やや寂しさ感じる最終戦 決勝に届かなかった両チームともに抜本...の画像はこちら >>

現役引退を発表している流大 Photo/Getty Images

かつてはこの2チームが「最強の矛」と「最強の盾」だった

ラグビーリーグワンプレイオフの3位決定戦が、決勝に先立ち埼玉パナソニックワイルドナイツ(シーズン2位、以下埼玉WK)と東京サントリーサンゴリアス(同4位、以下東京SGとの間で6月6日に行われ、埼玉WKが26-19で勝ち3位を手にした。埼玉WKの3位は初。



2010年代のトップリーグでは毎年のように覇を競っていた両チームが、頂点の一つ手前で争わなければならなかったのがこの一戦。かつて東京SGは「最強の矛」と称され、「最強の盾」であった埼玉WKと幾多の名勝負を繰り広げたのだが、今シーズンに限っては最強の矛の名はコベルコ神戸スティーラーズに、最強の盾の名はクボタスピアーズ船橋・東京ベイに奪われ、往年のファンとしてはやや寂しさを感じるシーズン最終戦となったのではないか。

試合は一つでも上の順位を掴もうとする両者が拮抗したバトルを繰り広げたが、残念ながら東京SGにはラインブレイクの決め手があまりなかった上、ラインブレイクを果たした後のフォローの遅れから逆襲を喰らうという、今シーズンの苦戦状況をそのまま再現したような試合展開に終始した。埼玉WKはいつもの通り懐深く構えて、相手のミスを誘う戦いを粛々と遂行していた。

潮目が変わりかけたのは、後半に入り、今シーズンでの引退を表明している中村亮土、流大が投入された場面だった。中村のボールに確実に絡むコース取りと流の攻撃のいい流れを継続させるパス回しで、埼玉WKに大きく傾きかけていた試合の流れを取り戻し、最終的には1トライ1ゴール差まで点差を詰めた。試合終了のフォーンが鳴り響く中、最後の最後まで東京SGは攻め続けたが、最後は密集からピックしようとした選手がノックフォワードを犯し、万事休す。先発出場した垣永真之介、流、中村といったチームでも日本代表でも一時代を築いたベテランたちの引退に花を添えることができなかった。

この両チームともに、常に上位はキープしているものの、優勝までにはあと一歩という成績がここ数年は続いてしまっている。おりしも試合翌日の6月7日には東京SGは小野晃征HCの退任と、OBの沢木敬介氏のHC就任が発表された。東京SGはアグレッシブアタッキングラグビーを標榜し、攻撃を最大限継続し、トライを量産することを目標としたチーム作りを行ってきたが、リーグワン上位のチームにはその先方が通用しなくなってきており、上位チームに勝てなくなってきている上、下位チームへの取りこぼしも増えてきた。指導者の交代、メンバーの若返りを機に、新しい戦法、戦術を構築すべき時期に来ているだろう。


改革が必要なのは埼玉WKも一緒。こちらも6月7日に、強さの中核を担っていた、WTBマリカ・コロインベテ、LOエセイ・ハアンガナ、CTBヴィンス・アソ、FB/WTB野口竜司らの退団が発表された。2シーズン前に東芝ブレイブルーパスに決勝で敗れて以来、2シーズン連続で準決勝敗退と「ジリ貧」状態の現状を打破するためには何か大きなブレイクスルーが必要だ。

この両チームが「最強の矛」と「最強の盾」の称号を取り戻すことができれば、リーグワンはさらに沸騰するに違いない。決勝を戦った2チームの動向も気になるが、来季の東京SGと埼玉WKの戦いぶりには要注目だ。

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