スマートウォッチの性能は年々向上しています。価格や機能を基準に製品を選ぶ人も多いでしょう。
一方、ファーウェイが海外で販売する「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN Spring Edition」は、スマートウォッチを、腕時計本来の役割の一つである「自分を着飾るための時計」として提案するモデルです。本体にはダイヤモンドがあしらわれ、価格は約70万円。スマートウォッチとしては破格の価格設定となっています。

ファーウェイのスマートウォッチは、高い基本性能に加え、バッテリー駆動時間の長さにも定評があります。HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN Spring Editionは、そうした性能を維持しながら、本体に高級感のある素材を採用。IT製品としてのスマートウォッチという枠を超え、ラグジュアリーウォッチのような佇まいに仕上げられています。

本体デザインは、世界的に知られるジュエリーデザイナー、Francesca Amfitheatrof氏との協業によるものです。春の生命力をテーマに、ジュエリーとしての華やかさとスマートウォッチの機能性を組み合わせています。

本体はチタン合金製ケースを採用し、背面にはセラミックを用いています。シルバーカラーのメタルブレスレットには98石の天然ダイヤモンドを手作業でセッティング。さらにリューズの中央には、18面に精密加工され春の花がほころぶ姿を思わせる1石の天然ダイヤモンドがあしらわれています。合計99石、総計0.8カラットのダイヤモンドが使用されているのです。
ブレスレットを含む質量は約91g。きらびやかな外観と手に取った際の重みが、ジュエリーウォッチとしての高級感を引き立てます。

本体サイズは42.9×42.9×10.8mmで、対応する手首周りは130から175mmです。手首の細い男性でも装着できますが、全体のデザインからは女性を主な対象としたモデルであることが窺えます。バッテリー容量は540mAh、通常利用で3日間、省電力モードでは7日間の使用が可能です。

ディスプレイを覆うサファイアクリスタルには精密な多軸ダイヤモンド工具によるカット加工が施されています。3層構造、60のカット面、180本の稜線を設けることで、光を多方向に反射し、傷がつきにくいだけでなく、光の反射を利用して宝飾品のような輝きも演出します。ディスプレイサイズは1.38インチで、解像度は466×466ドット。ピーク輝度は3,000ニトで、明るい屋外でも表示を確認しやすくなっています。

生体データ関連機能としては、ECG(心電図)分析、心拍数・血中酸素レベル・皮膚温度の測定、睡眠モニタリングなどに対応します。さらに本体側面の「HUAWEI X-TAP」センサーに指先を当てることで、約60秒で心血管・呼吸に関する項目を含む10項目以上の健康指標を、まとめて測定・確認できます。

運動記録では、100種類以上のワークアウトに対応します。
ランニング、サイクリング、登山、ゴルフ、スキー、水泳のほか、フリーダイビングやスキューバダイビングの記録も可能です。GNSSで屋外活動時の位置情報を記録でき、運動の自動検出・自動一時停止、ランニング能力やトレーニング負荷の分析にも対応します。本体は5気圧防水に対応し、最大40mのダイビングにも対応します。IP68・IP69の防塵・防水性能も備えています。

ところでファーウェイの高級スマートウォッチは本機が初めてではありません。これまでにも「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」シリーズとして複数のモデルが展開されてきました。日本では初代モデルが2023年に発売されており、18Kゴールドをあしらい、アウトドアウォッチらしい武骨なデザインを採用していました。どちらかといえば男性向けの外観で、価格は45万9,800円でした。

「本物」といえる素材を使った腕時計や、高級ブランドの腕時計を身に着けている人にとって、現在市販されているスマートウォッチは「IT製品」の域を出ていないと映るかもしれません。スマートウォッチの性能・機能競争が一定の成熟段階に入りつつある今、素材や造形、所有する喜びまで含めて、腕に着けたいと思える製品の登場にも期待したいところです。なお高級ブランドでは、ルイ・ヴィトンが2017年にスマートウォッチ「Tambour Horizon」を発売し、2022年には後継モデル「Tambour Horizon Light Up Connected Watch」を投入しました。

HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN Spring Editionは、美しい仕上げや天然ダイヤモンドをあしらい、素材や造形にもこだわった本格志向のラグジュアリー製品をファーウェイが手がけたモデルとしても注目されます。
中国での販売価格は2万9,999元、約71万円です。スマートウォッチも、機能や性能だけでなく、素材、デザイン、所有する喜びといった付加価値で競う製品が登場してよい時代になったのではないでしょうか。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら
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