屋外への避難が完了したはずの大型商業施設で、なぜ爆発に巻き込まれる人が出たのか。二度と繰り返さないよう詳細な原因究明が必要だ。

 熊本地震後に爆発が起き、テナント従業員7人が死亡した「イオンモール熊本」の事故でイオンは、避難後に複数の社員が従業員の再入館を認めた事実があると発表した。
 従業員らから、貴重品の回収やレジ締めの要望が寄せられたためという。
 地震で避難した際、建物の中に戻るのは危険だ。同社のマニュアルでも本来再入館するには建物内の安全を確認後、責任者の正式なアナウンスを経ることになっていた。
 イオン側も当初は入館を許可した事実はないとしていた。
 しかしその後、従業員らへの聞き取り調査などで、イオンやイオンモールの複数の社員が、現場の判断で個別に許可を出していたことが判明したのである。
 施設では災害対応訓練を年2回実施。地震発生当時には約3千人の客がいたが、全員が避難しており無事だった。一部の従業員らが施設内に戻ったのはそれから約30分後で、爆発が起きたのはさらに約20分後のことだ。
 爆発前に再び外に出た従業員によると施設内は当時ガスの臭いが充満していたという。規定通りに対応していれば、被害は防げた可能性がある。
 現場がなぜ個別判断に至ったのか。
徹底した検証を求めたい。
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 今回の事故を巡っては、各テナントの災害対応の課題も浮き彫りになった。
 従業員2人が命を落とした雑貨店では幹部が店長を通じ、避難後にレジの売り上げを金庫に移すよう要請していた。
 そのうちの一人は、たまたま居合わせたおばといとこに「危ないから入らない方がいい」と制止されたものの、施設内に戻ったとされる。
 3人が亡くなったアパレル店は戻る指示は否定したものの、従業員から「店舗に戻ることができた」との連絡があったことを認めている。
 災害時には各テナントでも従業員の安否確認は当然行う必要があろう。施設内に戻ることを黙認していたとしたら問題ではないか。雇用者として従業員の安全確保を第一に対応すべきだ。
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 爆発原因の調査も急がなければならない。
 人と物が集まる大型商業施設は防災拠点ともなり得る。特にインフラの少ない地方で役割は大きい。
 イオンは沖縄を含め全国200の自治体と、災害などに関する連携協定を結ぶ。
屋上が津波の一時避難所に指定された店舗や、災害時に水と食品などの物資や避難場所を提供する店舗もある。
 避難所として運用した際、万が一にも今回のような事故が起きることがあってはならない。各地の大型商業施設や自治体にはいま一度安全確保のルール化を求めたい。 
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