筆者は、これまで何度も彼らのライブを観てきたが、約5ヶ月にわたる長期ツアーのファイナルということもあってか、今回の公演における4人のライブパフォーマンスは、かつてないほどに極まっていたように感じた。また、近年リリースされた新機軸の楽曲の数々が要を担う構成のセットリストだったこともあってか、これまでにない覚醒感に満ちた公演だった。彼らのバイブスは、一人ひとりの観客にもたしかに伝わっていて、全編にわたり会場全体に並々ならぬ熱狂、いや、狂騒が沸き立っていた。ロックとは、本来これほどまでに自由な表現であっていい。ロックバンドのライブでは、私たちは、本来これほどまでに無際限に解き放たれていい。そうしたロックの根源的な理念を今一度思い起こさせてくれるような、あまりにも壮絶なロックアクトだった。以下、順を追って振り返っていきたい。
Photo by Kosuke Ito
Photo by Toshio Ohno
Photo by Toshio Ohno
Photo by Toshio Ohno
Photo by Toshio Ohno
ドープな陶酔感をもたらすカッティングエッジなオープニング映像が四面のスクリーンに映し出される中、アリーナ中央に鎮座するセンターステージに、メンバーが一人ずつ上がっていく。全方位からとめどなく響く観客の歓声と拍手。熱き口火を切ったのは、King Gnu流のドラムンベース「AIZO」。不穏さをたたえながら響く笙の音色。その上に重なる常田大希(G・Vo)が奏でるギターは、幕開け直後からトップギアで昂りまくっている。
Photo by Kosuke Ito
Photo by Kosuke Ito
Photo by Kosuke Ito
Photo by Kosuke Ito
また、昨年リリースされた「TWILIGHT!!!」も、前半の展開の中で特異な存在感を放っていたように思う。新井が奏でるシンセベース、勢喜が轟かせる躍動感に溢れるドラム、常田がかき鳴らす深いワウの効いたカッティングによって、音源とは似て非なる立体的なアンサンブルが立ち上がっていて、一言で言えば、ライブで非常によく映えていた。彼らのライブにおける大きな魅力の一つは、各楽曲の真髄やアナザーサイドに触れられること。そのことを改めて思い起こさせてくれる、とても痺れるライブパフォーマンスだった。
MCを経て、井口の呼びかけを合図に披露された「Prayer X」からライブが再開。決して全方位に開かれているタイプの曲ではない、それどころか、歪さや不可解さをたたえたロックバラードではあるが、そうした曲においても壮大な合唱が巻き起こる光景は、まさにKing Gnuのライブならではのもの。「Tokyo Rendez-Vous」のメインリフの上に重なる盛大なチャントも同様で、続く「Slumberland」では、常田が拡声器を持ってアリーナを巡りながら、一人ひとりの観客の本能をさらに遺憾無く刺激していく。カオティックなサウンドに身を委ね、我を忘れたように歌いまくり、踊りまくる観客たちの姿が、とても眩しい。
Photo by Kosuke Ito
怒涛のフィナーレ、そして結成10周年イヤーへ
ここから、一気に熾烈の一途を辿ってゆく。「一途」では、文字通り一途に一気に加速し、豪快にロール。再び衝動を刺激された観客は、幾度となくコールを重ねながら、4人の熱唱&熱演に懸命に伴走していく。続く、「):阿修羅:(」では、瞬く間に現出した秩序なき空間の中で、4人の音と声、また、観客の声が真正面からぶつかり合い、分かちがたく重なり合っていく。一体感という言葉ではとても形容できないような混沌とした熱気が会場全体に満ちていく中、続けて「SPECIALZ」が放たれる。流麗にはねる新井のスラップ。激烈にたぎる勢喜のドラミング。
Photo by Tomoyuki Kawakami
終盤のMCでは、勢喜が「昨日ね、娘がついにトットって俺のこと言った」と明かすと、井口が「勢喜遊の娘に捧げる曲」と告げ、「Don't Stop the Clocks」へと繋いだ。同曲のラストには、勢喜が一節を熱唱するスペシャルな一幕もあった。その流れで、「MASCARA」へ。「Sorrows」でクライマックスへ向けた高揚を沸き立たせ、ひときわ壮大なスケールを描き出す「逆夢」へ。そして、「雨燦々」では、観客が自発的にスマホの白いライトを掲げ始め、会場全体に晴れやかなフィーリングが満ちる中、たおやかな歌声の大合唱が響きわたる。
最後に井口が、来年に結成10周年を迎えることを告げつつ、「きっと来年は、もっと楽しい景色を見せられたらと思ってますんで。まだまだKing Gnuのこと、よろしくお願いします!」と呼びかけ、ラストナンバー「飛行艇」へ。〈命揺らせ〉という言葉にふさわしいこの日一番の特大のシンガロングがアリーナを震わせる中、この日のライブ、および、今回のツアーは壮絶な大団円を迎えた。4人が退場した後には、来年2月から3月にかけて、アニバーサリーイヤーの幕開けを飾るライブ「King Gnu 10th Anniversary Opening Live ”KICKOFF”」の開催が発表された。
【写真ギャラリー】「King Gnu CEN+RAL Tour 2026」ファイナル公演(記事未掲載カット多数)
Photo by Tomoyuki Kawakami
〈セットリスト〉
1. AIZO
2. Flash!!!
3. どろん
4. Teenager Forever
5. Vinyl
6. TWILIGHT!!!
7. ねっこ
8. Prayer X
9. Tokyo Rendez-Vous
10. Slumberland
11. NIGHT POOL
12. 白日
13. 破裂
14. CHAMELEON
15. The hole
16. 一途
17. ):阿修羅:(
18. SPECIALZ
19. BOY
20. SO BAD
21. Don't Stop the Clocks
22. MASCARA
23. Sorrows
24. 逆夢
25. SUNNY SIDE UP
26. 雨燦々
27. 飛行艇
セットリストプレイリスト:https://kinggnu.lnk.to/KingGnuCENTRALTour2026SetList
King Gnu
「GO GHOST」
2026年7月29日(水)配信リリース
TVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』オープニングテーマ
©2026 Shirow Masamune/KODANSHA/THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE
予約:https://kinggnu.lnk.to/GO_GHOST
King Gnu 10th Anniversary Opening Live ”KICKOFF”
2027年2月17日(水)東京・東京ドーム
2027年2月18日(木)東京・東京ドーム
2027年3月13日(土)大阪・京セラドーム大阪
2027年3月14日(日)大阪・京セラドーム大阪
公演詳細:https://kinggnu.jp/live/in.html?55547


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