老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、65歳までに厚生年金の加入期間が20年以上になった場合、振替加算を受け取れるのかについての質問です。

■Q:65歳までに厚生年金の加入期間が20年以上になりました。夫は加給年金をもらっていましたが、私の年金に振替加算はつきますか?
「夫が65歳になってから私が65歳になるまで、夫の年金に5カ月間、加給年金が加算されていました。私は現在も厚生年金に加入して働いているため、65歳では年金を請求せず、66歳以降に請求しようと思っています。特別支給の老齢厚生年金を受け始めた時点では、私の厚生年金加入期間は20年未満でしたが、65歳の現在は20年以上になっています。この場合、私が老齢基礎年金を受け取るときに振替加算はつくのでしょうか?」(さつきさん)

■A:65歳になった時点で厚生年金の加入期間が原則20年以上ある場合、振替加算の対象にはなりません
振替加算とは、老齢厚生年金などを受け取っている人に加算されていた加給年金額が、その対象となっていた配偶者が65歳になったことなどによって終了した後、一定の要件を満たす場合に、その配偶者の老齢基礎年金に加算されるものです。

さつきさんの場合、夫が65歳になった時点では、さつきさんの厚生年金の加入期間が20年未満だったため、夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されていたとのことです。

その後も厚生年金に加入して働き、65歳になった時点では厚生年金の加入期間が20年以上になったとのことです。

振替加算は、原則として厚生年金保険や共済組合などの加入期間が合計240カ月(20年)未満であることなどが要件です。そのため、65歳になった時点ですでに240カ月以上あるのであれば、原則として振替加算の対象にはなりません。

65歳で老齢基礎年金を請求せず、66歳以降まで繰り下げたからといって、この要件が変わるわけではありません。


なお、厚生年金の加入期間については、生年月日によって「中高齢の資格期間の短縮特例」が適用される場合もあります。実際に振替加算の対象になるかどうかは、生年月日や加入記録などによって確認する必要があります。

また、65歳から受け取れる老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰り下げることができます。繰り下げることで年金額は増えますが、受給額が増えると税金や社会保険料などに影響する場合もあります。

さつきさんは現在も厚生年金に加入しているとのことですので、実際の加入月数や振替加算の対象になるかについて、ねんきんネットや年金事務所などで確認してみるとよいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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