北朝鮮の金正恩総書記は7月10日、平壌で党・政府・軍の幹部を集めた連合会議を主宰し、朝鮮人民軍総政治局の組織担当副局長だったパク・フィチョル少将とその側近らの不正行為を公開、断罪した。しかし朝鮮中央通信など同国メディアは、パク氏らに対する処罰の内容については伏せたままだ。

それでも現地住民たちの間では、「すでに処刑され、家族は管理所(政治犯収容所)送りになった」というのが定説になりつつあると、デイリーNKの現地消息筋は伝えている。

住民らがそう考えるのは、実際にそのような事例をいくつも見てきているからだ。

たとえば世界がコロナ・パンデミック下にあった2020年8月、咸鏡北道の穏城郡で、複数の軍関係者が処刑された。

この地域では、国境の川を渡って中国へ脱北した地域住民が再び故郷に戻り、逮捕されていた。

この件について報告を受けた金正恩氏は激怒した。新型コロナの流入を防ぐために国境を徹底的に封鎖するよう厳命していたのに、それが守られていなかったからだ。

その結果、件の脱北者が越境した地点を受け持っていた国境警備隊の中隊長、政治指導員、責任保衛指導員、軍保衛部封鎖部長、軍機動巡察隊長、そして脱北者本人が所属する職場の党委員長と支配人の7人が処刑された。この情報を伝えた韓国紙・東亜日報のチュ・ソンハ記者は、処刑の場面を次のように描写している。

「そして彼らの処刑場面を、当該地域の幹部たちに参観させた。どれほど残忍に処刑されたのか、参観者の中からは気絶する人、失禁する人が続出した。北朝鮮でよく行われる、数百発の銃弾を浴びせ、人間の原型すらとどめないやり方だったのだろう」

冒頭のパク氏の件は権力型の政治犯罪として扱われており、粛清の範囲はこれよりはるかに広い可能性がある。

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