レビュー

「部下に任せたいのに任せられない」「育成が大事だとわかっているのに、時間がないから難しい仕事は自分でやってしまう」。そんな葛藤を抱えながら働くプレイングマネジャーは少なくない。

部下の成長を願っているはずなのに、どうしても育成に手が回らない――。本書は、そんな悩みを抱える人に最適な一冊である。
著者の池本克之氏は、ドクターシーラボやネットプライスなどの社長を歴任し、年商3億円の企業を4年で120億円に成長させるなど、「成長請負人」として数々の企業改革を成功させてきた経営者である。現在も1000社以上の組織づくりを支援しており、本書にはそうした豊富な実践経験が凝縮されている。
多くのプレイングマネジャーは、プレイヤー業務とマネジャー業務を両立するから忙しいのだと考える。しかし著者は、その認識こそが問題だと指摘する。マネジャーになったからには、「自分の仕事の合間に部下を見る」のではなく、「部下育成という本業の合間に自分の仕事をする」発想へ切り替えなければならないのである。
さらに本書では、「自分でやるほうが早い病」から抜け出す方法や、部下の内発的動機を引き出す対話の仕方、自走するチームをつくる具体的なステップが紹介される。どれも特別な才能やカリスマ性を必要とするものではなく、明日から実践できる内容ばかりだ。
部下を持ったばかりの新任マネジャーはもちろん、長年マネジャーを続けているにもかかわらず忙しさから抜け出せない人にもぜひ読んでほしい。読み終えた後には、「自分が頑張れば何とかなる」という発想から、「部下の成長こそが最大の成果である」という発想に変わるはずだ。

本書の要点

・部下育成を「本業」と位置づけることが、プレイングマネジャーが忙しさから抜け出す第一歩である。


・部下の内発的動機を引き出し、「なりたい自分」と今の仕事を結びつけることで、部下は主体的に行動し成果を出せる人材へと成長していく。
・信頼関係を土台に、教育や訓練、フォローアップ、環境整備、適切な評価を行うことで、部下が自ら動き成果を生み出す「自分がいなくても回るチーム」を実現できる。



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