第47回将棋日本シリーズJTプロ公式戦は6月27日(土)に開幕。この日は豊島将之九段―斎藤慎太郎八段の一戦が宮城県仙台市の「夢メッセみやぎ」で行われました。
対局の結果、左美濃対雁木のねじり合いから抜け出した斎藤八段が100手で勝利。劣勢の中盤を跳ね返し2回戦進出を決めています。
○フレッシュな顔ぶれで

タイトルホルダーのほか賞金ランキング上位者から選抜される本棋戦。今年は八代弥八段や石田直裕六段といった初出場棋士の名前が目を引きます。実力者同士の一戦となった本局は先手となった豊島九段が左美濃+早繰り銀の積極策を披露。対する後手の斎藤八段も雁木+早繰り銀の速攻で応戦し、盤上は早くものっぴきならない緊迫の雰囲気となりました。

先にリードしたのは豊島九段でした。3筋の歩を成り捨てたのが気づきづらい軽妙手で後手陣を愚形に導くことに成功。直後に王手飛車取りの技をかけた局面は、駒損とはいえ居玉の斎藤陣が耐えきるのは至難の業かと思われました。しかしこの直後、飛車での王手に対してじっと底歩を受けたのも斎藤八段の粘り強い受け。両者秒読みで形勢は混沌とします。

○王手飛車をかけさせた方が……

どちらも決め手をつかめないまま終盤戦へ。
ともに敵陣に竜を作ったものの、囲いに収まっている豊島玉と居玉のままの斎藤玉のどちらのほうに耐久力があるか判断しづらいため、容易に形勢判断がつきません。調子よく攻めていたはずの豊島九段ですが、斎藤八段に攻防の自陣角を打たれてみると勢いをそがれた格好。自陣に手が戻るようでは自信がありません。

守勢の時間を耐えた斎藤八段の指し手に勢いが出てきます。手番を握って打ち込んだ拠点への桂が「寄せは俗手で」の決め手となりました。終局時刻は17時17分(対局開始15時55分)、最後は豊島九段が自玉の詰みを認めて投了。斎藤八段の辛抱強い指し回しと終盤の見切りが光る好局となりました。勝った斎藤八段は2回戦で伊藤匠二冠と対戦します。

水留啓(将棋情報局)
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