M&A仲介大手3社の2026年9月期中間決算、そろって増収営業増益に コンサルタントの採用に慎重姿勢も

9月を決算期とするM&Aキャピタルパートナーズ<6080>、ストライクグループ<6196>(2026年4月にストライクから社名を変更)、クオンツ総研ホールディングス(HD)<9552>(2026年1月にM&A総研ホールディングスから社名を変更)のM&A仲介上場3社の2026年9月期第2四半期(中間期)決算が2026年5月15日に出そろった。

3社ともに、M&A市場の拡大を背景に、増収営業増益となった。

通期でも売上高、営業利益ともに2桁の伸びを見込む。

そうした中、コンサルタントの採用については慎重姿勢も見られた。

ストライクグループ、クロージングまでの期間が長期化

M&A市場について、M&Aキャピタルパートナーズは、2026年1~3月のM&A件数と取引金額がいずれも過去最高を更新したことから、国内企業に関わるM&Aニーズは高い状況が続いているとする。

ストライクグループは、中堅・中小企業のM&A市場について、経営者の高齢化と後継者不在を背景に、第三者承継の割合が増えており、中長期的に拡大傾向にあるとしている。

また、クオンツ総研HDは、日本国内の中小企業によるM&A市場について、経営者の高齢化や後継者不在を背景に、行政の事業承継支援策もあり、有効な経営手段として定着し、需要は堅調に推移しているとみる。

こうした状況の中、3社はそろって業績を伸ばした。

伸びが最も大きかったのはクオンツ総研HDで、売上高は102億9600万円(前年同期比34.4%増)、営業利益は30億2300万円(同26.6%増)となった。

主力のM&A仲介事業が堅調に推移したのに加え、大企業向けサービスのコンサルティング事業の売上高が16億5800万円(同2.94倍)と増え、さらに中堅中小企業向けサービスのインキュベート事業の売上高1億1400万円が加わったため、30%を超える増収となった。

一方、利益面では、コンサルティング事業、インキュベート事業ともに赤字幅が拡大したものの、M&A仲介事業が伸び、営業利益は20%台の増加となった。

次いで伸びが大きかったのはM&Aキャピタルパートナーズで、売上高は134億4700万円(同17.3%増)、営業利益は52億円(同20.1%増)だった。

成約件数が前年同期よりも24件(子会社のレコフを含む)増え、第2四半期累計として過去最高を更新したほか、大型案件数も増えたことで売り上げが伸びた。

これに伴って営業利益も増えた。

ストライクグループは、売上高が97億3700万円となり、前年同期比8.8%の増加にとどまった。

成約組数が前年同期よりも3組増え、大型案件も3組増えたものの、買手企業の属性変化(上場企業割合の増加)や顧客要請に伴う最終契約締結後からクロージングまでの期間の長期化により、売上高は上期計画に対して84.2%の着地となった。

営業利益は26億9900万円で、同10.7%増となった。売上高が上期計画に届かなかったことから、営業利益も上期計画に対して71.9%の着地となった。

M&A仲介大手3社の2026年9月期中間決算、そろって増収営業増益に コンサルタントの採用に慎重姿勢も
M&A仲介大手3社(9月期決算)の業績推移

クオンツ総研HD、コンサルタント数の通期目標を引き下げ

事業拡大に直結するコンサルタント(案件を取りまとめる専門家)の増員では、3社の対応に違いが出た。

これまで3社はいずれもコンサルタントの増員を進めてきたが、クオンツ総研HDは厳格化した採用基準の運用を継続しており、M&Aアドバイザー(譲渡企業担当)数は第1四半期末より減少した。

ただ、前年同期との比較では、コンサルタント数はM&Aアドバイザー348人(前年同期は329人)、マッチング部門(買手企業担当)71人(同73人)の合計419人で、17人増えた。

採用基準の厳格化に伴い、2026年9月期通期のM&Aアドバイザー数の計画を、当初の400人~450人から320人~350人に引き下げた。

同社はM&Aアドバイザー数の計画を引き下げる一方、一人当たりの生産性の向上を通じて期初計画の達成を目指すとしている。

ストライクグループは、コンサルタント数が360人となり、前年同期を27人上回った。

通期計画の55人増員に対しては2026年3月末時点で計画を17人下回ったが、4月1日に新卒を含め50人が入社しており、通期では計画通りに進捗するとしている。

M&Aキャピタルパートナーズは、コンサルタント数(子会社のレコフを含む)が276人となり、前年同期を34人上回った。

同社は2026年9月期から2028年9月期までを対象にしたコンサルタント増員計画を進めており、2028年9月期に492人まで増員する計画だ。

M&A仲介大手3社の2026年9月期中間決算、そろって増収営業増益に コンサルタントの採用に慎重姿勢も
M&A仲介大手3社(9月期決算)の成約件数とコンサルタント数

M&Aキャピタルパートナーズ、44.3%の営業増益に

2026年9月期通期の見通しについて、ストライクグループは、第3四半期から連結決算に移行するため、従来の個別業績予想を取り下げ、新たに算定した連結業績予想を公表した。

新たな連結業績予想では、案件のクロージングまでの期間が長期化していることを踏まえ、2026年9月期の売上高を期初計画から18億2300万円少ない225億2300万円(同10.9%増)に、営業利益を10億5400万円少ない73億1600万円(同15.5%増)に修正した。

クオンツ総研HDの2026年9月期通期の売上高は222億9200万円(同34.3%増)の見込み。

インキュベート事業の売上高予想を上方修正したことで、全社の売上高も当初より1億800万円引き上げた。

一方、営業利益は57億7800万円(同20.9%増)を見込む。インキュベート事業の営業利益予想を1億4500万円の黒字から7000万円の赤字に変更したため、営業利益を当初予想から2億1500万円引き下げた。

M&Aキャピタルパートナーズは売上高269億9100万円(同20.2%増)、営業利益102億8000万円(同44.3%増)を見込む。

成約件数は過去最高だった前年度から約20%増の298件を見込み、このうち大型案件は63件(前年度比1.6%増)を見込む。

同社は、2026年9月期から2028年9月期までを対象にしたコンサルタント増員計画と同時に、成約件数の増加も計画しており、2028年9月期に成約件数426件(子会社のレコフを含む)を目指している。

文:M&A Online記者 松本亮一

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