韓国防衛産業が近年、戦車や自走砲、戦闘機などで輸出実績を急速に伸ばす中、潜水艦という「戦略兵器」の世界では、なお越え難い壁が存在することが改めて浮き彫りになった。 カナダ政府は6日、老朽化した潜水艦部隊を更新する最大12隻の新型潜水艦導入事業で、韓国・Hanwha OceanのKSS-III Batch-IIではなく、ドイツTKMS(ティッセンクルップ・マリン・システムズ)がドイツ、ノルウェーと共同開発した212CD型を優先交渉先に選定した。
総事業費は維持・運用費を含めると1000億カナダドル規模に達する可能性があり、カナダ史上最大級の防衛調達となる。 韓国では今回の敗北について、「性能ではなく政治が勝敗を決めた」との分析が相次いでいる。 実際、韓国側が提案したKSS-IIIは、3000トン級の大型通常動力潜水艦で、長い航続距離や垂直発射装置(VLS)を備える攻撃力、比較的短い納期などが高く評価されていた。韓国政府や業界は、大規模な技術移転や現地投資も提示し、最後まで受注に期待をつないでいた。 しかし、最終的にカナダが重視したのは性能比較だけではなかった。 最大の要因として指摘されるのが、「NATO北方同盟」とも呼べる安全保障ネットワークである。 212CD型は、ドイツとノルウェーが共同開発を進める最新鋭潜水艦であり、カナダが導入すれば北大西洋から北極海にかけて3カ国が同一プラットフォームを運用する体制が整う。戦闘システムやソフトウェア更新、部品供給、乗員教育まで共通化でき、共同作戦能力も大きく向上する。 カナダにとって新型潜水艦は、太平洋よりもむしろロシアの活動が活発化する北極海と北大西洋で運用する戦略兵器である。このため、同じ海域を防衛するドイツ、ノルウェーとの一体運用は、単なる装備調達を超えた意味を持つことになった。
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