「若い頃に比べて眠たそうな目元になった」
「まぶたのたるみで二重幅が狭くなった」
このような目元の症状がある方は、眼瞼下垂の施術と二重整形どちらを優先すべきか悩む方もいるでしょう。
本記事では、眼瞼下垂と二重整形の違いを分かりやすく解説します。また、同時施術は可能なのか?その際のメリット、デメリット、さらに施術を受ける際の注意点も合わせてお届けします。
この記事を読んで、ぜひ自分に合った施術方法を見つけてください。
1.眼瞼下垂と二重整形の術式の違いは?
眼瞼下垂と二重整形は、どちらも目元の印象を大きく変える施術ですが、目的や術式には大きな違いがあります。2つの施術の違いを解説します。
1-1.二重整形

二重整形は、美容整形の一環として行われる術式で、理想の二重ラインを作り目元を大きく美しく見せる治療です。主に美容目的で行われるため、健康保険は適用されません。
二重整形には、主に2つの術式があります。
- 埋没法:医療用の細い糸でまぶたを留める施術方法
- 切開法:まぶたの皮膚を切開して余分な脂肪を取り除き、二重ラインを形成する施術方法
埋没法はまぶたを切開しないため、施術時間が短く、術後の腫れや内出血が少ない施術方法です。糸で縫い留める施術方法なので、年数経過とともに糸がゆるんでしまい元に戻る可能性もあります。
一方、切開法はまぶたを切開し、縫合して皮膚を癒着するため、半永久的に二重が持続する施術方法です。皮膚を切開するため、埋没法に比べてダウンタイムが長いことが特徴です。
1-2.眼瞼下垂

眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる筋肉や神経の機能低下により、上まぶたが下がって視野が狭くなった状態を指します。これにより、視力の低下などが生じ、読書や車の運転など日常生活に支障をきたすこともあります。
眼瞼下垂の治療は、視界の狭まりや目の開きづらさを改善するために行われる手術です。そのため、一般的に保険適用となります。
術式には、上まぶたの皮膚を切開する方法と、切開せずに超極細の糸でゆるんだ眼瞼挙筋を引き上げて固定する方法があります。眼瞼下垂の手術は、視力機能の向上を目的としており、デザインや施術方法の指定はできません。
2.眼瞼下垂は2種類ある
眼瞼下垂には、先天性眼瞼下垂と後天性眼瞼下垂の2種類があります。2つの違いを見ていきましょう。
2-1.先天性眼瞼下垂
先天性眼瞼下垂とは、生まれつき上まぶたが下がりやすく、開きにくい状態を指します。先天性眼瞼下垂には、以下のような原因が考えられます。
- 眼瞼挙筋の発育不全
- まぶたを上げる神経の機能障害
また、他の疾患の影響で眼瞼下垂が発症するケースもあり、多くの場合、片側だけに症状が見られる点が特徴です。重度の眼瞼下垂の場合は、視力が正常に発達せず弱視につながる可能性もあります。
さらに、マーカスガン現象と呼ばれる神経の異常に起因する眼瞼下垂もあります。あくびや水を飲む際に、口を動かすと瞼が無意識に上下に動いてしまう現象です。
先天性眼瞼下垂は、通常の眼瞼下垂手術では症状が改善されない場合もあるため、側頭筋膜移植術など全身麻酔が必要な手術を行うこともあります。
2-2.後天性眼瞼下垂
後天性眼瞼下垂は、生まれつきのものではなく、後天的にまぶたが下がり、開きにくくなった状態を指します。後天性眼瞼下垂には、以下のような理由が考えられます。
後天性眼瞼下垂の 主な原因 | 症状 |
腱膜性眼瞼下垂 | まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)を支える腱膜がゆるむことでまぶたが徐々に下がる |
神経や筋肉の異常 | 動眼神経の麻痺や交感神経の異常、外眼筋の変性など神経や筋肉の異常により発症する神経が原因の場合は、物が二重に見える複視症状をともなうこともある |
外的要因 | 目を強くこする癖のある人、コンタクトレンズの長期装用など外的要因によって引き起こされる |
手術後の影響 | 白内障や緑内障の手術などで、開瞼器を使用した際に腱膜が傷つくことで引き起こされる |
後天性眼瞼下垂は、加齢による筋力の低下だけではなく、外的要因や手術によって眼瞼下垂を引き起こすケースもあります。また、後天性眼瞼下垂のひとつに、偽眼瞼下垂という症状も存在するため注意が必要です。
偽眼瞼下垂は、まぶたを上げる眼瞼挙筋は正常であるものの、皮膚のたるみで瞼が重くなり、目が開きづらい状態を指します。
眼瞼下垂の原因や症状は多様であるため、自己診断せず専門医に相談しましょう。
3.眼瞼下垂と二重整形同時に施術可能?
眼瞼下垂と二重整形は、同時施術が可能です。特に、加齢によるまぶたのたるみや、二重ラインの変化が気になる方は、同時施術をすると目の開きが改善し、二重幅の安定が期待できます。
眼瞼下垂の手術だけをおこなった場合、目の開きを改善するものの、まぶたを引き上げた分だけ余分な皮膚により二重ラインが狭くなり、奥二重のように見える場合があります。
そのため、「二重幅を安定させたい方」や「タウンタイムを最小限に抑えたい方」は眼瞼下垂と二重整形の同時施術がおすすめです。
しかし、同時施術を受ける場合にはメリットだけではなく、デメリットも生じます。同時施術のメリットとデメリットを見ていきましょう。
3-1.眼瞼下垂と二重整形を同時に受けるメリット

眼瞼下垂と二重整形を同時に受けると、次のようなメリットがあります。
- 二重ラインが整い目元の印象が華やかになる
- まぶたのたるみやくぼみが改善する
- ダウンタイムが一度で済む
眼瞼下垂の手術でまぶたの開きを改善すると、たるみやくぼみの解消につながります。さらに、二重整形で理想的な二重ラインを形成すると、目元全体が明るく華やかで若々しい印象を与えます。
また、ダウンタイムが一度で済むため、時間的、経済的な負担も軽減できることもメリットと言えるでしょう。
3-2.眼瞼下垂と二重整形を同時に受けるデメリット
眼瞼下垂と二重整形を同時に受ける場合、次のようなデメリットもあります。
- 二重整形と同時施術をすると保険適用外になり費用が高額になる
- 二重幅を広げすぎるとまぶたの開きが悪くなるリスクがある
- 眼瞼下垂の症状によっては二重整形との同時施術ができない場合がある
眼瞼下垂の手術は保険が適用される場合がほとんどですが、美容目的の二重整形は自由診療となるため、基本的に保険適用にはなりません。そのため、両方同時に施術すると費用が高額になる可能性があります。
しかし、重度の眼瞼下垂や逆さまつ毛など治療目的で同時施術をする場合は、保険が適用されることもあります。ただし、その場合は、見た目のデザインよりも機能回復を重視した施術となるため、美容クリニックのような理想的な二重になるとは限りません。
また、眼瞼下垂症状がある人は二重幅を広くしすぎると、まぶたの開きが悪化するリスクもあるため注意が必要です。症状の程度によっては、同時施術ができないこともあるため、専門医にしっかりと診断してもらいましょう。
4.眼瞼下垂と二重整形の料金の相場は?
ここでは、眼瞼下垂と二重整形の料金相場を解説します。
険適用の場合:20,000円程度(片目)・50,000円程度(両目)
保険適用外の場合:150,000円~400,000円
埋没法:30,000円~200,000円
切開法:100,000円~300,000円
※クリニックや施術内容により異なります
眼瞼下垂の手術にかかる費用は、保険適用になるかどうかで大きく異なります。保険適用となる条件は、次のようなケースです。
- まぶたが開けにくく日常生活に支障がある
- まぶたが下がって視野が狭くなった
このような症状が認められると、保険が適用され自己負担が抑えられます。一方、二重整形は施術方法によって費用が異なります。
埋没法では、1点留めや3点留めなど留める糸の数によって費用が変動するため、糸の数が多くなるほど費用が高くなる仕組みです。切開法はまぶたを切開する施術のため、埋没法よりも費用が高くなる傾向です。
基本料金に加えて、別途麻酔代や保証料金が追加される場合もあるため、費用の内訳は事前に確認しておきましょう。
5.眼瞼下垂施術を受けるときの注意点
眼瞼下垂施術を受ける際の注意点を解説します。
5-1.実績の多いクリニックや医師を選ぶ

眼瞼下垂の施術を受ける際に最も重要なポイントは、実績の多いクリニックや医師を選ぶことです。一部の美容整形クリニックでは、経験不足の医師や大学卒業後の医師が、眼瞼下垂の手術を担当することもあります。
そのため、多様な症例に対応できる医師を選ぶことが大切です。また、実績が豊富なクリニックでは、手術前後の症例写真をチェックできるほか、さまざまな施術経験があるため、リスクを最小限に抑えるノウハウを持っています。
クリニックを選ぶ際は、医師の経歴や患者の口コミを参考に、いい意見と悪い口コミをバランスよく確認して安心できるクリニックを選びましょう。
5-2.カウンセリングが入念かどうか

眼瞼下垂の症状や原因は個々によって異なり、まぶたの皮膚の厚さや左右差も大きく影響します。そのため、個々の状態に合わせて入念にカウンセリングを実施するクリニックを選びましょう。
眼瞼下垂は目元に直接メスで切開を行う手術です。日帰りで簡単にできる手術ですが、身体に一定の負担がともないます。
カウンセリングでは、手術に関する副作用やデメリット、想定されるリスクについても十分時間をかけて説明してくれるクリニックがおすすめです。さらに、期待できる効果が出なかった場合に、再施術が可能かどうかも確認しておくと安心です。
6.眼瞼下垂と二重整形を受ける際の施術の流れ
眼瞼下垂と二重整形の施術の流れは、術式やクリニックによって異なります。ここでは、一般的な流れを解説します。
- カウンセリング
- 術前検査
- 手術準備
- 手術
- 経過観察・通院
手術を受ける際は、まずカウンセリングで眼瞼下垂の症状を伝え、希望の二重の形について相談します。次に、血圧測定や視力検査、必要に応じて血液検査などを行います。
切開をともなう手術の場合は、局所麻酔を施し手術を実施します。術後は数時間の安静が必要で、腫れや内出血が見られることがありますが、通常は数日で改善します。
術後は、過度な運動や長時間の入浴を控える、目元を強くこすらないなど指示通りに生活しましょう。抜糸や経過観察を行い、必要に応じて再度来院して状態を確認します。
7.まとめ
眼瞼下垂と二重整形は、同時に施術することが可能です。しかし、メリットがある一方でデメリットも存在します。
また、費用も保険適用の有無で大きく異なるため、安心できるクリニック選びが重要です。施術を受ける際は、実績のあるクリニックを選びましょう。
入念にカウンセリングを行い、自分の症状や原因をしっかりと判断してもらった上で、施術に臨みましょう。