」とブレイクウェイ氏は述べている。

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References: DOI.10.5281/zenodo.20575428[https://zenodo.org/records/20575429] / World-first catch: new shark species | EurekAlert![https://www.eurekalert.org/news-releases/1132305] / UniSC-led team discovers new species of walking shark[https://www.sunshinecoastnews.com.au/2026/06/16/unisc-led-team-discovers-new-walking-shark-species/]

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