そんな本作にて、主人公・シタラ役を演じる関根明良にインタビュー。可憐な少女として描かれる一方で、壮絶な運命に翻弄されながら“知”を武器に生き抜いていくシタラ。過酷な時代の中で少しずつ変化していく彼女を、関根はどのように捉え、演じていったのか。原作を読んだ際の衝撃や、共演者たちとのアフレコで感じた“空気”、そしてサイエンスSARUによる圧巻の映像表現についてもたっぷりと語ってもらった。
[撮影:You Ishii]
■「“説明しすぎない感情”を大切に」シタラの繊細な心の動きを表現
――本作への出演が決まった際のお気持ちと、原作に触れた際の第一印象もあわせてお聞かせください。
関根明良(以下 関根):オーディションのお話をいただいた際に初めて原作を拝読したのですが、最初は「可愛らしい女の子が主人公の、歴史をわかりやすく描いた作品なのかな」という印象を持ちました。でも読み進めていくうちに、そのイメージが大きく変わっていって……。物語の序盤から絶望感がとても強く、シタラたちが置かれている状況の過酷さに衝撃を受けました。
なので、マネージャーさんからオーディション合格の連絡をいただいた時は、もちろんうれしかったのですが、それと同時に「自分に務まるだろうか」という不安もあって。シタラというキャラクターは本当に難しい役だと感じていたため、「しっかり覚悟を決めて向き合わなければいけないな」と思いました。
――幸せな始まりだったからこそ、その後に起こる出来事の絶望感がすごかったです。
関根:本当にそうですよね。
実は、オーディションのセリフではちょうどそのあたりのシーンが使われていたんです。そのため、オーディションの時点ですでに少し泣きながら収録した記憶があります。それくらい、シタラの抱える喪失感や絶望が強く印象に残っていました。
――そんなシタラというキャラクターに対して、最初はどのような印象を抱きましたか?
関根: “復讐劇”であることを踏まえて原作を読みすすめていたので、「絶望を経験しながらも、その怒りや想いを胸に立ち上がり前へ進んでいく、とても強い女の子」という印象が強かったです。ただ、読み進めていくうちに、それだけではない繊細さも見えてきて。「強い主人公」という一言では表せない、すごく人間らしい女の子なんだなと感じるようになりました。
第1話の時点ではまだ純粋無垢な少女らしさが色濃く残っていますし、突然絶望に突き落とされながらも、それでも前を向こうとする強さが描かれています。しかし、ここから彼女がどんなふうに変化していくのか……。その印象の変化については、視聴者の皆さんにもぜひ注目していただきたいです。
――ムハンマドとの出会いによって、シタラの“世界の見え方”は大きく変わりました。
関根:ムハンマド坊ちゃんとの出会いによって、シタラは“知ること”を教えてもらいました。それまでの彼女は、自分の目の前にある狭い世界しか知らずに生きてきた子だったのではないかと。あの出会いのシーンは、まるで籠の鳥が外の世界を知ったような印象でしたね。私は第1話冒頭のシタラの瞳の表現が好きで。とても繊細な描写で、言っていただいた通り、彼女が世界を知っていくきらめきが丁寧に描かれていましたよね。
そして、ムハンマド坊ちゃんと出会ったことで“知る楽しさ”や“世界が広がっていく感覚”を知ったからこそ、シタラはこの先を生き抜くための知恵や力を得ていきます。シタラにとってあの日々があまりにも幸せだったのだろうなと。だからこそ復讐の炎は燃えていったのだろうと思います。
――シタラは物語の中でさまざまな経験を重ね、少しずつ変化していきます。演じるうえで、その変化はどのように意識されていましたか?
関根:「表現を変えよう」と強く意識はしていませんでした。シタラ自身がたくさんの人と出会い、いろいろな経験を通して多くのものを得ていく過程の中で自然と変わっていった感覚です。
キャスト全員がスタジオに揃って一緒に収録できたことが本当に幸せでした。
色々な影響を受けて、シタラの表現も変化していきました。そのため意図的に「変えよう」としたというより、シタラと同じように私自身も先輩方から多くの刺激を受け、変わっていったんじゃないかなと思います。
――シタラの立場上、感情を激しく表に出せるキャラクターではありません。その分、内側にある怒りや悲しみが印象的でした。声のお芝居では、その“静かな感情”をどのように表現されましたか?
関根:悲しみの表現については、それまでに積み重ねてきた“幸せな時間”がすごく大きいと思っています。1話と2話でとても輝いている日々を作ってくださったからこそ「これが失われてしまうんだ」という絶望感が、自分の中でもより強くなっていきました。
奥様がいなくなってから続く絶望のシーン。第2話でのズムッルドさんが弱っていくシーンは印象的でした。演じられていたお芝居が、本当に小さな声だったんです。近くにいても聞こえないんじゃないかと思うくらいリアルな声量で演じられていて。
――アフレコ現場の空気や共演者の皆さんのお芝居があったからこそ、シタラの表現に繋がっているのですね。
関根:1、2話で皆さんと共に”幸せな日々”を積み重ねることができたからこそだと感じています。あの日々があったから、第2話以降の怒りを燃やすシーンも、深い悲しみのシーンも演じることができました。
■「この作品には“悪”がいない」関根明良が語る『天幕のジャードゥーガル』の魅力
――「年齢感」に関してはいかがでしょう。幼少期から成長していくシタラを演じるうえで、意識されたことはありましたか?
関根:最初に音響監督の小沼則義さんから「この作品ではキャラクターデザイン自体は年齢を重ねても大きく変わらないので、あまり“年齢感”を意識しすぎなくて大丈夫です」とディレクションをいただいたんです。なので「年を重ねたからこう演じよう」というよりは、彼女が経験してきた出来事や、人との関係性の積み重ねを大事にしていました。
例えば、ファーティマ奥様はすごく優しく接してくださる方なので、きっと毎日こうやって撫でてくれていたんだろうな、とシタラの表情から感じたり。「今度連れて行ってあげるわね」という言葉も、今まで色々な経験を当たり前に積ませてくれる奥様だからこそ、「はい、奥様」と素直に期待を返せるんだろうな、とか。そういう一つひとつの関係性を大切に積み重ねていくことで、感情や成長、年齢感のようなものが表現できていたのであれば嬉しいなと思います。
――そのほかの印象的だったディレクションがあれば教えてください。
関根:この作品は、キャラクターたちの内面の感情が、本当に言語化できないくらい繊細なんです。解釈も人それぞれあると思いますし、音響監督からは「すべての感情を、見ている方に説明しなくていい」というディレクションをいただいていました。なので、あまり細かくコントロールしようとはせず、その瞬間に生まれる感情や空気を大切にしていました。
――サイエンスSARUによる映像表現の感想もお聞きしたいです。
関根:まず、主線がない表現がすごく印象的でした。輪郭線がないからこそ、光をすごく感じるんです。どこか絵画的な印象もあって「すごい」とずっと感動していました。アニメーションからは、乾いた空気感や砂煙、風がちゃんと伝わってくるんですよね。「どうやったらこんな表現ができるんだろう?」と不思議になるくらい。色彩なのか、動きなのか、何によってそう感じているのか自分でも分からないのですが、本当に“土”や“風”を感じられる映像で、すごく感動しました。
また、オープニングとエンディング映像も本当に素敵で。
――シタラは今後もさまざまな経験を重ねていきます。“今後注目してほしい魅力”を教えていただけますか?
関根:シタラは今後、ドレゲネ様と出会うことによってまた大きく変化していきます。私は、この作品には“悪”がいないと感じていて。もちろん敵対するキャラクターはいるのですが、相手は「悪」ではないんですよね。それぞれのキャラクターがちゃんと信念を持っていて、愛がしっかりあって。だからこそシタラ目線だけでなく、いろんなキャラクターの視点に立って見てもらうと「この人はこういう想いだったんだ」など、新しい発見がたくさんある作品なんじゃないかなと思います。いろんな角度から何度も楽しんでいただけたらうれしいですし、その中でシタラ自身の変化や成長も見守り、見届けていただけたらと思います。
■TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』概要
2026年7月4日(土)夜11時~初回2話連続1時間スペシャル!
以降 毎週土曜 夜11時30分~
テレビ朝日系全国ネット"IMAnimation"枠・BS 朝日ほかにて放送!
■スタッフ
原作:トマトスープ『天幕のジャードゥーガル』(秋田書店「Souffle」連載)
総監督:山田尚子
監督:Abel Gongora
キャラクターデザイン・作画チーフ:吉田健一
シリーズ構成:加藤還一
音楽:日野浩志郎
アニメーション制作:サイエンス SARU
美術監督:樺澤侑里
色彩設計:今野成美
撮影監督:高橋直希
編集:廣瀬清志
音響監督:小沼則義
■キャスト
シタラ:関根明良
ドレゲネ:小清水亜美
ファーティマ:桑島法子
ムハンマド:齋藤 潤
オゴタイ:下野 紘
トルイ:鈴木崚汰
シラ:入野自由
チャガタイ:浪川大輔
ジュチ:野島健児
■楽曲
・オープニングテーマ
SEKAI NO OWARI「Stella」
・エンディングテーマ
女王蜂New Single「星」
Streaming & Download:2026年7月5日先行配信
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)








