ヤマハは、アコースティックギターの新製品として、ハイエンドモデル「FG7」「FS7」、およびエレクトリックアコースティックギター「FG7 X」「FS7 X」を2026年10月3日に発売する。同社運営の「Yamaha Acoustic Guitar Experience」では、先行受注が開始となっている。
ヤマハ、1966年のアコースティックギター「FG180」「FG150」の発売から本格的にギター販売を開始し、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、幅広いラインアップを展開してきた歴史がある。長年にわたる取り組み中で常に品質向上と技術革新を続け、2023年5月にフラッグシップモデル「FG9」、2024年6月に「FS9」を発売し、ラインナップの拡充を図ってきた。
今回発売となる「FG7」「FS7」は、歌の伴奏としてアコースティックギターを使用するシンガーソングライターに最適なハイエンドモデル。位置付けとしは、フラッグシップモデルの「FG9」「FS9」に次ぐモデルで、FG/FS Red Labelシリーズの上位となる価格帯での展開となる。表板には、音の明瞭さと力強さのバランスに優れたシトカスプルースを使用し、レイシングには、フラッグシップモデル「FG9」「FS9」の設計思想を受け継ぎつつも、本モデルに最適化した形状と配置を採用している。裏板の厚みを増すことで反射板としての性能を高め、ボディ全体から生まれる力強い響きを追求している。また、両モデルをベースにしたエレクトリックアコースティックギター「FG7 X」「FS7 X」も同時発売となる。
パワフルなストロークに応えるドレッドノートスタイルの「FG7」と、コンパクトなサイズ感で粒立ちの良いサウンドを生むコンサートスタイルの「FS7」は、それぞれ側裏板の木材が異なるモデルをラインアップ。「FG7 R」「FS7 R」は、側裏板に倍音が美しく響くインディアン・ローズウッド材を使用し、より深いずっしりとした低音と伸びのある高音を生み出す。一方、「FG7 M」「FS7 M」は、中域に温かな音色をもたらすアフリカン・マホガニー材を使用し、軽やかで切れのよい音色を特長とする。ボディ形状と木材の組み合わせによる4つのサウンドキャラクターから、演奏スタイルや好みに合わせたセレクトができる。
デザイン面では、細部に「和」のテイストが取り入れられている。
エレクトリックアコースティックモデルの「FG7 X」「FS7 X」には、3Wayピックアップシステム「Atmosfeel」を搭載。「Atmosfeel」は、英語で「空気」を意味する"Atmosphere"と、「雰囲気」を意味する"Feel"を組み合わせた造語で、使用しているコンタクトセンサーは、ユポ・コーポレーション、小林理学研究所、ヤマハが共同研究開発したものとなっている。Atmosfeelは、従来のピックアップでは拾えなかったギターの音成分を自然なニュアンスで再現するシステムで、アンダーサドルのピエゾセンサーで弦の振動を、ボディ内部に装着されたマイクで胴内の空気感を、表板裏面に貼られた薄く耐久性のある圧電性合成紙を使ったコンタクトセンサーピックアップで表板の振動による高音域を集音する。これら3つの音を組み合わせることで、ギター本来の自然なアコースティックサウンドを余すことなく再現できるという。
また、ボディのサイドの3つのノブを操作することで、音作りが行える。Master Volumeで繊細な音色の表現を調整し、Mic Blendで箱鳴り感を加える。そして、Bass EQで低音域の質感や響きをコントロールすることで、あらゆるユースケースに適応するサウンドを生み出せる。
ラインナップとして、ドレッドノートスタイルの「FG」ライン、コンサートスタイルの「FS」ラインに、側裏板にインディアンローズウッドを使用したライン(モデル名に「R」が付く)と、アフリカンマホガニーを使用したライン(モデル名に「M」が付く)、これらが、アコースティックとエレクトリックアコースティックのタイプに分かれるという格好で、エレクトリックアコースティックギターには、モデル名に「X」が付く。全ラインアップの価格は以下の通り。
本製品の発売に先立って、Yamaha Sound Crossing Shibuyaにて、記者発表会が行われた。
今回、パフォーマンスで使用したのは、エレクトリックアコースティックギター4モデル。それぞれボディ形状、側裏板の違いによるサウンドについてコメントした。コンサートスタイルの「FG」ラインと比べて、小ぶりなコンサートスタイルの「FS」ラインについて、レンジが狭い感じがすると思ったのだけど、そうでもなかったと評価。バンド編成の時には、他の楽器からの影響を受けにくいので扱いやすいのではと、メリットを論じた。今日は各々のモデルの優劣をつけるために来たわけではないが、それぞれキャラクターが異なる点を強調した。
佐橋は、普段、他社製のヴィンテージモデルを手にすることが多いとのことであったが、本シリーズは、ハイポジションに移動した時にもピッチが合っていて気持ちよく弾けると高評価。ギタープレイヤーとして、一番時間を費やしているのは、実はチューニングで、弾いている時間より圧倒的にチューニングしている時間の方が長いと明かし、ピッチがきちんとしていないと弾いていても聴いていても気持ち良くない、と、楽器が正しくチューニングされていることの重要性を説いた。
また、ピックアップの構造的な特徴にも触れ、これなら、マイクを立てなくても良いと評し、さらにバンドの演奏の音量自体が大きい際は、マイクとコンタクトセンサーを下げて、ピエゾ寄りにしてしまえば良いだろうと、状況に応じた使い分けができる点も指摘した。
フラッグシップの「FG9」「FS9」も現場で使用しているとのことで、「わあ、これ本当にいいギターだな」と思ったそうだが、「FG」シリーズは元々、安価で手に入るイメージがあったので、財布に優しい価格帯になったことについても好印象の様子で、「持って帰っていいですか?」とジョークを飛ばす場面もあった。
あわせて、発表会では、エレクトリックギター「Pacifica Standard Plus」の新色4モデルも紹介された。ローズウッド指板のアイスブルー(ICB)とファイヤーレッド(FRD)、メイブル指板のソニックブルー(SOB)とタバコサンバーストブラウン(TBS)が本日9月19日に発売となる。
さらに、ヤマハギター発売60周年を記念して実施される「Yamaha Guitar 60th Anniversary at Shibuya」もアナウンスされた。2026年10月5日から11ミュージシャンが実際にライブなどで使用している楽器を展示し、プレーヤーとともに理想の響きを追求しながら、時代ごとに新たな音・音楽を創り出してきた軌跡を紹介する。また、独自技術「TransAcoustic(トランスアコースティック)」を搭載した最新モデルの試奏コーナーが設営されるほか、ライブイベントの開催、期間限定のカフェメニューの提供などが予定されている。











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