毎日の何げない親子の会話や遊びの中で、わが子の「言葉力」を伸ばしていくことができます。特別な道具や環境は必要ありません。
子どもが言葉を理解し、使いこなせるための家庭習慣をお伝えします。
■Q.うちの子、言葉の発達が遅いかも?
「乳幼児に話しかけるときには『赤ちゃん言葉』」という思い込みを捨てましょう。大人と話すときと同様に、フルセンテンスで話して大丈夫です。
赤ちゃん言葉は使わないほうがいいとまでは言いませんが、「赤ちゃん言葉だけ」という状況からは、できるだけ脱しましょう。なぜなら、そういった単純な言葉ばかりだと、子どもの言語能力の発達に結びつく、脳への刺激が少なくなってしまうからです。
「簡単なこと」「単純なこと」「楽なこと」は脳への負荷が小さく済みますが、その分、刺激も小さいため、脳の発達に結びつきにくいのです。
もう一つ大切なのが、「は」「が」「を」「も」などの助詞。赤ちゃん言葉だと「ワンワン、いるね」のように省略しがち。でも「ワンワンも、いるね」と言えば、「犬以外もそこにいる」ということもわかります。助詞を使うと、表現が豊かになったり、伝えられることが増えたりします。
親が赤ちゃん言葉だけで話しかけていると、単語の数もなかなか増えないし、助詞を使う機会も少なくなってしまいます。これでは、言葉を使いこなせるようになるまでに時間がかかってしまいます。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

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成田 奈緒子(なりた・なおこ)

文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表

小児科医・医学博士・公認心理士。1987年神戸大学卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(共著、合同出版)、『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)など多数。

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(文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表 成田 奈緒子 構成=金子聡一 イラストレーション=岡野賢介)
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