世界フリースタイルフットボール連盟(The World Freestyle Football Association)は、世界最大のオープン形式による国際大会「Super Ball 2026」を、8月17日から22日にかけてオランダ・アメルスフォートで開催した。大会には44カ国から166名のトップ選手が集結し、7種目にわたって世界最高峰のバトルが繰り広げられた。
中でも大きな注目を集めたのが、メイン種目「Freestyle 1×1 Battles」である。激しい攻防を制し、男子部門ではオランダ出身のAbel de Jager選手、女子部門ではフランス出身のLucie Quinton選手が、それぞれ世界の頂点に立った。
本大会は、世界中のアスリートが年に一度集う交流の場でもある。約1週間にわたる大会期間中、選手たちはライバルであると同時に仲間として、多様なスタイルや価値観を認め合いながら、フリースタイルフットボールの表現の可能性をさらに広げた。
Photo by lotarfreestyleフリースタイルフットボールとは
サッカーのリフティングなどの技術を、パフォーマンスへと昇華させたアーバンスポーツの一つ。1990年代後半に競技として発展し、現在では世界各地で大会が開催されるグローバルなスポーツへと成長している。
近年、Z・α世代を中心にSNSのショート動画などを通じてその魅力が広がっており、視聴人口は約2億人に上るともいわれている。「必要なのはボールひとつだけ(All you need is a ball.)」をスローガンに、誰でも気軽に始められ、技術や表現を追求するほど奥深さが増していくのがこのスポーツの魅力だ。世界中の人々にとって自分らしさを表現する手段となっているほか、世代や国境を越えたつながりを生み出している。
日本人選手の活躍
国内でも毎年多くの大会が開催され、これまで数々の世界トップクラスの選手を輩出してきた日本。日本人選手は、音楽に合わせてリズミカルに技を繰り出す高い技術力に定評があり、世界でも強豪国の一つとして知られている。
今回の「Super Ball 2026」では、そんな日本勢が期待を上回る快挙を達成した。「Kill the Beat」部門では日本人選手が表彰台を独占したほか、「Sick Three」ではアジア人史上初となる準優勝を果たした。また、今大会で日本勢が獲得したメダルは合計5個。
日本人選手の戦績
Kill the Beat
1位 Yu-ri
2位 KURO
3位 UZURA
Sick Three
2位 Yu-to
Routines
3位 UZURA
1×1 Male Battles
TOP 32 Yu-ri、UZURA
選手紹介
YU-RI(Kill the Beat 優勝)
1998年徳島県生まれ。中学2年生でフリースタイルフットボールと出会い、高校から本格的に競技へ専念。独創的なトリックと高い表現力を武器に国内外の大会で活躍し、日本人初成功とされる高難度トリックも保持する。Red Bull公式アスリートとしての顔も持つ。
【過去大会実績】
・Asia Pacific Champion
・Australia World Open Champion
・Fukuoka Freestyle Open 優勝
その他国内10大会優勝
【コメント】
「フリースタイルフットボールの文化が根付き、多くの表現者が集う日本を代表して『Kill the Beat』部門の頂点に立てたことを、心から誇りに思います。高難度のトリックを主体とする私のスタイルでは、音に合わせて動きを制御すること自体が極めて困難です。しかし、日頃からリズムを意識して積み重ねてきた鍛錬が、今回の結果に繋がったのだと感じています。今後は『Freestyle 1×1 Battles』部門での世界一という目標を掲げ、さらなる高みを目指して日々挑戦を続けていきます。」
1992年北海道生まれ。札幌を拠点に活動。中学3年生で競技に出会い、大学からフリースタイルフットボールにのめり込む。現在は競技と並行してスクール運営や指導者としても活躍するほか、日本フリースタイルフットボール連盟に所属し、日本代表の選出などに携わっている。
【過去大会実績】
・Super Ball 2025「Kill the Beat」準優勝、「Routine」3位
その他国内大会にて数々の優勝実績
【コメント】
「今年は『Kill the Beat』において2位を獲得し、大変嬉しく思います。
1999年山梨県生まれ。サッカーの名門・聖和学園高等学校(宮城県)を卒業。現在は、独自のボールコントロールとエンターテインメント性の高いパフォーマンスを武器とするフリースタイルフットボーラーとして活動する傍ら、サッカースクールや個人レッスンを通じ、自身が培ったスキルを子どもたちに指導している。
【コメント】
「Super Ball初出場ということで、世界の選手や観客から自分がどう見られるのか分からない部分もありましたが、想定していた以上に世界に自分のパフォーマンスを認めてもらえたと感じています。これからはオリジナリティを大切にしながら、技にさらに深みを出すことも意識して、今よりも高いレベルを目指していきたいです。来年もSuper Ballに出場したいです!」
2000年静岡県生まれ。Air Technician、F.B.D.所属。2021年には業界バトル内で初となる3回転2連続コンボに成功。「Super Ball 2026」の「Sick Three」ではアジア人初の準優勝を果たした。
【過去大会実績】
・High School No.1 2018、2019 優勝(2連覇)
・Super Ball 2024「Challenge」ベスト4
・Super Ball 2025「Challenge」3位
・Super Ball 2026「Sick Three」準優勝
【コメント】
「2024年からSuper BallのLOWERのコンテンツに挑んできましたが、今回アジア人初の準優勝という結果が残せてとても嬉しいです。来年のSuper Ballでは優勝を目指し、日本のLOWERを少しでも盛り上げられるように頑張ります。今回のSuper Ballでは、家族や日本の仲間、本番中にポジティブな声かけをしてくれた友達など沢山の人のお陰で練習以上のパワーが出せたかと思います。
Super Ball 2026 競技種目(抜粋)
Freestyle 1×1 Battles(フリースタイル・ワンオンワン・バトル)
本大会のメイン種目。2人の選手が交代で技を披露し合うバトル形式で行われる。
Kill the Beat(キル・ザ・ビート)
DJが流す音楽に合わせて、即興でリズミカルに持ち技を繰り出す競技。
Sick Three(シック・スリー)
ボールをまたぐ回数で難易度が変わる、フリースタイルの花形カテゴリー「エアー」の頂点を決める部門。最高難易度の3トリックを競う。
Routine(ルーティン)
事前準備した音楽と振り付けでショーケースを披露する競技。
Super Ball 2026 「Freestyle 1×1 Battles」優勝者
男子部門優勝:Abel de Jager(アベル・デ・ヤーヘル)
オランダ・アムステルダム北部出身の19歳。12歳(2019年)で競技を始め、2020年にはオランダ・ナショナルチャンピオンシップのユース部門で優勝。「Super Ball 2025」でのベスト16進出を経て、着実に実績を重ねてきた。
今年、初めてSuper Ballの頂点に立ったAbelは、決勝で前年度王者のJesseとのオランダ人同士による激戦を制し見事優勝を果たした。
【コメント】
「今回のSuper Ballでのバトルはどれも接戦だったので、まさか自分が優勝したなんて信じられません。この大会で優勝することは長年の夢だったので、本当に嬉しいです。」
フランス・ノルマンディー地方出身。サッカー経験を経て2016年からフリースタイルフットボールを開始。フランス王者に2度輝き、世界ランキングトップ8に入る実力者へと成長した。
【コメント】
「とても嬉しいです。でも、優勝したことがまだ信じられません。得点が本当に僅差だったので、まだ実感が湧いていないんです。それでも今はとてもホッとしていて、幸せな気持ちでいっぱいです。」
審査員コメント
Simon Atli Larsen(シモン・アトリ・ラーセン)
「今年の大会では、トップ選手同士の実力差がこれまでになく縮まり、非常にハイレベルな戦いが繰り広げられたことに大きな感銘を受けた。そんな激戦の中で、フランスのLucieとオランダのAbelが主要タイトルを勝ち取ったことは、両選手の実力の高さを何よりも物語っている。
Lucieは多様な要素で高い技術力を発揮しているが、特に下半身を使った技の難度の高さは特筆すべきものがある。一方のAbelは、ボールが身体に吸い付いているかのような驚異的なコントロールを武器に独自のスタイルを確立している。
また、16歳未満対象の『NextGen』をはじめ、若手選手の著しい成長にも大きな可能性を感じた。彼らが今後メインカテゴリーで活躍する姿を楽しみにしている。」
主催者コメント
WFFA イベント・イノベーション責任者 Gabriel Massif(ガブリエル・マシフ)
「私たちが創ってきたSuper Ballは単なる大会ではなく、世界中のフリースタイルフットボーラーが集まり、刺激を与え合う『第二の家』のような場所だ。大会期間中、選手や観客が一緒になって交流する姿を見られたことを本当に嬉しく思っている。
今年も素晴らしい戦いが繰り広げられ、新たなチャンピオンが誕生した。優勝したLucieとAbelをはじめ、参加したすべての選手のパフォーマンスと努力を心から讃えたい。これからもこの仲間が世界中に広がり、Super Ballが誰もが自分らしく輝ける場所であり続けることを願っている。」
Super Ball / WFFA について
Super Ballについて
「Super Ball World Open」は、世界最大規模のフリースタイルフットボール・オープン大会である。The WFFA公認のもと、男女それぞれ7つの競技種目が開催されるほか、ワークショップや交流イベントも実施されている。
WFFA(The World Freestyle Football Association)について
2017年に設立され、スペイン・バルセロナに本部を置くフリースタイルフットボールの世界連盟。競技およびカルチャーとしての発展・普及を担い、世界100以上の国・地域で大会の主催・支援を行っている。
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