ここ数年の間にいくつか刊行されたやたらちっこい本を、皆さんはご覧になったことがあるだろうか。手のひらに乗るサイズで、厚みもあまりない。
正直にいうと、読者としてこういう本を読みたいと思ったことはない。だって、コスパ悪いじゃん。値段は高くないけれど、ボリュームは短編小説程度。だったら文庫買ったほうが良くない? 奇を衒わず、短編集に収録してくれればいいんじゃないかと思ってしまう。売り手としては、新しい形態を面白がりたいという気持ちはあるけれど、何度もやらなくていいのではないかと思う。売れるっちゃ売れるんだけど、単価安いし管理するのが結構難しいのだ。こういうのがあまり増えすぎるのも困るんだよね。
といいつつもこの本を読んでみようと思ったのは、私は本を読むのが速い方ではなく、「超速い人の頭の中」に興味があったからである。ちょっくら好奇心を満たすために、サクッと読んでみよう。そんな気持ちで手に取ったのだが......。
文庫本が放り投げられるシーンから始まる。
最後まで読むと「おおおおっ!そういうことだったのか!!」と、拍手をしたいような気分になっていた。
(高頭佐和子)