坂倉はチームの4番を務める、勝負強さも光る(C)産経新聞社

 野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回はFA戦線の注目選手に独自の考察を加えている。

【動画】坂倉が放った圧巻のグランドスラムシーン

 今シーズンも終盤戦を迎え、ファンの関心は早くも今オフのフリーエージェント(FA)市場へと向けられつつある。中でも最大の注目を集めているのが、すでに国内FA権を取得済の広島の強打の捕手・坂倉将吾の動向だ。

 佐野氏は坂倉の市場価値について「間違いなく今オフの1番の注目株。パ・リーグというよりは、来季からのDH導入も見据えて読売ジャイアンツが獲得に名乗りを上げても全くおかしくない」と予想する。

 セ・リーグでは来季からDH制が正式に導入、長打力がある選手の需要が高まっている背景もある。坂倉は捕手ポジション含め、一、三塁とユーティリティに守れることも強みとされる。

 今季はここまで122試合に出場、打率.247、13本塁打、61打点。長打率.388、得点圏打率.295。

 7月7日のヤクルト戦(マツダ)では1点を追う9回裏、無死一塁から右翼スタンドに逆転サヨナラホームランを放ったことも話題を呼んだ。今季はグランドスラムも放つなど、持ち味の勝負強さも強みとなっている。

 広島残留に関しては「広島フロントの熱意はもちろん、チームが勝てる環境にあるかどうかも本人の決断を左右するだろう」と分析した。

 ほかにも今オフのFA戦線では阪神のベテラン捕手、伏見寅威、梅野隆太郎らも権利行使するかが、ひそかに注目されている。

 伏見、梅野といった実力派捕手の存在について、佐野氏は「阪神は投手陣が良すぎるが、キャッチャーとしての価値はそれぞれ、非常に高い」とコメント。
 
 続けて「特に投手陣の整備とバッテリーの強化を急務とする球団にとっては、伏見、梅野のような経験豊富なベテランは喉から手が出るほど欲しい人材なはずだ」と語る。

 扇の要を巡るオフの熾烈な争奪戦は、球界の勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めている。

【さの・しげき】

1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。

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