日本映画の危機に業界人が協力を呼びかけている。
昨年度より大幅な予算削減を受けた国立映画アーカイブが、6月25日に活動の安定的な継続のための運営資金をインターネットで募るクラウドファンディングをスタートさせた。
同館は、独立行政法人国立美術館6番目の館として設立された日本で唯一の国立映画専門機関である。映画の残存フィルムを文化遺産や歴史史料として可能な限り収集することを目指し、現在映画フィルムを約9万本、スチール写真やポスターなどの映画関連資料を100万点以上所蔵している。
今年度予算の運営費交付金は前年度比44%減の3億5856万円。文化庁の発表によると、国立美術館に物価高分を含めて予算84.6億円を割り当てたが、国立美術館の各館の予算配分により大幅に削減されたという。
記者会見で同感の栩木章館長は「収入の多角化を図るとともに、映画アーカイブの使命と存在意義を広く社会に知ってもらう機会としたい」と語った。
この危機に俳優や映画監督もクラファンへの協力を呼びかけている。
俳優の松本まりか氏は自身のXで、悲痛を訴えた。
《文化を守る事と経済が回ること これはイコールにすることなのだろうか。経済は大事。だけどこの文化遺産への予算の削減は、超短期の経済対策かもしれないけど、長期的に人々を豊かにするのは古き映画を映像資料を守り続け後世に残すことだと心から思います》
クラファンのURLを添えて、応援を呼びかけた。
映画監督の溝口竜介氏はクラファンのサイトで以下のコメントを出した。
「私自身は『国立』と名のついた施設が、こうしてクラウドファンディングに乗り出すことを健全な事態とまったく思えない。それは、これほどに充実した文化を国がほとんど蔑ろにしていることの証左だからだ。
このことは映画の先達である、絵画や彫刻などの美術全般においても同様だろう。我々はこの事態を、単なる『資金集め』を超えた文化そのものからの呼び声として受け止めるべきだろう。それに応じるにはどうしたらいいのか。このファンディングに参加すること? 短期的にはそれもあり得る。
しかし、より長期的には二度とこれを繰り返させないように各人が行動することだろう。この呼び声が、断末魔の叫びとならないように」
他にも俳優の倍賞千恵子氏や香川京子氏、井浦新氏、映画監督の三池崇史氏、押尾守氏も協力を呼びかけている。
そういえば安倍内閣肝いりで「COOLJAPAN」なるものがあった。約500億円も国家予算をぶち込んだが、赤字続きで廃止が検討されている。
この予算の一部を国立美術館に回していたら、どれだけ文化的な価値が守れただろう。
クラファンへの参加はREADYFORサイトより。6月29日12時時点で、寄付総額は約3470万円となっている。
文:BEST T!MES編集部
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