急速充電にも対応して日本の道でも使いやすい!

 世界的な潮流であるカーボンニュートラルに対してのメルセデスの回答がこれだ。高性能大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載、力強い動力性能と航続距離を誇る。EVの名称であるEQシリーズのなかではもっともコンパクトになるEQAも同様に、性能の点での妥協はない。



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 搭載するリチウムイオン電池は66.5kWh。EQAをメルセデステリーズの流儀にならって、価格を抑えたエントリーモデルだと解釈すると、その意外性に驚かされる。66.5kWhのバッテリー容量はつまり、WLTCモードの航続可能距離に照らし合わせれば422kmとなる。シティコミューターとしての範疇ではとてもなく、ロングドライブもこなせる計算だ。足は長い。現実的には日帰り程度が守備範囲だろうが、自宅のガレージで満充電をすれば、1日の移動範囲であれば無充電で走破出来るのである。



【試乗】「特別感のなさ」がメルセデスの回答か! コンパクトEV「EQA」の圧倒的な乗りやすさ



 チャデモに対応しているのもありがたい。高速道路の50kW急速充電器でも補充電が可能なのだ。もちろん自宅の普通充電も受け入れることはいうまでもない。



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 全長は4465mm、全幅1835mm、全高1625mm。日本の道路環境にはちょうどいいサイズ感だが、目の前で眺めると堂々たる体躯は存在感がある。フロントマスクは内燃機関のモデルがそうであるようなメッシュではなく、樹脂で覆われている。

という点がまず最大のEQシリーズであることの識別点だが、そのラウンドしたフォルムは思いのほか立派に見える。EQシリーズのエントリーモデルとは感じない。



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 じつは走らせた印象も、エントリーモデルのそれではまったくない。バッテリーはけして軽くないから、走りに落ち着きがある。バッテリーを床下の低い位置に薄く広く搭載していることで、結果的に重心が低く、それがネガティブな意味の「重さ」ではなく、ポジティブな「重厚感」に置き換えられているのだ。



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発進は鋭いがパワーの出方はおとなしめ

 加速感も上質である。電気モーターの金属質な音質は抑えられているばかりか、タイヤノイズを主体としたロードノイズを見事に遮断している。静粛性が驚くほど高いのである。内燃機関のSクラスを超えている。



 加速感も鋭い。発進加速は電気モーターの得意とするところ。速度0km/hからの発進ではまったく迷いなく加速体制に移行する。



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 だが、車速の伸びは拍子抜けするほど大人しい。パワーユニットは最大出力190馬力、最大トルク370N・mを発揮する。車両重量約2トンのウエイトには非力ではある、実際にフル加速をすると、加速が鋭く力強く感じるのは電気モーターが得意とする初速までで、持続的な加速は鈍重だ。市街地走行では俊敏だが、たとえば高速道路への乗り入れなど、車速100km/hを目指すような加速では頭打ちが近い。ドンときたと思って身構えると、スカッと裏切られた感覚である。この辺りはEVモーターの特性そのものなのだ。



【試乗】「特別感のなさ」がメルセデスの回答か! コンパクトEV「EQA」の圧倒的な乗りやすさ



 そもそもEQAの個性は、いたずらにEV感を強調していないところにある。コクピットに乗って、発進し停止するまでのアクションに、これまでの慣れ親しんだ内燃機関の乗り方と差がないのだ。



 スタートの儀式も、ガソリンエンジンモデルのそれと同様にスターターポタンを押すことで完了する。ギヤのセレクターも、内燃機関のモデルと共通で、日本車でいうところのウインカーレバーを上げ下げすることで前進と後退を使い分けるタイプだ。EVだからといって、操作系を極端に変えることはしていない。ガソリンモデル所有者がそのまま自然にEVユーザーになれる。



【試乗】「特別感のなさ」がメルセデスの回答か! コンパクトEV「EQA」の圧倒的な乗りやすさ



 ステアリング裏の左右のパドルはシフトアップとダウン用ではもちろんなく、回生ブレーキの利き味をコントロールするものだ。その点が、トランスミッションを介して駆動を制御する内燃機関との違いだが、そのバドルが減速Gをコントロールするという点では感覚的に似ている。



 EV特有の、ワンペダルと思えるような強い減速Gにセットすることは可能だが、その逆に、ニュートラルのまま惰性で下っていくような、そんなフリー状態にもアジャスト可能だ。内燃機関の感覚に近いのである。



 発進加速でEV感を知ることになるものの、雰囲気は自然である。もはやメルセデスの提案するEVは特殊なものではなく、ごく日常に寄り添うものなのだろう。



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