東京の小学校で起きた火災で、救助袋が使えていなかったことが分かりました。子どもたちの命を守るために、改めて考えるべきことは。
校舎のひさしに身をかがめ、炎と煙から避難する十数人の子どもたち。6月19日(金)、東京都北区の小学校で発生した火災の画像です。
(ひさしに避難した小5児童)
「パーンと言う音が1~2回くらい聞こえた」
警察によりますと、火元は4階にある音楽準備室で、電気ストーブと複数のサーキュレーターが見つかったほか、燃えた衣類も複数枚見つかったと言うことです。
(ひさしに避難した小5児童)
「廊下ももう煙で駄目だから、窓から出ようってことになって」
煙が廊下に充満していて、校舎内を移動する避難を断念。教員のとっさの判断で「ひさし」への避難に切り替え、子どもたちの命は守られました。しかし、音楽室には地上に避難する「救助袋」が備え付けられていたものの、うまく使えなかったと言うことです。
救助袋は逃げ道がないときの「最後の手段」
「救助袋」について、名古屋の小学校で見せてもらいました。
(名古屋市立宮根小学校 石川典世教頭)
「(天井から吊るされた案内板に)『避難器具設置場所』と示してあります」
Q.この部屋の中に避難器具がある?
「はい」
千種区の宮根小学校には、案内していただたい3階の部屋を含め4か所に「救助袋」が設置されています。
(石川教頭)
「階段でできるだけたくさんの人を一度に避難させることが基本。そいういう所が使えない、逃げ道がないときに(救助袋を)使う」
東京の小学校の火事のように、どこにも逃げ道がない場合「最後の手段」になるのが救助袋なのです。
実際に救助袋を使用してみると…
特別に広げさせてもらうと…
(松本道弥アナウンサー)
「まずは格納ボックスをとり外す。結構高さもありますし重たいです」
箱を開け、中に入っている袋を出し、重しのついたロープを落とす。これらを終えてから、袋を地上に降ろします。袋や金具はかなり重く、大人の男性が1人で準備するのは大変な作業に。
地上までの高さは約10メートル。救助袋の内側は、布が“らせん状”になっていて回りながら滑り降ります。
(松本アナ)
「スピードはかなり遅かったです」
「イレギュラーも考えた訓練を」
この学校では、階段での避難が基本であることに加え、準備に時間がかかり、子どもにとって怖さもあることなどから、救助袋を使った訓練は実施していません。
しかし、今回の東京の火事をうけ、訓練のあり方を見直す必要も感じています。
(石川教頭)
「年に2回 火災の訓練をしているが、調理場や理科室からの出火を想定。それ以外はあまり考えられてなかったので、イレギュラーも考えた訓練をする必要があると思う」
専門家は聞く 訓練の在り方とは
専門家は「ひさし」へと避難させた東京の学校の判断について、命を守ることを最優先に対応できたと評価する一方、救助袋が使えなかったのは、実践的な訓練が足りなかったのではないかと考えています。
(大阪教育大学 藤田大輔教授)
「(訓練後)救助袋を本来の形に戻す作業が負担に思うのではないか。実践を継続することが、疎かになる場合はある」
「年に1回 先生が経験を」
現場の負担は否定できませんが、学校はどう対応していくべきなのでしょうか。
(藤田教授)
「毎年何人かの先生は異動するので、年に1回は先生に経験していただく。地元の消防などと相談の上で、客観的で充実した安全点検をする活用を全国の学校で促してほしい」

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