レビュー

天才的イノベーターたちの読書習慣に迫った『天才読書』に続き、彼らの思考と行動原理を解き明かす待望の一冊が登場した。
しかも本書『天才思考』では、前作に登場したイーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツに加え、ピーター・ティールや本田宗一郎など、世界を代表する起業家たちの事例も豊富に紹介されている。

世界を変える破壊的イノベーションは、いかにして生まれるのか。その秘密を、著者の綿密な取材と膨大な数の読書によって迫っていく。
本書によれば、世界を変えるイノベーターたちには絶対的な共通点があるという。それは、「行動の人」であることだ。どれほど優れた頭脳で斬新なアイデアを思いついても、それを頭の中に留めているだけではイノベーションは生まれない。ひらめきを形にし、市場へ投入して社会に広めるには、強い意志と行動力が欠かせないのである。
現代では「イノベーション」という言葉は肯定的な意味で使われることが多い。しかし歴史を振り返れば、当時の常識では考えられない発明や思想は、まず人々から疑いの目を向けられ、既得権益を持つ側から強い反発を受けるのが常だった。カトリック社会で起こった宗教改革は、その典型例と言えるだろう。改革はヨーロッパ各地を巻き込み、多くの戦争を引き起こした。
強烈な反対すらバネにして、勇猛果敢に突き進むイノベーターたちの頭の中はどうなっているのだろうか。本書では「10の思考」に整理し、それぞれを詳しく解説する。
ページをめくるたびに新たな発見があり、知的興奮を味わえる一冊である。

本書の要点

・イノベーターとは、活動せずにはいられない「行動の人」だ。イノベーションを普及させ、社会を変革するには「行動」が欠かせない。
・既存の知識の「新結合」であるイノベーションには、「知識の幅」が必要だ。世界的なイノベーターは、幅広いジャンルの本を多数読むことで、その幅を広げている。
・イーロン・マスクは「常識を疑い、前提を特定する」「問題を基本要素に分解する」「ゼロベースで問題解決の方法を考える」という「第一原理思考」を実践し、スペースXを宇宙開発で世界トップに押し上げた。



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