7月末に発生した令和8年熊本地震で、またも被害を受けた熊本城の教訓から城の災害対策を考えます。名古屋城や犬山城は、どんな課題を抱えているのでしょうか。



7月に発生した最大震度7の熊本地震。前回10年前の地震でも大きな被害を受けた熊本城は、震度5強の揺れでまたも石垣が崩れ、建物からは土煙が。

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財...の画像はこちら >>

大天守の最上階では、大きな揺れで立っていられず座り込む観光客の姿が防犯カメラに映っていました。

発生が夕方だった今回の地震では、城内には観光客や復旧工事の関係者合わせて400人がいましたが、けが人はいませんでした。

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財保護と防災の両立」 来場時に注意すべき点が
CBC

再び壊れた熊本城 完全修復に遅れも

(2016年の熊本地震 現場リポート)
「熊本城の天守閣は屋根瓦の部分が完全に崩れ落ちています。石垣も崩れ落ちて、一部分むき出しになっています」

前回の地震で2度、震度6を超える揺れを受けた熊本城。10年かけて進めてきた耐震化が人的被害を防いだと考えられます。

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城郭研究の第一人者で熊本城の震災復旧にもかかわってきた、名古屋市立大学の千田嘉博教授は…

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
Q.石垣の完全修復は2052年の予定だったが どうなる?
「(石垣が)崩れた箇所はわかったが、1つ1つの石がどのぐらい被害を受けているか細かく調べていかないと、これだけの被害が出ているので2052年に修復の完了は少し難しいかも」

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実は少なかった被害 その理由は

被害を受けたのは、地震対策が完了していなかった石垣など。揺れを打ち消す「制震ダンパー」が設置された大天守や、補強して積み直した石垣は無事でした。また、震災復旧の一環で造られた空中回廊も、けが人を防いだ要因の一つです。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「熊本城では復興していく姿を全国の方に見てもらうために、安全を確保して崩れた石垣の上を越えていく、空中を歩きながら本丸までいける仕組みを整えていたので、安全に全員が避難することができた。こういう対策も、想定していたように機能できたことは良かった」

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また、こんな場所も…

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「地震で石垣が崩れても、人が歩くところに石を落とさないためにネットをかけていた。(ネットが)が必要なことを示している」

敵の襲来に備え、通路が狭く作ってあることの多い城郭。復旧の一環でネットがかけられていなければ、ここでもけが人が出た可能性が。

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巨大な名古屋城 その石垣は大丈夫?

では、東海地方で大きな地震が起きた場合、城はどうなるのか。大天守は熊本城の3倍、観光客は倍近い年間230万人余りという名古屋城。千田教授は、木造復元計画にもかかわっています。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
Q.西南隅櫓の石垣は他の石垣と積み方が違う?
「石が斜めに積まれている。江戸時代ではなくて明治以降の積み方」

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名古屋城は、熊本城を作った加藤清正が石垣をくみ上げた城。当時 最高の技術が使われていますが、明治以降の濃尾地震やその後の気象災害で、石垣を積み直した部分があり、そこが弱点になるといいます。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「効率的により早く安い予算で石垣を直すために、元々あった石を割って小さくして持ちやすくした。奥行きがないから地震で揺れると石が動きやすくて落ちやすい」

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城ならではの構造に 注意すべき点が

そして、熊本城同様に石垣沿いの狭い通路も。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「石垣との間にコンクリートの壁を作る。そうすると石が落ちてきても見学路が安全という案もある。ただ、ずっとコンクリートの壁に囲まれて本丸まで行くのは風情がない。どういう方法がいいのかは特別史跡だから難しい」

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財保護と防災の両立」 来場時に注意すべき点が
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名古屋城では現在、地震対策も踏まえた石垣の修復を進めています。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
Q.城を散策したときに注意すべき点は?
「石垣は大きな地震が来ると崩れることを意識して見学してほしい」

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国宝・犬山城では戦国時代ならではの城の構造が危険に

さらに、現存最古の天守がある国宝の「犬山城」。年間約70万人が訪れますが、ここには別の注意点が。

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「犬山城は戦国時代から江戸時代にかけて守りを固めた城。

石垣で囲まれたところは城らしさではあるが、これからの防災を考えると対策を考えなきゃいけない」

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財保護と防災の両立」 来場時に注意すべき点が
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犬山城の天守は、壁や天井に補強材を入れるなど大地震に耐えられる耐震補強が完了していますが、天守につながる道が1本しかありません。戦国時代ならではの城の構造が危険につながるといいます。

(大石邦彦アンカーマン)
「(天守から城下を見てみると)川に囲まれて、崖に囲まれて、道は1本しかないというのが改めて分かります」

(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「避難するときは、1本の道を通るしかない」

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「文化財保護と防災の両立」どうする?

この犬山城でも、石垣が崩れないようにする検討が進められています。原欣伸市長に地震対策を聞くと…

(犬山市 原欣伸市長)
「石垣は、ことしから調査をしている。文化財保護と防災は、両立していかなければならない。調査や報告書をみて、これからの判断をしていく」

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財保護と防災の両立」 来場時に注意すべき点が
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(名古屋市立大学 千田嘉博教授)
「歴史を物語る石垣を守りながら、石垣も安全性を高めて耐震性などを補強しながら本物を見てもらい、安心安全に歴史に触れてほしい」

重要な史跡として歴史を今に伝える日本の城。その姿を守りつつ、巨大災害に備える取り組みが進められています。

東海地方は大丈夫?名古屋城や国宝・犬山城の耐震対策 「文化財保護と防災の両立」 来場時に注意すべき点が
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