レビュー

「毎日こんなに動いているのに、なぜか時間が足りない」。そんな感覚を抱えたまま、気づけば1日が終わっている人は多いのではないだろうか。

やるべきことに追われ、休んでいるときも頭のなかは常に次のタスクでいっぱい――。本書は、そんな「時間に追われる感覚」の正体と対処法を、具体的に解説した一冊である。
著者のNagisa氏は、福岡県を拠点に活動するRoomStylist・整理収納アドバイザーだ。2児の母として日々の暮らしを整えながら、全国でのセミナーやテレビ出演など幅広く活動している人物である。
本書で印象的なのは、「時間がない原因はタスク量ではなく、小さな先送りの積み重ねである」という視点だ。出しっぱなしの書類、メールの返信、プレゼント選びなど、どれも数分で終わるタスクなのに、先送りにしてしまい、脳のメモリを奪われ続ける――。そんなモヤモヤに覚えはないだろうか。本書は、それを「仕組み」で防ぎ、解決していく。
また、本書は時間術の本でありながら、どこか余白を感じさせる。「たくさんこなす人」になるためではなく、大切な時間を心から味わうための習慣を提案しているからだろう。コーヒーをゆっくり飲む時間、家族との会話を楽しむ時間、自分の好きなことに没頭する時間。そのために暮らしを整えるという視点に、強く共感した。

「いつも時間に追われている」「休んでも疲れが抜けない」「やりたいことが後回しになる」。そんな人にこそ、本書を読んでほしい。読むことで、時間の使い方だけでなく、暮らしとの向き合い方そのものが変わっていくはずだ。

本書の要点

・「すぐやる」は、単なる効率化ではなく、先送りを減らして心の余白を生む習慣である。小さなタスクを溜め込まないことで、本当の意味で穏やかに過ごせるようになる。
・朝の忙しさを減らすには、前日の準備や服装の定番化などで「選択肢」を減らし、できるだけ考えなくていい状態をつくることが大切である。
・チラシやDMは、捨てる場所が遠いと溜まりやすい。開封から処分までを同じ場所で完結できる仕組みを整えれば、処理を先送りせずに済む。



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