6月に一時71,000円を突破した日経平均は、7月に入ると65,000円を割れる場面もあり、2026年上期のAI相場は一服感が強まっています。上昇相場を牽引した国内AI関連銘柄も高値から調整が進んでいます。
今回は、高値からの下落率ランキングをもとに、国内AI銘柄の現状を整理します。
○2026年上期の上昇相場は一服

6月に日経平均株価が72,000円を突破するなど、2026年上期の国内株式市場は堅調に推移しました。しかし7月には一時65,000円を割り込む場面もあり、上昇相場はいったん落ち着きを見せています。足元は夏枯れ相場の様相もあり、次の相場の材料待ちという状況です。

7月は韓国株式市場の下落が目立ち、現地では社会問題として取り上げられるほどの影響が出ています。一方、日本株も調整しているものの、上期の上昇分の多くは維持されており、AIバブル崩壊や全面的な暴落という状況ではありません。日々の値動きは大きいものの、方向感に乏しい相場が続いています。
○国内AI銘柄の下落率ランキング

上昇相場を牽引したAI関連銘柄も、高値から調整が進んでいます。国内AI関連銘柄について、年初来高値から7月24日終値までの下落率をランキングにまとめました。

下落率1位はキオクシアHDでした。同社は年初から高値まで株価がおよそ10倍に上昇しており、「山高ければ谷深し」という相場格言を体現するような値動きとなっています。ただし、高値からは5割下落しているものの、年初から見れば大幅な上昇幅を維持しています。


2位はフジクラです。データセンター向け光ファイバー需要の拡大を背景に業績・株価ともに大きく上昇しました。一方で、2027年3月期の最終減益予想を公表した後、約1カ月で上方修正を発表するなど、投資家にとって判断が難しいIRが続いたことも、株価調整の一因になった可能性があります。

3位はソフトバンクグループです。OpenAIをはじめAI分野への大型投資を積極化しており、国内では半導体メーカーではない代表的なAI関連銘柄の一つです。当初はOpenAIの年内上場も期待されていましたが、来年以降に延期されるとの報道もあり、約10兆円規模とされる投資計画の先行きに対する不透明感が株価に影響している可能性があります。

○国内AI銘柄は高値から概ね2~3割下落

キオクシアHDとフジクラは高値から4割を超える下落となりました。一方、それ以外の主要AI関連銘柄は概ね2~3割程度の調整にとどまっています。

特に、昨年から国内株式市場を牽引してきた東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体製造装置関連は、下落率がおよそ2割前後にとどまっています。AI相場が一服した局面でも比較的底堅い値動きを示しているといえるでしょう。

一方で、キオクシアHD、フジクラ、イビデンなど、AI相場後半に注目を集めた銘柄ほど下落率が大きい傾向も見られます。
○二番底リスクも意識しつつ、AI相場第2幕に備えたい

キオクシアHDのように高値から5割下落すると割安感を意識する向きもあります。
しかし、足元は夏枯れ相場であり、短期間で力強い反発に転じる環境とは言い切れません。

また、株式市場では一度反発した後に再び安値を試す「二番底」を形成するケースも少なくありません。さらに調整が進んだ後に本格的な反発局面へ移行する可能性も考えられます。

韓国市場ではAIバブル崩壊を懸念する声も聞かれますが、世界的なAI投資そのものは継続しています。AI相場第2幕への期待が消えたわけではなく、次の上昇局面に備え、値動きの比較的安定しているAI関連銘柄も含めて継続的にフォローしていくことが重要になりそうです。

石井僚一 いしいりょういち 金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社の勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式市場や為替市場に関連する記事の執筆を得意としている。資産運用記事やインタビュー記事も執筆中。第一種証券外務員資格保有。 この著者の記事一覧はこちら
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