歯科矯正

部分矯正ができない例を紹介!出っ歯や八重歯で矯正できる範囲は?

出っ歯や八重歯、すきっ歯などの気になる前歯の歯並びを、できるだけ安く短期間で治したい方にとって【部分矯正】はとても魅力的な矯正方法です。

部分矯正で前歯の一部分だけを矯正すると、全体矯正よりも短期間・安い価格で治すことができて人気です。

しかし、部分矯正にはできない例が多いのも事実。無理に部分矯正を選択すると、失敗したり仕上がりに満足できなかったりすることもあります。

本記事では、部分矯正ができない事例について、具体的にご紹介していきます。「自分の歯並びは部分矯正ができるのか知りたい」「歯科医院で部分矯正はできないと言われたけれど、どうしてなの?」といった悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

部分矯正ができない事例を6パターン紹介

dentist consultation – patient visit at dental clinics office

部分矯正が難しい症例として、歯並びの凸凹が激しい出っ歯、前歯や八重歯だけを引っ込める事例、前歯の重なりが大きい事例、開咬(かいこう)、過蓋咬合(かがいこうごう)、受け口(反対咬合)などがあげられます。

事例1:前歯の凸凹が激しい(出っ歯)

歯列のデコボコが激しく前歯が大きく重なっていたり、隣の歯とずれて生えていたり、隣の歯と2列になって生えているような歯並びは、部分矯正ができないと判断されることがあります。

前歯がデコボコしているところを綺麗に並べるためには、それだけの大きなスペースが必要になります。奥歯を動かさない部分矯正では大きなスペースを確保することが難しく、部分矯正の適応が困難となります。

部分矯正で出っ歯などの前歯のデコボコを治すためには、歯を動かすためのスペースを作る処置として「IPR(アイピーアール)」という処置を行います。IPRとはInterProximal Reductionの略で、歯と歯の間にやすりをかけて、歯を動かすスペースを作ります。「ストリッピング」や「ディスキング」ともよばれています。

1ヵ所の面につき0.2mm~0.5mm程度IPR処置を行うので、歯の健康に影響はありません。3mm以上削ると、エナメル質の中の象牙質を傷つけてしまい、痛みやしみなどの症状がでる危険性があります。 そのため、歯を大きく動かす必要がある歯並びの方は、部分矯正ではなく全体矯正を選択して、小臼歯抜歯・遠心移動・歯列拡大などの処置を行い、歯を動かすスペースをつくる必要があります。

事例2:前歯や八重歯だけを引っ込める

「前歯や八重歯だけが前に出ていて気になるから、部分的に引っ込めたい」と考えている方は多いのですが、実はこれらは部分矯正での対応が難しい症例です。

前歯や八重歯を後ろに引っ込めるためには、引っ張るための【アンカー(固定源)】と、歯を動かし正しい位置に収めるための【スペース】が必要となります。前歯しか矯正しない部分矯正では、このアンカー(固定源)と、歯を動かすスペースを得ることが難しいです。

また前歯や八重歯だけに問題があるように見えたとしても、奥歯の噛み合わせに問題を抱えているケースも多く、部分矯正で治すことは難しいことが多いです。

さらに、八重歯(前から3番目の犬歯)は特に歯の根が長いため動かしにくく、固定源(アンカー)が得られやすい全体矯正で矯正したほうが良い仕上がりになります。

事例3:前歯や八重歯の重なりが大きい

部分矯正で歯を動かすスペースを作る方法として、「IPR(歯と歯の間を研磨したスペースを削る処置)」がありますが、前歯のIPRを行って得られるスペースは、すべて合わせても3mm程度です。そのため、歯を3mm以上動かす必要があるケースでは、部分矯正ではなく全体矯正をすすめられることが多いです。

目安としては、前歯や八重歯の歯と歯が半分以上重なって見えるほど重なりが大きいケースでは、部分矯正が適用出来ないことが多いでしょう。

事例4:奥歯で噛んだ時に前歯に空間が開く(開咬)

奥歯の上下の歯を噛み合わせたときに、前歯の上下に隙間が空いてしまう歯並びを「開咬(かいこう)」または「オープンバイト」といいます。

開咬の原因は前歯だけではなく、奥歯の噛み合わせや顎の骨にあるケースが多いので、部分矯正では治療が難しいです。

事例5:噛み合わせが深い(過蓋咬合)

開咬とは反対に、奥歯の上下で噛んだ時に上の歯が下の歯に被さりすぎて、下の歯が見えない状態になる、噛み合わせが深い歯並びのことを「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。

過蓋咬合を部分矯正で治すことは難しく、また部分矯正で治したとしても保定装置を装着することがとても難しいです。せっかく治したとしても後戻りしてしまう可能性が高いので、全体矯正で治療することがほとんどです。

事例6:骨格のずれが大きい受け口

受け口とは、上の歯よりも下の歯が前にでている歯並びのことで「反対咬合」「下顎前突」とも言います。

受け口には、歯の位置や傾きなどが原因で起こる「歯性(歯槽性)の受け口」と、骨格がずれていることが原因で起こる「骨格性の受け口」があります。骨格のずれが原因の受け口は、部分矯正で矯正することは難しいです。全体矯正や、顎の骨を切る外科手術などを行う治療が必要になります。

部分矯正ができる範囲は?

前歯の部分矯正ができる範囲は、基本的には上下とも【犬歯(中心から三番目の糸切り歯)から犬歯まで】に限られています。

軽度な症例の前歯の見た目を改善することはできますが、奥歯も含めた全体的な噛み合わせの改善や、歯並びのガタツキが大きい症例には対応していません。抜歯や歯列拡大などの処置を伴わない歯列矯正には限界があるためです。

部分矯正が出来るケースを紹介

部分矯正はどんな場合にできるのでしょうか?

ケース1:奥歯の噛み合わせに問題がない場合

奥歯の噛み合わせには問題がない歯並びは、部分矯正ができることがあります。

出っ歯や八重歯になった原因が、舌で歯を前に押し出す習慣、指しゃぶり・爪を噛む癖を長年続けていて、歯の向きが変わったためというケースでは、骨格や奥歯の噛み合わせには問題がないことがあります。

このようなケースでは、出っ歯や八重歯でも部分矯正ができる可能性があります。

ケース2:前歯のスペース不足が3mm以内の場合

前歯を動かすためのスペース不足が3mm以内の場合は、IPR(歯と歯の間をやすりで削る処置)でスペースを確保できます。 部分矯正でできたスペースに歯を動かして、きれいに歯を収める事ができるケースが多いでしょう。

3mm以上のスペースが必要な場合は、抜歯・歯列弓拡大・インプラント矯正で歯を奥に移動させる処置などが必要となり、全体矯正が必要になることがほとんどです。

ケース3:すきっ歯の場合

「すきっ歯」とは歯と歯の間が空いている状態を指す俗語のことで、歯科用語では「空隙歯列(くうげきしれつ)」または「正中離開(せいちゅうりかい)」といいます。

すきっ歯の場合は歯を動かすスペースがしっかりと確保されているため、部分矯正で治療できることが多いです。

部分矯正と全体矯正の仕上がりの差は?

部分矯正は全体矯正のようにすべての歯を動かせないため、どうしても仕上がりに差がでます。残念ながら部分矯正は、全体矯正ほどの完璧な仕上がりは期待できません。

前歯の見た目だけを治したいという希望だとしても、全体の歯を動かした方がより仕上がりがきれいになることが多いです。

部分矯正を始める前には「最終的な仕上がりの歯並びのイメージ」をしっかりと確認することがとても大切です。歯科医のイメージする仕上がりと、患者様のイメージする仕上がりが違っていると、矯正治療後に「失敗した」と後悔することも。

治療前に、「現在の歯並びの悩み」や「どんな歯並びになりたいのか」をよく歯科医と相談し、納得の上で矯正方法を選択するようにしましょう。

部分矯正のメリット・デメリット

全体矯正と比較した、部分矯正のメリットとデメリットについて解説します。

メリット①治療期間が短い

部分矯正のメリットは、なんといっても治療にかかる期間が全額矯正よりも短いことです。早ければ3ヵ月程度で歯並びを整えることができます。前歯は歯の根が細いため奥歯よりも動きやすく、比較的治療期間が短く済むことが多いためです。

全体矯正は1~3年ほど治療期間がかかることが多いですが、部分矯正なら数か月~1年程度の治療期間ですので負担が少ないです。忙しい方や通院回数を減らしたい方にとって、部分矯正は魅力的な矯正方法といえるでしょう。

メリット②費用が高額になりにくい

治療期間が短いため、費用が高額になりにくいという点もメリットです。部分的に歯を動かすので装置そのものも少なく、費用は比較的安く済むことが多いです。

もともとの歯並びや矯正装置の種類によって異なりますが、全体矯正の費用は60~150万円程であるのに対し、部分矯正の費用は8~60万円程と安価です。

また装置をつける範囲が狭いので、全体矯正よりも痛み・違和感・発音への影響などが少ないというメリットもあります。

デメリット①噛み合わせの解消は出来ない

部分矯正は、動かしやすい前歯だけに適用できる矯正方法です。動かしにくい奥歯は全体矯正でないと治療が難しいです。奥歯の噛み合わせの解消を希望される方は、全体矯正を選びましょう。

デメリット②矯正の自由度が低い

部分矯正は前歯しか動かさないため、矯正の自由度は低いです。「どんな歯並びでも治せる」、「完璧な歯並びを目指せる」といった矯正方法ではありません。

部分矯正が可能な症例は限られています。全体矯正の方が向いている症例なのに無理に部分矯正を選択すると、他の歯も動いてしまい全体的な噛み合わせが崩れてしまうこともあります。

「部分矯正に興味はあるけれど、自分の歯を治せるのかどうかは分からない」とお悩みの方は、歯科医に相談することをおすすめします。

矯正の症例を紹介!

エミニナル矯正で実際に治療した症例をご紹介します。

症例1:出っ歯

出っ歯(上の歯が前に出ている歯並び)を治した症例です。

 矯正期間:1年

 治療費用:53.6万円(税込)

 追加費用:抜歯  7,000円(1本)

 IPR(歯と歯の間を研磨する処置) 1万円(1回) 

※追加費用は、提携クリニックにより異なります

症例2:ガタガタした歯並び

前歯がガタガタした歯並び「叢生(そうせい)」を治した症例です

 治療期間:5ヵ月

 治療費用:22万円

 追加費用:IPR  1万円(1回)

自分に適した矯正範囲を矯正治療を専門的に行う”矯正ドクター”に相談してみよう!

部分矯正でできない事例について、具体的にご紹介しました。

さまざまな事例について紹介しましたが、歯並びは人によって千差万別です。どんな矯正治療が合っているのかは、歯科医院で精密検査を受けて歯科医に判断してもらわないとはっきりとは分かりません。

部分矯正が可能かどうかは、矯正ドクターの適切な判断を受ける方法が1番です!

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※一部在籍ドクターの症例数 1,700症例:症例数2007年から2021年の13年間の矯正治療症例数の合計 ※月約3,600円:デンタルローンを利用して治療期間が5ヶ月(22万円:税込)を60分割した場合の手数料抜きの月額費用です。目安治療総額13万円〜47万円(税込)治療期間には個人差があります。また歯の保定費用は含まれません。 ※自由診療 ※矯正ドクターの治療経験は一例です。ドクターにより経験数は異なりますので予めご了承ください。
※掲載されている情報は、ローリエビューティ編集部が独自調査を行いまとめた、2022年04月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず公式サイト等にて事前にお調べください。記事内容に問題がある場合は、お問い合わせよりご連絡ください。

 
美容ライター
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