コスモエネルギーホールディングス(以下、コスモエネルギーHD)は6月5日、長野県信濃町にある「C.W.ニコル・アファンの森財団」(以下、アファンの森)で社員向けのエコツアーを実施した。社員に環境保全活動への理解を深めてもらうことを目的とする取り組みで、抽選で選ばれたコスモエネルギーグループの約20人が参加。
コスモエネルギーHDの山田茂社長も同行し、森づくりや生物多様性について学んだ。

40年かけてよみがえった「アファンの森」が続ける森林再生

研修の冒頭では、アファンの森財団の大澤渉さんが森づくりの歴史や「COSMOエコ基金」との取り組みについて説明した。

アファンの森はイギリス出身の作家・環境保護活動家である故C.W.ニコル氏が中心となって再生活動を進めてきた森林だ。現在は一般社団法人として運営されており、約40年にわたり、さまざまな生き物が暮らせる環境づくりを続けている。

森に関する活動というと植樹を思い浮かべる人も多いが、アファンの森の活動は、それだけではない。木の間伐や下草刈り、水辺や作業道の整備など、森の環境を維持するための地道な作業を続けている。

「森づくりは一度手を入れたら終わりではありません。良い状態を維持するためには継続的な管理が必要なのです」(大澤さん)

森を脅かす課題への対応も重要なテーマだ。そのひとつが、全国的に被害が拡大している「ナラ枯れ」である。カシノナガキクイムシが媒介する菌によって樹木が枯死する現象だ。アファンの森では、伐採した被害木を割って乾燥させることで虫の繁殖を防ぐ独自の検証を実施。その結果、適切な乾燥処理によって拡散を抑制できることを確認した。
伐採した木は薪として販売し、その収益は森の管理費用に充当している。

「人間にとって都合のいい森をつくるのではなく、生き物たちが評価してくれる森を目指しています」(大澤さん)

コスモエネルギーHDが運営する「COSMOエコ基金」は、気候変動対策や生態系保全に取り組む活動を支援しており、2014年からアファンの森のパートナーとなっている。その活動は森づくりにとどまらず、人材育成や環境教育、広報活動など、幅広い取り組みを後押ししてきた。
森に入って初めて分かる。社員が体験した森林保全のリアル

エコツアーでは、参加した社員がアファンの森を見学。森の中を歩きながら専門スタッフから生態系について学んだ。

さらに、森林再生活動として、林床に光を届けるための藪刈り作業を体験した。

自然に触れながら生物多様性や森林保全の重要性、自然環境と企業活動との関わりについて理解を深める時間となった。
「体験を社内へ広げてほしい」研修参加者に託された新たな役割

今回のエコツアーの狙いについて、COSMOエコ基金の理事長を務めるコスモエネルギーHD 常務執行役員 CDOのルゾンカ典子さんに話を聞いた。

ルゾンカ常務は、これまでのCOSMOエコ基金による支援活動を振り返る中で、「活動の意義や進め方を改めて見直す機会になった」と話す。チーム内で議論を重ねた結果、今回の研修は社外への発信だけでなく、社員自身が活動の価値を再認識する場として企画された。

参加者の所属部署や年齢はさまざまだ。
ルゾンカ常務は参加者に、社内のインフルエンサーとしての役割を期待している。

「参加した皆さんが感じたことを、それぞれの部署や立場から周囲に伝えてくれることが何より大切です。『こんな体験をした』『こんな気づきがあった』という声が社内に広がることで、活動への理解も深まると思います」(ルゾンカ常務)

研修は同社のボランティア制度を活用して実施された。普段の業務から離れ、自然の中で汗を流しながら他部署の社員と協力して作業に取り組むことは、社内コミュニケーションの活性化にもつながる。

「同じ作業に取り組むことで自然と会話が生まれます。部署を超えたつながりができるだけでなく、会社として環境活動に取り組む意義を共有する機会にもなります」(ルゾンカ常務)
森を歩いて実感した環境保全の大切さ

エコツアーの最後には、参加者同士で感想を共有する時間が設けられた。参加者からは、「説明を聞くだけでは分からなかった森の価値を実感できた」「実際に森に入って作業をしたことで、COSMOエコ基金の環境保全活動への理解が深まった」といった声が上がった。

今回のエコツアーを通じ、森林保全や生物多様性への理解を深めたコスモエネルギーグループの社員たち。自然とのつながりや環境問題をより身近に感じるとともに、自分たちにできることについて改めて考える機会となった。

橋本 岬 2014年に法政大学大学院を中退後、女性ファッション誌の編集者を経てフリーランスに。得意ジャンルは、IT、スタートアップ、エンタメ、女性の働き方。2022年4月から2023年2月までカナダに語学留学。
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