レビュー

仕事か、生活か。その二択に追い込まれているような感覚を抱いたことはないだろうか。


本書は、「頑張り続けなければ価値がない」という思い込みを見直し、仕事も生活も長く続けるための働き方を提案する一冊だ。著者の佐野創太さん自身、かつては「100%全力で働く」キャリアを歩んでいた。しかし28歳で母親の介護に直面し、仕事中心の人生設計が大きく揺らぐ。そこで気づいたのは、失ったのは能力や意欲ではなく、「常に100%であるべき」という前提だったということだ。
本書が問いかけるのは、「全力で走り続ける」か「仕事を諦める」かという極端な二択ではない。「自分のリズムで、長く働き続ける」という第三の選択肢である。現代の職場は、構造的に成果や成長を求め続ける。だからこそ著者は、仕事の主導権を取り戻すことの大切さを、実体験を交えながら優しく説いている。
要約者自身も親の介護に向き合う中で、「介護離職」という言葉が頭をよぎったことがある。本当は仕事に全力を注ぎ続けたい。けれども、5年後も今と同じように働けるかという不安もある。育児や介護、看護といった事情を抱えながら働く人が増える中で、本書に描かれる悩みは決して特別なものではないだろう。

「70%で働く」とは、手を抜くことではない。大切なものを守りながら、持続可能に働くための設計思想である。今の働き方に違和感や不安を抱く人にとって、本書は自分らしく働き続けるための新たな選択肢を示してくれる一冊だ。

本書の要点

・「70%で働く」とは手を抜くことではなく、チャンスやピンチに対応するための余力を意図的に残す働き方である。
・会社の目標と自分の目標を切り分け、自分なりの目的を持つことで、仕事の主導権を取り戻し、納得感のあるキャリアを築ける。
・悩んだときは、IQ・EQ・SQを使い分けることで、本音や仕事に感じている意味に気づき、前向きな行動につなげられる。



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