米IBMはこのほど、OpenAIと戦略的協業を開始し、企業が中核業務や複雑なワークフロー全体でAIを大規模に導入してビジネス成果を実現できるよう支援するとともに、OpenAI Daybreakなどのプログラムを通じて、サイバー防御とレジリエンスの強化を支援すると発表した。協業には、共同での市場展開に向けた取り組みに加え、金融サービス、政府機関、通信、小売業向けの業界別ソリューション、および財務、調達、顧客対応、人事など主要業務領域向けソリューションの開発が含まれている。

○3つの重点領域に注力

協業では「レガシー業務のAI対応ワークフローへの変革」「アプリケーションのモダナイゼーションと製品開発」「サイバーセキュリティーとAIリスク管理」の3つの重点領域に注力する。

レガシー業務のAI対応ワークフローへの変革において、IBMはGPT-5.6などOpenAIのフロンティアモデルやCodex、ChatGPT WorkをIBM Consulting Advantageに組み込む。これにより、企業が業務コンテキストにもとづいて日常業務へAIを組み込み、財務、調達、顧客対応、人事領域のワークフローを再設計できるよう支援。IBM Consulting Advantageの機能は、業務手順やワークフローを分析して非効率な箇所を特定し、AIを活用した業務の自動化・効率化を支援するという。

アプリケーションのモダナイゼーションと製品開発について、両社はOpenAI Codex、ChatGPT Workと、IBMの業界知見、技術力、業務領域の専門知識を組み合わせ、レガシーアプリケーションのモダナイゼーションとソフトウェア開発の加速を支援する予定だ。これにはIBM Consulting Advantageとの統合も含まれ、企業のエンジニアリングプロセスの簡素化と、新しいデジタル製品およびサービスの提供の迅速化を支援することを目的としている。

サイバーセキュリティとAIリスク管理に関しては、IBMが参加しているOpenAI Daybreak Cyber Partner Programでの協業を拡大。OpenAIのフロンティアAI機能と、マルチエージェントを活用したマシン速度での意思決定、対応、インテリジェンス提供を実現するIBM Autonomous Securityを組み合わせる。AIを活用した攻撃が高度化する中、今回の協業はアプリケーション層の脆弱性、ガバナンス上の課題、AI導入の障壁となる運用リスクを含むサイバーリスクおよびAIモデルリスクの管理を支援する。

一方、協業の一環としてIBMはOpenAIのEliteパートナー階層に参画。また、IBMはOpenAI Partner Networkを通じて、トレーニングを受けた高度な専門性を持つエンジニアやコンサルタントで構成されるFDU(Forward-Deployed Units)を展開し、顧客と直接連携しながら、複雑な業務ワークフローや高度な規制環境におけるAI導入の加速を支援。また、同社は数千人規模のコンサルタントやエンジニアがOpenAI Partner Networkの高度認定を進める専任組織「OpenAI Practice」を設立する。
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