今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

『すべてがFになる』の印税6100万円。小説家って実際どのくらい儲かるのか

2015年12月11日 09時40分 ライター情報:斎藤充博
このエントリーをはてなブックマークに追加
自分の書いた小説が出版されて、文庫化されて、テレビドラマにもなったら大儲け! ……なんて妄想をしたことのある人は多いと思う。では実際にどのくらいの金額が「儲かる」のだろうか。

『作家の収支』では2014年にドラマ化され、現在アニメ放映中の『すべてがFになる』の著者である森博嗣がその金額を具体的に記している。
『作家の収支』森博嗣/幻冬舎

『すべてがFになる』の印税は6,100万


まずは印税だ。『すべてがFになる』は1996年に出版され、19年間かけてノベルス版と文庫版あわせて78万部になった。印税は6100万円である(電子書籍版の印税を除く)。

作家デビューの1996年から2014年まで、すべての書籍の印税の総額は12億円を超える(電子書籍版の印税を除く、電子書籍の印税著者が面倒で集計していないとのこと) 。本書では折れ線グラフで年ごとの収入の推移が語られている。

パチンコ台に使われると500万


これだけでもすごいのだが、小説がヒットすると周辺に様々な権利が発生してくる。テレビドラマ『すべてがFになる』の放映料は500万円。1時間につき50万円程度と時間で相場が決まっているそうだ。

押井守監督で劇場アニメ化された『スカイクロラ』にパチンコ台制作の話があった、なんてことも書いてある。原作者に払われるロイヤリティとして500万円を提示されたものの、実現はしていない。

原稿料だけで1,000万の案件も


広告の世界に行くとさらに条件はよくなってくる。日本コカ・コーラがスポンサーになって書かれた小説『カクレカラクリ』は原稿料だけで1,000万円。これは出版の印税とは別で、印税は820万円。

直筆の文章をテレビCMで500万円で使うオファーが来たこともあるという(実現はしていない)。

文庫の解説は10万


他にも細かい雑収入が付随してくる。文庫の解説文は文字数を問わず10万円が相場。小説の帯の短いキャッチコピーは2~3万円。

現代文の試験に文章が使わるのはタダだが、その試験を問題集にすると、売上げに応じて印税が支払われる。現代文の教科書に使われるのも、もちろん印税が入ってくる。教科書に載ると、教師が使う指導教本にも文章が載ることになり、こちらからも印税が入る。

海外に取材旅行にも連れて行ってもらえる。取材の成果がその後の小説に反映されなくても別にいいらしい。オリジナルのぬいぐるみも作ってもらえる。

読み進めるごと著作権のすごさを感じる。ちなみに後半には作家の「支出」について書かれているが、ハッキリいってほとんど無い。

ライター情報

斎藤充博

指圧師として「下北沢ふしぎ指圧」を営業。またライターとして「デイリーポータルZ」「みんなのごはん」などに書いてます。書籍『栃木のおきて』も発売中。

URL:下北沢ふしぎ指圧

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品