このイベントは「クルマで楽しむアウトドア」をテーマに、言わばソトアソビ大好き系が好む車両やギアを中心として、見て、選んで、買って、キッチンカーのおいしい食事や、工作系ワークショップなどのアクティビティも楽しんじゃおう、というもの。
キャンピングカーなど多くのアウトドア系車両が展示される中、ちょっと変わった車両(3輪バイク)を展示する「OAProto(オーエイプロト)」ブースがあった。
展示していたのは同社が掲げる「OA100プロジェクト」によって製作された「OA-0X(オーエイゼロ クロス)」。アウトドア感たっぷりのこの車両、開発の経緯やプロジェクトの概要について同社の大坪氏に話を聞いた。
このイベントに出展した理由は、「OA-0Xがアウトドア向けに製作したことからイベントの趣旨に合うと思ったことから」とのこと。
じつはこの車両、2025年に行われたヘリテージカーや最新モデルが一堂に会するイベント「オートモビルカウンシル2025」にて初公開されたもの。その後さまざまなイベントで披露してきているなかで、今回は多くの人が興味を持ち、パンフレットを手に取ってくれたそうで、ほかのイベントに比べても注目されている、という感触が得られたそう。ソトアソビの祭典との相性はバッチリだったようだ。
■そもそもオーエイプロトとはどんな会社なのか
本業(!?)は広島県東広島市が拠点の自動車の総合試作メーカー。おもに自動車メーカーからのオーダーを受けて自動車のホワイトボディ(プロトタイプ)の試作を行っている会社だ。金型設計から金型の製作、プレス加工、アッセンブリーまで、すべてを社内で製作できるのが特徴で、試作業界では大きな強みとなっているそう。
ないものを形にするだけでなく、完成車両の製造も手掛けており、モーターショー出展用のコンセプトカーなどの製作も請け負っている。自動車だけでなく、農機具や建設機械、新幹線や通勤電車の部品も製造するなど、対応領域は幅広い。
そんな総合試作メーカーが掲げる「OA100プロジェクト」とはどんなものなのか。
オーエイプロトは現在創業62年(2026年6月取材時)を数え、創業100年を目標に掲げて事業の新たな「柱」をつくりたい、との思いから、これまで培ってきた技術力で自社製品を開発して販売することを目指し、立ち上げたのが「OA100プロジェクト」だ。
プロジェクトで初めて手掛けたのが、ジャイロキャノピーをベースにした「OA-0(オーエイゼロ)」。じつはこの車両はオートモビルカウンシル2023で公開された際に、マツダのオート三輪が目に留まり近づいていったときに目にしており、その異質な存在感に「これは一体何なんだ?」と取材、紹介している。
【100台売ります】広島の試作屋がつくったイケてる3輪バイク「オーエイゼロ」|オートモビルカウンシル2023|
この「OA-0」の公開時に、展示会場で「荷物や長物を積みたい」というリクエストがあり、それを反映して開発したのが今回展示した「OA-0X」なのである。事業の新たな「柱」づくりのためにイベント出展は大きな意義を持っているようだ。
■地元瀬戸内海がOA-0X開発の原点
第一弾のOA-0とはかなりイメージの異なるOA-0Xのこだわりポイントはどんな所にあるのか。
発想の原点は「荷物を積む」にあるのだが、このデザインに落とし込まれたのは、地元である瀬戸内海ではSUP(スタンドアップパドル)などのマリンスポーツが盛んであることや、農業従事者も多く、そんな土地柄からインスピレーションを受けているそう。
ベースとなるのはホンダの3輪スクーター、ジャイロキャノピー。
家から海まで乗っていき、アウトドアアクティビティを楽しんで汚れた状態でも気がねなく乗れるというシーンをイメージして製作した。荷台もあるのでサーフボードやキャンプ道具なども積めるし、さまざまな趣味に合わせた使い方ができるデザインとしたことも特徴だ。
荷台と一体化したシート部分は何と木目。
こだわりポイントはほかにもあり、部品は得意な板金技術を用いた金属製パーツで構成されている。キャノピーの骨組みは当初パイプで組まれていたが、バイクのバランス性や軽量化を考慮し、金型を製作してプレス成形品とするなどかなり大がかりな仕立てとなっている。
これらを実現できるのは金型設計・加工、プレスなど、本業で用いる設備が活用できる環境が整っているからこそであり、技術を磨く一環としての役割をこのプロジェクトが担っていることにほかならない。
OA100プロジェクトでは、今回展示していたOA-0Xや前作のOA-0といった乗り物だけでなく、さまざまなものを作っていきたいと意気込みを見せる。金属加工に関しては何でもできるという自負があるからだ。
さらに金属以外の素材も作れるように技術力を底上げしたいそうで、例えばシートカバーなど布物の縫製やプラスチック素材の削り出しなど、より事業領域を広げたいという思いもあるようだ。
■もうひとつの柱に据えているのが車両のレストア
これまでにマツダのオート三輪やポーターキャブ、スズキのスズライトやフロンテクーペのレストアを行っている。これは技術の継承という側面もあり、レストア車両はオートモビルカウンシルなどでの展示を通して後継育成の成果と技術力をアピールしてきた。
特にレストアは技術の見せ場だといい、オーエイプロトなら手たたきで作るバイクのタンクやマフラーなど、失われた部品があっても金属製品であれば製作できるという。ただ、問い合わせは多いものの費用面との折り合いが難しいという。
このOA100プロジェクトで製作した作品と、それらを台数限定ながらも販売していくことでオーエイプロトのさらなる認知拡大を目指す。
今回モーターキャンプエキスポ2026への出展でも確かな手応えを感じたというオーエイプロト。次はどんな作品を生み出すのか、期待が膨らむ。
ちなみに同社のOA100プロジェクトの特設ウェブサイト(https://oa100.jp)ではプロジェクトにかける思いやこれまでの作品を掲載するとともに、OA-0の販売も行っている。こちらは150万円(税別)~となっている。
OA-0Xについては100万円(税別)で販売しており、購入に関する問い合わせはメール(info@oa100.jp)で受け付けている。そして何と東広島市のふるさと納税返礼品としてもラインアップしている。
オーエイプロトとOA100プロジェクトに興味を持った人は、プロジェクト特設サイトからメールマガジン「CLUB OA 100」に登録するか、Instagramなどのオーエイプロト公式SNSをフォローすることで最新の活動情報や新製品のリリース情報が知れるので、こちらも要チェックだ。
〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉
■オーエイプロト
https://next.oaproto.com
■OA100プロジェクト
https://oa100.jp

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