若い頃は、学校や会社にいれば自然に仲間ができました。しかし50代以降は、自分から場に入らなければ、新しい人間関係はなかなか生まれません。
そのうえ、同世代とのつながりだけに頼っていると、年齢を重ねるほど人間関係が細っていくこともあります。

実業家・著述家の本田直之さんによると、人生後半には、誰と時間を過ごし、どんな人を近くに置くかという人間関係の「配置」を変える必要があるといいます。

この記事では、本田さんの著書『セカンドハーフ戦略 人生後半戦、何を捨て、何を始めるか』(KADOKAWA)より一部抜粋し、これからを一緒に楽しめる仲間や、下の世代とのつながりが大切になる理由を紹介します。

■身体と仲間は、後半戦の土台になる
人生後半戦に必要なのは、お金だけではない。もちろん経済的な安心は大事だ。そこを軽く見ているわけではない。

ただ、いくら資産があっても、身体が動かなければ行きたい場所へは行けない。自由な時間があっても、一緒に笑える人がいなければ、体験はどこかで自分の中に閉じてしまう。

身体は10年後の自由を守る投資だ。同じように、仲間は10年後の幸福や広がりを守る投資なのだ。

だから最近は、仲間も身体と同じくらい、人生後半戦の土台なのではないかと思うようになった。気合いや社交性の問題ではなく、自由に動き続けるための条件の一つなのだ。


身体を整え、仲間との関係を育てる。その二つがそろって初めて、セカンドハーフ戦略は考え方だけではなく、現実の生活に根づいていく。

※セカンドハーフ戦略:人生後半戦を自分らしく生きるために、仕事や時間、お金、人間関係などのあり方を組み替える考え方。(編集部注)

■人間関係の「配置」も変える
若い頃の仲間は、環境が作ってくれた。学校や会社があり、同じ場所で同じ時間を過ごしていれば、自然に関係が生まれた。

でも50代以降の仲間は、自分から場に入るか、自分で小さな場をつくらないと増えていかない。この違いを知らないまま昔と同じ感覚でいると、気づいたときには人間関係がかなり細っている。

人生後半戦は配置を変える時期だ。これは、時間や住む場所だけの話ではない。誰と時間を過ごすか、どんな人の近くにいるかという、人間関係の配置も変わっていく。

昔の友人を切るという意味ではない。ただ、昔話だけでつながる関係のみでは、後半戦は広がりにくい。


これから何をするか。何を始めるか。そういう話ができる人を、自分の人生の近くに置いていく。

人生後半戦には、これからを一緒に楽しめる仲間が必要になる。

■同世代だけでは、人間関係は細っていく
僕の両親を見ていても、最近つくづく感じることがある。

若い頃からの友人や近所の仲間、同世代の知り合いはもちろん大切だ。ただ、親の世代を見ていると、年齢を重ねるほど、そのつながりは少しずつ減っていくことも現実として見えてくる。

病気になる人もいる。亡くなる人もいる。外に出られなくなる人もいる。気づくと、周りにいるのは家族や親族だけになっている。

でも家族だって、毎日そばにいられるわけではない。
相談したいときに、すぐ話せるとは限らない。

だから最近、強く思うようになった。人生後半戦では、同世代の友人だけでなく、下の世代の友人を持つことが大事なのだと。

■下の世代の友人を持つことは、未来とつながること
これは若い人に囲まれて若返ろうという話ではない。下の世代の友人を持つことは、未来とつながることだ。時間の流れが違う人たちとつながることで、自分の未来が細らないようにする。

若い人を集めて自分が偉そうにする話ではない。むしろ逆で、教えることもあるかもしれないけれど、教わることのほうが多い。彼らは違う時代を、違う道具と違う言葉で、違うスピードで生きている。

世代の違う人と話していると、自分が知らない道具、知らない言葉、知らない感覚に触れることになる。それは、ときに面倒でもある。でも、その面倒くささこそが、人生後半戦のアップデートになる。


若い人の言葉を無理に真似したり、流行を追いかけたりする必要はない。ただ、自分の時代の常識だけで話さないことは大事だと思う。いまの道具を少し使ってみる。相手の感覚を聞いてみる。まず教わる姿勢を持つ。それだけでも、関係はかなり変わる。

ヨットも一人でも乗れるが、風を読み、離着岸し、海に出るという体験は、誰かと共有すると学びが深くなる。自分より経験のある人、自分より若い人、違う海を知っている人。そういう仲間がいると、海の見え方が変わる。

人生後半戦は、完成した自分を守る時期ではない。自分を少しずつアップデートしていく時期でもある。
この書籍の執筆者:本田直之 プロフィール
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長。
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ上場に導く。現在は日米のベンチャー企業への投資育成事業を行い、各社の社外取締役や顧問を兼務。ハワイと東京に拠点を構え、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。著書・監訳書は「レバレッジ」シリーズなど78冊、累計300万部を突破。
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