スマホで音楽を流したり、家事をしながら動画を見たりするとき、本体スピーカーの音が少し物足りなく感じることはありませんか。かといって、わざわざBluetoothスピーカーを用意したり、充電したり、接続したりするのも面倒です。
そこで今回試したのが、セリアで見つけたイノマタ化学の「置くだけで音が広がるスマートフォンスタンド」。価格は110円で、その名のとおり、電源を使わず、スマホを置くだけで音を前方へ広げてくれるという、ちょっと面白い構造のスタンドです。カラーはホワイトとダークグレーの2色展開で、今回購入したのはホワイト。デスクやキッチンにも置きやすい、シンプルな見た目のアイテムです。
商品名:置くだけで音が広がるスマートフォンスタンド(ホワイト)
購入先:セリア
メーカー:イノマタ化学
価格:110円
カラー:ホワイト、ダークグレー
サイズ:11.8×11×12.5cm
材質:ポリプロピレン
原産国:日本
○電源いらずで「音を広げる」シンプルな仕組み
このスタンドの特徴は、なんといっても電源が要らないこと。多くのスマホは本体下部にスピーカーを備えており、このスタンドに置くと、その音を左右の丸い壁が受け止めて、手前に向かって広げてくれる仕組みになっています。ざっくり言えば、スマホの音を前に送り出す反射板のようなイメージです。
電池もケーブルもアプリの設定も不要。もちろん、ペアリングに悩む必要もありません。スマホを置けばすぐに使えるので、デスク、キッチン、寝室の枕元など、場所を選ばず気軽に使えるのが魅力です。
本体はポリプロピレン製で、とても軽量です。高級感があるわけではありませんが、110円のスマホスタンドとして見れば作りはシンプルで扱いやすい印象。
○充電しながら音楽や動画を楽しめる
底面にはケーブルを通すための差込口があり、内部には充電ケーブルの端子を引っかける固定ストッパーも備わっています。充電ケーブルを通しておけば、スマホを立てたまま充電しながら音楽や動画を再生できます。
デスク上に置きっぱなしにしておけば、簡易的な充電スタンドのようにも使えます。ストッパーのおかげでケーブルの端子が外れにくく、差しっぱなしの配線もすっきりまとまるのは地味に便利です。こういう「ちょっとした手間が減る」便利さは、使い始めてからじわじわ効いてきます。スマホを置くたびにケーブルを探す手間が減るので、動画視聴だけでなく、作業中のBGM再生やビデオ通話にも使いやすいと感じました。
ただし、ケーブルやスマホケースとの相性には注意が必要です。太めのケーブルや大きめのコネクタ、厚みのあるケースを使っている場合は、端子の位置が合いにくかったり、スマホが少し浮いたりする可能性があります。充電しながら使いたい場合は、手持ちのケーブルで収まりを確認しておきたいところです。
○実際に置いて音を聴いてみた
肝心の「音が広がる」効果を試してみました。
ただし、過度な期待は禁物です。「音量が劇的に大きくなる」というより、「音の向きが整い、音量もわずかに上がって聴きやすくなる」という変化に近いです。アンプを内蔵した電源式スピーカーのように、音そのものを大きく増幅する製品ではありません。
ラジオ、ポッドキャスト、YouTubeのトーク系動画など、音質よりも声の聞き取りやすさを重視したいコンテンツとは相性が良さそうです。一方、低音の迫力や音楽の厚みを期待するなら、やはりBluetoothスピーカーのほうが満足度は高いでしょう。
効果はスマホの機種や置き方で変わる
気をつけたいのは、効果がスマホのスピーカー位置に左右されることです。スマホによって下部スピーカーの位置や音の出方が異なるため、同じように置いても音の広がり方は変わります。
筆者が使っているのは、本体下部にスピーカーがあるiPhone 17 Pro。縦置きで試したところ、音は確かに聞き取りやすくなり、音量もわずかに大きくなりました。下部のスピーカーがスタンドの壁にしっかり収まるので、縦置きなら効果を実感できます。
あいにくAndroid端末を持っておらず自分では試せませんでしたが、スピーカー位置がスタンドの囲いにうまく合う機種なら、より音量の変化を感じやすい可能性はあります。つまり、この製品は「どのスマホでも必ず大きな音になる」ものではなく、「端末との相性が良ければ、音が前に出て聴きやすくなる」アイテムなのです。
また、元の音量をかなり絞っていると、音の広がりはあまり実感できません。ある程度ボリュームを上げた状態のほうが、本体の囲いによる変化を感じやすい印象です。
○横置きでも使えるが、音の広がりは縦置き向き
スマホは横向きにも置けます。動画を見るときは横置きのほうが自然なので、YouTubeや配信サービスの視聴にも使えます。
ただし、音を広げる構造を活かせるのは縦置きです。筆者のiPhone 17 Proのように下部にスピーカーがある機種では、横置きにするとスピーカーがスタンドからはみ出た位置にきてしまい、音を広げる効果はほとんど得られませんでした。
そのため、音楽やラジオを流すなら縦置き、動画をしっかり見るなら横置き、と使い分けるのがよさそうです。横置きのときは「音が広がるスタンド」というより、普通のスマホスタンドとして使うイメージです。
実際にどのくらい差が出るのか、簡単に測定してみました。iPhoneのホワイトノイズアプリで適度な音量のホワイトノイズを流し、スタンドに置いた状態から約30cm離れた場所で、別のiPhoneに入れた騒音計アプリを使って音量を測定。
○室内や車内向け。屋外では効果を感じにくい
もう一つ気づいたのは、静かな室内のように、ある程度囲まれた空間のほうが効果を感じやすいことです。デスクやキッチンで少し離れて聴くと、スマホ単体より音が前方にまとまって届くように感じます。
家事中にBGMを流したり、洗面所でラジオを聴いたり、あるいは車内で運転席と助手席の間に置いて充電しながら音楽を流したりといった用途に向いています。
一方、屋外では風や周囲の雑音にかき消されやすく、音を広げるメリットはあまり活きません。キャンプや公園などで音楽を流す用途なら、素直に外部スピーカーを使ったほうがよいでしょう。
本体が軽いこともあり、重いケースを付けた大型スマホでは安定感が端末次第になります。一般的なスマホなら問題なく置けますが、タブレットのような大きな端末には向きません。
○過度な期待は禁物。でも110円なら十分アリ
正直なところ、アンプ付きスピーカーのような明確な音量アップを期待すると、少し肩透かしを食らうかもしれません。見た目もシンプルなプラスチック製スタンドで、音質が劇的に変わるわけではありません。
注意点をまとめると、効果はスマホの機種や置き方によって差が出やすいこと、下部にスピーカーがある機種は横置きだと効果がほぼ得られないこと、元の音量がある程度必要なこと、屋外では効果が薄いこと、タブレットには向かないことが挙げられます。
それでも、電源もアプリもいらず、置くだけで音が少し聴きやすくなり、充電しながら使えて、スマホスタンドとしても実用的。これらが110円でまとまっていると考えれば、コストパフォーマンスは悪くありません。
キッチンや洗面所、デスク、車内など、「ちょっと音を流したい場所」に一つ置いておくと意外と重宝するアイテムです。過度な期待をせず、「電源いらずでスマホの音を少し前に出してくれる便利グッズ」と割り切って使うなら、110円で試してみる価値は十分にあると感じました。
早川厚志 はやかわあつし 最新デジタルガジェットには目がないライター&フォトグラファー。Mac用アプリの情報サイト「新しもの好きのダウンロード」を1996年に開設し、25年間ほぼ毎日更新中。iPhone歴はもうすぐ12年。ピアノorギター弾き語りのシンガーソングライターとしても活動し、車中泊をしながらライブハウスを全国行脚。 この著者の記事一覧はこちら











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