高市政権の物価高対策を置き去りにして負担増を強いる政策。象徴的なのが、来月から始まる「高額療養費」の自己負担上限額引き上げである。


 高市政権が錦の御旗に掲げる「現役世代の負担軽減」の下、政府は先週24日、高額療養費の自己負担上限額を2段階で引き上げることを正式に決定。年収370万~770万円の場合、月額上限は来月に現行の8万100円から8万5800円に上がる。さらに来年8月には所得層の細分化に伴い、年収650万~770万円では11万400円へと跳ね上がる。


 高市首相は昨年の自民党総裁選時に高額療養費の見直しについて「引き上げるべきではない」と主張していたが、あっさり変節。がん・難病患者の反対を押し切った挙げ句、今年4月の参院予算委員会で「8月から開始することが『患者の皆さまの意向に沿うものだ』と思っています」とまで言い放った。


 来月からの負担上限引き上げを前に、SNS上では改めて怒りの声が拡散している。


〈#高額療養費の限度額引き上げを撤回してください〉。もう何度目だろうか。こんなハッシュタグが急拡大。政府の正式決定を受け、全国保険医団体連合会(保団連)が25日に改めて公式Xに投稿し、見直しの白紙撤回を求める抗議声明のインプレッションは150万超に達した。


「長引く物価高で食料品を切り詰める人もいる中、国民生活の改善どころか負担増に邁進する高市政権に対する失望と怒りがストレートに表れてきているように感じます。成長投資には官民370兆円をうたう一方、医療・社会保障への投資は二の次。

この状況に納得できない人がいかに多いかということです」(保団連事務局次長・本並省吾氏)


 高額療養費の見直しとOTC類似薬の一部保険除外による保険料負担の軽減効果は、合わせても月額150円。ペットボトル1本分にも満たない。


 やみくもに保険給付を削るだけで、まったく負担軽減につながらないにもかかわらず、政府は次なるターゲットに、人工透析や血友病患者らが対象となる特定疾病制度の自己負担限度額の見直しを据える。「命の沙汰もカネ次第」の社会では絶対にダメだ。


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 負担上限引き上げについて、総裁選では「反対」だったにもかかわらず手のひらを返した高市首相。その非情ぶりは関連記事【もっと読む】『高市首相が高額療養費見直しめぐり「丁寧に議論した」は大ウソ 患者団体を“アリバイ”に利用する悪辣』で詳しく報じている。


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