「私服警備員です。あやしい動きをしていたので携帯の中を見せてもらえますか」


「盗撮ハンター」は私服警備員を装って男性に声を掛け、現金をだまし取っていた。


 盗撮の示談金名目で現金241万円を詐取したとして、広島県警広島中央署は8日、同市の自営業、児玉啓容疑者(29)を詐欺の疑いで逮捕した。


 先月6日、児玉容疑者は広島市中区の歓楽街の路上で女性の後ろを歩いていた26歳の男性を呼び止めた。男性が手に持っていた携帯に保存された画像を見せると、児玉容疑者は「どうするんですか?」と伝えたうえで、男性の前で誰かに電話をかけた。


 ここでニセの父親が登場。児玉容疑者が「代わってくれますか」とスマホを男性に手渡すと、電話口の男は「何してくれとんじゃ。娘が泣きやまんぞ。トラウマになったらどうする。責任取れるんか」と迫った。


 児玉容疑者はニセ父親との電話を切ると、男性に「父親は『まだ未来があるから、今回は被害届を出さずに和解しようと思う』と言っている。ただ誠意を見せるにはお金が必要になるよ」と現金を要求した。


 児玉容疑者は手持ちがなかった男性を近くのATMに連れて行くなどして、現金をかき集めさせ、その日のうちに合計241万円を用意させた。


 事件から数日後、男性の関係者から広島中央署に相談があり、事件が発覚。

調べに対し、児玉容疑者は「自認も否認もしません」と供述しているという。警察はニセ父親の行方を追っている。


■被害男性は気が動転


「児玉は男性の動きをずっと追い、不審な動きをしたため、声を掛けたようです。男性は警備員を名乗る男から盗撮行為を指摘され、『見られていたのか』と思った。父親まで出てきて大変なことになったと気が動転し、頭が真っ白になり、相手の要求に応じてしまったようです。児玉は慣れた感じで、警備員を名乗ってもおかしくない身なりをしていた。被害男性もまさか詐欺だとは思いもしなかったようです」(捜査事情通)


 これまでも盗撮ハンターが「恐喝」で逮捕されるケースは度々あったが、今回は「詐欺」容疑での立件となった。


「詐欺となったのは、相手方を畏怖させる程度の『暴行』や『脅迫』がなかったから。被害者はしまったと思い、だまされて相手に言われるがままに現金を渡してしまった。付近では似たような手口の事件が数件起きていますが、ニセの父親が出てくる以外にもいくつかパターンがあります。犯人は街中であやしい動きをしている人物をターゲットにしていたようです」(前出の捜査事情通)


 ニセの警備員や父親まで装うとは随分手が込んだ手口だが、それだけ街中に「あやしい動き」をしている人物がいるということなのか。


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