レビュー

素敵な服を今すぐ買うかセールを待つか、貯金と投資のどちらを優先するか、転職するか現職に留まるか。小さなことから人生を左右する大きなことまで、私たちは日々さまざまな決断を迫られている。

迷わず決断できる人を見て、羨ましく感じた経験のある人も多いだろう。
著者の深谷百合子氏は、ソニーグループやシャープ、中国国有企業で人材育成に携わり、100名を超える中国人部下の育成も経験するなど、多くの人の成長や意思決定に向き合ってきた。さらに独立後は、研修や執筆活動に加え、100件を超えるインタビューを通じて、人が転機にどのような決断を下すのかを目の当たりにしている。
深谷氏自身も、ライフイベントやキャリアの節目で幾度となく大きな決断を重ねてきた。迷いながらも前へ進めたのは、決断を妨げる「執着」の正体を見極めるとともに、自分なりの「決める基準」を持っていたからだという。
そんな深谷氏は、決断力とは特別な才能ではなく、誰もが身につけられる力だと説く。そして、「決断できる自分」になる方法として、「迷いの正体を知る→決断のための基準をつくる→必要な行動を決める」というロードマップを紹介している。
本書は、決断できない自分を責めるのではなく、自分の価値観と向き合いながら前へ進む方法を教えてくれる一冊である。「決断できる人になりたい」と思うなら、まずは本書を手に取るという「決断」をすることから始めてみてほしい。

本書の要点

・決断力とは、自分の不安や迷いと向き合いながら価値観を明確にし、十分な材料を集めて判断する力である。良い決断には、自分なりの基準が欠かせない。
・決断の軸となる基準は、4つのステップで明確にできる。

(1)「やりたくないこと」「嫌いなこと」を書き出す、(2)自分の大切にしていることを言葉にする、(3)誰かの悩みに触れる、(4)マイルールをつくる、である。
・迷ったときは、「自分の本音を受け入れる」「未来の自分を基準にする」「ロールモデルの思考を借りる」「小さく決める」「やりたいことを口に出す」という5つの行動が決断を後押ししてくれる。



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