東京油問屋市場は1日、中央区の油商会館で、6月29日の第126回定時総会を経て新理事長に就任した宇田川商店・宇田川公喜社長の記者会見を行った。14年前に理事長に就任した当時の市場環境を振り返るとともに、メーカーに情報を伝えていくことが中間流通の役割であることを改めて強調した。
前回理事長に就任した2012年の市場環境について、「当時の斗缶の建値は約4,000円で、今より少し安いくらいだった。為替は1ドル85円で、株価は8,200円だった。中国では習近平が59歳で、北朝鮮では金正恩が29歳で総書記に就任する節目の年だった」と振り返った。現在$11台のシカゴ大豆相場は$16台に高騰していたが、為替が円高だったので斗缶の価格も現在と大きく変わらなかったと説明した。
当時は建値委員会を月に2回ほど開催し、情報交換も密に行っていたという。「値上げも100~200円がいいところだった。メーカーが100円値上げを発表すると、半丁の50円、200円なら半分の100円という時代だった。搾油ボリュームもこの時の方が大きかったと思う。
食品全般で値上げが行われていることに触れ、「小麦粉の場合は分かりやすいが、油には相場があり、コミュニケーションを取りながら、押した引いたの交渉を百何十年と行ってきた。油の価値が昔よりも上がっているのか下がっているのかは分からないが、相場で動くのはこの先も抜けられない定めだと思う」と話した。
製油業界では今年に入って4月、6月と価格改定が行われているが、「今回の値上げの時も、ユーザーや生活者から、油は値上げするのではと逆に聞かれた。値上げの道は開かれ、舗装されている」と述べた。
「中間流通はメーカーに情報を伝えていくことが一番の使命であり、われわれにしかできないことだと思っている。今期はコミュニケーションを取ることのできる懇親の場を増やしたいと考えている。全国油脂販売業者連合会とも共同し、情報を発信していく」と力を込めた。
〈情報委員会はメーカーを呼ぶ会も増やす、適正なマージンで事業継続できる〉
委員会の体制について、建値委員会から名前を変えた情報委員会でも月1回は集まって情報交換を行っているという。「代替わりして今回、現情報委員長の富田産業・喜田正道社長に副理事長になってもらったので、メーカーを呼び、現状を説明してもらう会も増やしていきたい」とした。各委員会は8月1日に決定する予定だ。
物流課題についても言及した。「倉庫代も運賃も全てが上がっている。30缶以上直送というのもほとんど断られる。路上に駐車して荷物を下ろすことができないと駄目で、倉庫も車を止めて荷下ろし可能な場所がないといけない。場所が広くても手前のトラックが通る道幅が狭いと断られる。メーカーが儲からないとわれわれも儲からないが、適正なマージンをいただくことで事業を継続していくことができる」と説明した。
また、「『初立会』から始まる年間行事は多過ぎるという人もいるが、伝統は大事で、メーカーの担当者にも引き継いで協力してもらえる流れはある」とそれらの重要性を語った。このほか、横浜で来年3月から開催される「GREEN×EXPO 2027」は東京油問屋市場として早割りで必要枚数を購入しており、視察に行く予定だ。
〈大豆油糧日報2026年7月6日付〉









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